クラシックの森:ショパン大好き

都内在住のグラフィック&WEBデザイナーです。クラシック関連CDや漫画のレビュー等を交えながら、クラシック音楽の魅力を楽しく伝えていけたらいいなと思ってます。

辻井伸行さんのピアノの音色♪

…をコンサートホールで体験したい!←一度も生で聴いたことない人間(笑)

こんばんは、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/

さて、あなたは盲目のピアニスト辻井伸行さんをご存じですか?
ここ10年くらいに限って言えば、主要ニュースの中でおそらく1、2位を争うほどハッピーな話題(ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール優勝)を提供してくれていたピアニストなので、まったく知らないって人はいないかもですね。

 

辻井伸行 世界が感動した奇跡のコンクール・ドキュメント
 

このDVDはボリュームたっぷりで観応え十分! そして何度でも感動できますよ。
辻井さん中心ではあるものの、他の優秀なコンテスタントたちも紹介されています。

ファンであるボクでも、無意識に『盲目のピアニスト』なんて、それありきな言い方をしてしまいますが、そんな情報は必要ないですよね。
素直に、辻井伸行さんの演奏を楽しみたい。それだけです。
これって、ちょっとだけ昨日の記事の内容とかぶる部分があるかなぁ?(。´-ω・)

cosmic-classics.hatenablog.com

ボクは、チケットぴあもサントリーホールもWEB会員なのですが、会員先行販売でどんなに時間きっかりにサイトにアクセスしても弾かれまくり、結局はものの数分でチケット完売…
ラン・ランとか、あんな国際的スーパースターのチケットでも余裕で取れるのに、辻井さんのチケット…なんで取れないの!?
これまでの戦績は見事に全戦全敗で、なおも連敗記録絶賛更新中です。ヾ(´ω`)ノもう、お手上げ状態。
誰か、もしチケット余ったらお声を掛けてくださいませ。(笑)

 

テクニックは十分、そしてピアノで歌える人

辻井伸行さんは、これにしっかり当てはまるピアニストだと思います。
ボクにとっては、不透明な基準で良し悪しを評価するようなレベルのピアニストではありません。
ただ純粋に、彼の奏でる音楽を聴きたい! それだけですね。(・∀・o)-∀-o)

最初は、盲目という言葉を売りに視聴率アップを狙うメディアの作戦にまんまと引っかかりました。
でも、そのおかげでいろいろ彼のことを調べて特番をチェックしたり、音源を聴いたりできたので、彼のファンになるきっかけを作ってくれたことに素直に感謝したいと思います。
ありがとう、BS朝日さん!

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実は、ボクが録り溜めたクラシック関連のTV番組の中では、辻井さんのものが一番多いのです♪
全部同じ表紙で、タイトルだけ変えて作ったのは、単純にめんどくさかっただけですけどね…(爆)

 

辻井伸行さんのピアノの不思議な魅力

辻井さんのピアノといえば、個人的な話ではありますが、とても印象深い出来事があります。
それは今から3~4年ほど前、妻とは結婚を前提に真面目に付き合っていた頃のエピソードです。

その頃の彼女は、音楽といえば普通のJ-POPを人並みに聴き、カラオケで人並みに歌う程度でした。
それでも、小学生の頃にピアノは習っていて、当時のピアノの発表会では、ショパン≪小犬のワルツ≫軍隊ポロネーズを弾いたということですから、クラシックに関しては全く興味がないワケでも、聴いていて苦痛に感じるワケでもなかったようです。

ボクがクラシックが好きで、趣味でピアノを弾いてることももちろん知っていましたので、大体おうちデートのときは決まってクラシック音楽を流して二人で聴いていたものです。

そんなある日、特になんの前情報も話さずに、辻井さんの弾くラフマニノフ≪ピアノ協奏曲 第2番≫佐渡裕さん指揮)を流したところ、暫く大人しく黙りこんでいたので、不思議に思って顔を覗き込んだら…

はっ…な、泣いてる!(゚△゚;) マジですか…(爆)

スッと、一筋の涙が頬を伝っているのです。
女性を泣かせたことなどなかったので、これにはちょっとびっくりしました。

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辻井君ではありません。ラフマニノフです。って、わかるか…(笑)それにしてもイケメンですね。

当然「どうして泣いてるの!?」って聞きますよね?(^^;;
でも、彼女はなんで涙がでたのか分からないと言うんです。←これ、いまでも分からないらしいです。
そしてその後、辻井さんの生い立ちや、2009年にヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝したことなどを話してあげました。

ピアニスト辻井伸行 奇跡の音色 ?恩師・川上昌裕との12年間の物語?

ピアニスト辻井伸行 奇跡の音色 ?恩師・川上昌裕との12年間の物語?

 
辻井伸行 奇跡の音色―恩師との12年間 (文春文庫)

辻井伸行 奇跡の音色―恩師との12年間 (文春文庫)

 

内容はどちらも同じです。下の文庫本の方が読みやすいかと思います。
辻井さんと、彼を見守ってきたピアノの先生との二人三脚の物語。2005年に17才でショパン国際ピアノコンクールに参加し、第二次予選まで進んだときのエピソードも紹介されています。

それまで、いろんな作曲家や演奏家のCDを一緒にさんざん聴いてきたのに、辻井さんのピアノだけにこんな反応を見せるなんて…
ボクも、辻井さんがハンディキャップを抱えてるからとかそんな美談ではなく、彼の演奏が理屈抜きに大好きだったので、つい嬉しくなってしまい、そのタイミングでプロポーズをしてしまいました。←いや、お恥ずかしい限りです。(*´ ∇`)。すみません。

そして、今、妻となった彼女が一番好きな曲が、ラフマニノフの≪ピアノ協奏曲 第2番≫で、もちろん辻井さんが弾いたものでないと聴かないってくらい、我が家のスタンダード版になっています。
さらに、生後1ヶ月になる息子にもそのCDをずっと聴かせているという入れ込み具合です。(笑)

 

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番(DVD付)

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番(DVD付)

 

ゆったりとしたテンポで地に足がついた序盤から、第三楽章のドラマティックなコーダまで、辻井くんの世界へどっぷりと引き込まれてしまいます。

もちろん、みんながみんな辻井さんのピアノに魅せられているワケではないでしょう。感性は人それぞれですから、彼のピアノについていろいろと意見を持ってらっしゃる方も大勢いると思いますし、それに関しては理解できます。

しかし、今回一番伝えたかったのは、彼の技術がどうとか、あの表現力がどうとかいう理屈ではなく、感性が違う2人が辻井さんのピアノという同じ音楽に感動できる幸せを共有できたという事実です。
音楽って、本当につたない言葉や理屈で説明できるものではないんですよね。

彼が小さい頃からプロのピアニストになるという道を選択し、きっちりとその道を歩んでくれたこと、そして見知らぬボクたちにその音楽を届けてくれたことに心から感謝します♪

辻井伸行さん、ありがとう(゚▽゚*)♪

そして、プロモーターの方にひとこと言わせてください。
コンサートのチケット、なんとか販売方法を工夫して、まだ生で聴いたことのない人優先で行き渡らせてくださいよ。(笑)

それではまた!(^-^)/~~~

プロとアマチュアの違いを言及することについて

こんばんは、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/

世の中には、古今東西たくさんのピアニストが存在していますよね。
そんな中で、あなたはこんな風に不思議に思ったことはありませんか?

 

プロとアマチュアって何がどう違うんだろう?

果たして、以下の質問に的確な答えを返せる人がこの世の中にどれくらいいるのでしょうか?

1.聴いた感じではプロとアマチュアの演奏の違いがわからないんだけど…
2.演奏技術って、プロ>>>>>アマチュアなの?
3.音楽をいろんな言葉で表現して評論を書いている人を見かけるけど、彼らは本物とそうではない人がすぐ分かるの?


まず最初の疑問『プロとアマチュアの演奏の違い』ですが、一定レベルの演奏技術をもったピアニストならば、正直ボクでも全く判断つきません。(--;;

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先に断っておくと、芸術という分野に限って言えば、評論だの議論だの優劣だのに関しては、全て主観の世界でしかないと思っています。
これって人によって様々なので、ある人にとってゴミのようなものがある人にとっては宝物だったりするワケで、音楽も絵も彫刻もパフォーマンスもそんなものではないでしょうか?
ですから、プロとアマの違いに関しては、極論『金を貰っているかいないか』それだけに過ぎないのですが、そこを判断するのに主観は必要ありませんよね。

昨日ピアノを始めた人の演奏は、前情報がなくても誰にでも分かるでしょう?
ボクはその演奏を聴いたら、はっきりと「なんだよ下手くそ」と思いますし、100%の人にそう思って欲しいです。

でも、極論その人の弾くピアノに感動する人がいるかも知れないのです。
そうあっては欲しくないけれど(笑)可能性を言えばゼロではないということですね。
それが個々の主観です。

そこまで極端なケースではないにしろ、逆にボクが大好きな演奏家は聴く人が聴けば『下手くそ』である可能性だってあります
本当に耳の良い人の音楽の聴き方は、ボクがそうではないため全く説明しようがありませんが…

 

クラシック演奏家の必須スキル:完璧な演奏技術

そんな人並みの耳しか持たないボクにでも、確実に言えることがあります。
それは…

演奏テクニックの有無です。

なんだ、結局そこかよ? と思われるかも知れませんね。
でも、クラシック音楽においては、そこは当然押さえて然るべき要素で、抜けていたらお話にならない世界なのです。
ボクがこのブログで今までエントリーしてきた記事で、褒め称えているピアニストや他器楽曲の演奏者は、完璧に近いテクニックを持っているという大前提があります。

昨今のプロを目指す学生たちの演奏技術については、それはもう軒並みレベルが高く、何十年も前からプロとして名を馳せている演奏家にも引けを取らない(むしろ超えている)レベルだと本気で思っています。
楽器自体の進化なのか、音楽教育のカリキュラムの進化なのか、そこは分かりませんが、技術の底上げは確実に成されてますね。

ですから、2番目の疑問である『演奏技術って、プロ>>>>>アマチュアなの?』に関しては、自信をもって首を縦に振ることはできません。

しかし、その名演奏家のテクニックが昨今の学生よりも多少劣っていたとしても、その株が下がるものでしょうか?
もう、これは答えるのが馬鹿馬鹿しくなるくらいの愚問ですよね。

完璧なテクニックは音楽を支えるものではあっても、音楽そのものではないのですから。
↑結局、これが肝になる部分なのだと思います。

 

結論:テクニック以外のことは全部主観である!

あぁ、言い切ってしまっていいのでしょうか?(^^;;
でも、3番目の疑問である『本物とそうではない人』なんて皆さん本当にわかるのでしょうかね…

コンクールで優劣をつける、超一流であろう耳を持っている審査員の方々は、ボクら素人が感じ取るところとは全く別のものを感じ取っているのでしょうか?
いろいろ難しい言葉を並べても、ボクは所詮、まずはしっかりしたテクニック~それからあとは主観なんじゃない? って思うんですけどね…(笑)

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世間では(特になんちゃら知恵袋等)、プロとアマの違いをなんとか定義しようと、言葉巧みにまとめてるみたいだけど、まったく説得力に欠けるものばかりです。

なぜなら、どれもこれも結局のところ一般論と主観で説明されているからです。
要するに、個人の好みがそこに見え隠れしてるのですよね。でもこれ仕方ないです。だって定規でビシッと線を引くように仕分けができるわけありませんからね。
結果、自分好みの演奏家に肩入れしてしまうのは極々自然なことです。

最後に、ボクはツイッターをやっていて、そこではクラシック垢ばっかりフォローしているのですが、ショパン≪ピアノ協奏曲第1番 第3楽章≫の難しい箇所を、ピアノのみで数分間だけアップしてる方がいたんですよ。
もちろん有名なプロのピアニストではありませんが、なんだか、その後ろからオーケストラの音が聴こえてくるような気がしてとても感動したんです。

要は、プロだろうがアマだろうが、健全に音楽を楽しむことができるのであれば、別に色眼鏡なんか必要ないってことなんですよね♪
眉間にシワを寄せて、音楽を斜めから見てたらすごく損をするんじゃないかなぁって。

自分から難しい問題定義をしておいてなんですが…
もしかすると、正解をひも解くより、むしろ追求しないことが正解なのかも知れませんね。

それではまた!(^-^)/~~~

ショパン映画に一番ゆかりのあるピアニスト

こんにちは、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/

あなたはクラシック音楽を題材にした映画を観たことはありますか?
※のだめを除く(爆)
ふと思ったのですが、ボクは意外と観ていないんですよ。これまでに観たその作品数は僅かに6つ…(^^;;

別れの曲(Abschiedswalzer/1934年・ドイツ)
アマデウス(AMADEUS/1984年・アメリカ)
戦場のピアニスト(THE PIANIST/2002年・仏独波英)
ショパン 愛と哀しみの旋律(Chopin: Desire for Love/2002年・ポーランド
敬愛なるベートーヴェン(Copying Beethoven/2006年・イギリス)
オーケストラ!(LE CONCERT/2009年・フランス)


しかも、ほとんどがここ10~20年に制作された映画ですね。
みなさん、なにかクラシック映画でオススメがあったら、是非是非教えてくださいませ!!←新しい刺激に常に飢えておりますゆえ…(笑)

さて、最初に挙げた≪別れの曲≫が唯一のモノクロ映画ですが、これがボクにとって今のところ一番心を打つクラシック映画です。
時代が時代ですから、エフェクト技術など手の込んだ演出は一切ありません。
それでも、作り手の気持ちがヒシヒシと伝わってきますし、特に劇中のショパンとリストの俳優さんが、自分の考えるイメージとぴったりシンクロしていたのが大きかったです。

そして何よりショパンとリストの最初の出逢いのシーンがとても素晴らしいのです。
ショパンの力作英雄ポロネーズをお互い片手パートを演奏しながら握手を交わすという、洒落た演出に思わずニヤリとしてしまいます。
その光景を離れた位置で幸せそうな表情で見守る、エルスナー先生のチャーミングな姿。(笑)
ただ、残念な点としては、ジョルジュ・サンドがちょっと(かなり)美しすぎたかなぁ?
あと、演出上カルク・ブレンナーが嫌な役回りにされていますが、これは史実と違います。実際の彼は、ショパンのパリデビューに尽力した一人ですから。

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ヤヌシュ・オレイニチャク:ポーランドの大御所

さて…話は変わりますが、このピアニストの名前、ご存知の方いらっしゃいますか?
彼は、第8回 ショパン国際ピアノコンクール第6位入賞者として地元ポーランドを沸せたピアニスト
ちょうど、≪世界のUCHIDA≫こと内田光子さんが第2位入賞を果たした回ですね。←ちなみにこれは日本人としては現在最高位です。

そしてこの他、彼が名を上げた大きな理由は、アカデミー賞を受賞した作品、あの戦場のピアニスト≫において、すべてのピアノ演奏の吹き替えを行ったことです。

主人公であるシュピルマンが、ポーランドの敵となるドイツ軍の将校であるヴィルム・ホーゼンフェルトの目の前で弾いた、ショパンバラード第1番≫は実に見事なもので、情景描写の演出も相まって観衆の心に一番焼き付いたシーンだと思います。
ちなみに、これに水を差すようですが、実際にシュピルマンが弾いた曲は、ノクターン第20番(遺作)嬰ハ短調だという話です。
※この映画は、脚色しているとはいえ、ノンフィクションでありシュピルマンの体験記です。

それにしても、シュピルマン役を演じたエイドリアン・ブロディの演奏シーンの演技は、とても素晴らしかったですね!
ピアノを弾いている指のアップは、もちろんオレイニチャクによるものですが、冒頭の部分はちゃんと練習をしたそうですよ。
全くもってエイドリアンの演奏に見えるのですから不思議なものです。

ボクはその昔、NHKで放送されたあるショパンの特番を録画して(当時はもちろんVHSテープです。)オレイニチャクの弾くショパンを聴いていたのですが、なんだかアクの強い演奏であまり好きにはなれませんでしたが、まだ若くてよく理解できてなかっただけなのかもしれません。

また、彼は当時から地元ポーランドでは結構なピアニストとして活動してたみたいですが、日本では全く有名ではなかったし、恐らくレコードやCDも売られてなかった(?)ので、その後この映画で再び耳にするまではその名前を忘れてたくらいです。(^^;;

オレイニチャクの映画での演奏吹き替えは他にもあり、偶然ボクが観たショパン 愛と哀しみの旋律でも彼の演奏が聴けます。
内容的には、ショパンジョルジュ・サンド一家(息子のモーリス、娘のソランジュ)によるマジョルカ島への逃避行の時代にスポットを当てたもので、決して華々しいパリのサロン社会での生活を描いたものではなく、ドロドロとした人間臭ささえ漂う鬱々とした作品に仕上がってますね。

この映画には、日本が世界に誇るピアニスト横山幸雄さんも、≪革命のエチュード等の難曲の演奏吹き替えをされています。
ボク的にはオレイニチャクより、正直こちらの方が最重要事項です。(笑)

cosmic-classics.hatenablog.com

横山幸雄さんの記事も過去にエントリーしていますので、よかったらどうぞ♪

 

俳優(?)オレイニチャク

実は、これについて一番書きたかったのです。(笑)
どうやら「オレイニチャクはショパンにそっくりだ!」 という理由で、自身が演奏しているのはもちろん、ショパン役まで務めている映画が存在しているのです。
制作側としては、吹き替えがいらないし、ショパン役がそのまま演奏しているのであれば臨場感もリアリティも演出ナシでいけちゃうのですから、願ったり叶ったりなんでしょうね。

その映画は、ソフィー・マルソーという往年の美人女優さんが主演(ジョルジュ・サンドの娘のソランジュ役)の一人として制作された≪愛人日記≫(La Note bleue/1991年・フランス)という作品です。

ボクはまだこれに関しては観ていませんので、簡単な内容すらご紹介することもできませんが、いい機会なので今度DVDでも買ってみようと思います。
で、↓これがヤヌシュ・オレイニチャクの若かりし頃の写真です。

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ショパンの実際の写真は、ネット等でもよく見かける一枚しか知らないので何ともいえませんが…そのショパン似というのはどうなんでしょうね?
確かに、この若い頃のオレイニチャクは端正な顔立ちだし、ちょっと痩せて頬がこけた感じはショパンのイメージに合ってるような気はします
でも、自称なのか他人評なのか…そこは、あんまり深くツッコミ入れるのはやめておきます。(^^;;

彼はその後も、NHKポーランド国営放送局の共同制作番組でもショパン役を演じているようです。
ボクが昔見たNHKの映像では、もうちょっとクシャっとした感じのオジサマでしたので、それと同じ番組ではないとは思いますけど…

彼の実績としては、特にヒットを出したCDなどは≪戦場のピアニスト≫のサウンドトラック以外に聞いたこともありませんし、個人的に、大昔にNHKの番組で彼の名を目にしてなかったら、今でも殆ど知らないピアニストのひとりでしたね。

彼は、随分昔のショパコンの入賞者である上、優秀ではあるにせよ世界の第一線に身を置くピアニストではないことは明らかで、世界で研鑽を積み続けている同じ時代の名ピアニストたちからは、大きく水を開けられていると思うのです。
それなのに、何故オレイニチャクはショパンの映画やドキュメンタリー番組で度々キャスティングされているのでしょう?

ボクはその答えとしては、オレイニチャクのそのアクの強いポーランド節の利いた(いい意味で情熱的な)演奏は、過剰演出も通用する映画だからこそ効果を発揮できるのではないか?と推察しています。

もし、彼が来日してコンサートをやると知っても、食指が動く要素は見当たりませんので、ボクは恐らくスルーすることでしょう。

しかし、世の中には常にPRO(肯定派)とANTI(否定派)が存在しますので、ボクのこの見解は当然のことながら正解ではありません。
なので、個人的感想に関しては、サラッと聞き流してくださいませ。(-_-;)ゝ

以上、思いついたようにツラツラと書き綴ってみましたが、冒頭で紹介した≪別れの曲≫をもう一度観返して涙したいと思いますのでこれにて失礼します。(笑)

 

別れの曲 [DVD]

別れの曲 [DVD]

 

ショパンの映画としては最高傑作だと思います。歴史的作品なので全編モノクロですが、この甘く切なく激しいショパンの感情と恋を描いた物語を、若い人たちにも感じて欲しいです。

それではまた!(^-^)/~~~

ピアノドクター:理想の調律師

こんにちは、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/

全国的に梅雨真っ只中ですが、あなたのピアノのご機嫌はいかがですか?
ピアノは生き物ですから、しっかりと温度や湿度の調整をしてあげましょう。
管理を怠り続けると、取り返しがつかないほどヤサグレてしまいますので要注意です。(笑)

とはいえ、そんなに難しいことではありません。
お宅の屋根に穴が空いてたり、窓ガラスが割れていない限り(笑)夏はクーラーがあれば十分ですし、冬は響板の乾燥防止のためにピアノから少し離れた場所に加湿器を設置することで事足りるレベルです。

ただし、いずれにしても湿度計は買っておいてくださいね!

ちなみにボクの場合、以前グランドピアノを設置してた部屋では、夏の間クーラーのスイッチを切ることなく、絶えず除湿モードで湿度を50%位に保ちながら稼働させていました。
クーラーの設置環境にもよりますが、電気を食うのは急激に部屋を冷やす起動直後だけですので、ON/OFFを頻繁に繰り返すより付けっ放しの方がかえって電気代が抑えられる場合があります。
去年の夏は、それで一ヶ月あたりの電気代は8,000~9,000円程度でしたよ♪

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ピアノのことをよく分かっていない方が、除湿剤を勧められるがまま置いてますが、これほとんど意味がありません。まずは、部屋の環境を整えてくださいね。(^^;;
ピアノの先生ですらピアノのこと分かってない人が結構多いです。

さて、軽くジャブを打ったところで、今回は調律師についてビシビシと書いていきますよ♪
なんてったって、ボクのピアノ愛は半端ないですからね。
中途半端な仕事をする輩は、遠慮なくブッタ斬らせて頂きます。(笑)

 

調律師って何なの? すごいの?? 美味いの???

すみません、調律師は決して美味くはないです。(笑)
とりあえず、ボクは専門家ではないので、まずは調律って何なのかをきちんと調べてみました。

ピアノ調律(ピアノちょうりつ piano tuning)とは、ピアノの音程を整える作業、 または調律時に行う鍵盤タッチの調整や音色を整える作業などをいう。
狭義には音程を調整する調律(チューニング)を意味するが、広義にはピアノのメンテナンスに必要な技術的作業を指し、ピアノ調律師に頼んで調律してもらう場合のピアノ調律とは、整調と整音、若干の修理を含んで考えることが一般的である。
例えば「鍵盤を押しても音が出ないのでピアノの調律をしてもらう」と言った場合、この時実際に行われる作業は狭義のピアノ調律ではなく部分的な整調や修理であることが多い。

 引用元:ピアノ調律 - Wikipedia

これを読むと、調律っていう作業はただ単に音程の狂いを直すだけではなく、ピアノのメンテナンス全体を意味するのですね!
ですから、ひとことで言ってしまえば、調律師は『ピアノのお医者さん』ということになります。
そして、お医者さんには二通りあります。

いいお医者さん
体調がすぐれなかったり病気になったら、きちんと原因を調べて根本的な治療に取り組む『誠意あるお医者さん』

かかりたくないお医者さん
なんでも薬だけで緩和させる、その場しのぎの処置しかしない『いい加減なヤブ医者』



これを調律師に当てはめてみると…

いい調律師
固有の問題点を見極め、さまざまなアプローチによってそれを改善・改良する努力をする。また演奏者(所有者)の求める音を追求するための勉強を怠らない『誠意ある調律師』

任せたくない調律師
音程を適当に合わせることしかやらず、あきらかな問題点が見つかっても放置。勉強する気などさらさらなく、客を丸め込む口だけは達者な『調律師もどき』



決してオーバーではなく、後者に当てはまる調律師はその辺にゴロゴロ転がってます。
それでも彼らは一応専門家ではあるので、ピアノが上手に弾けてもメカニズムをよく分かってない人であれば、上手いこと丸め込まれて適当に調律されてハイ終わり!なんてことになりかねません。

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世界最大手でもある日本一のピアノメーカーのピアノ教室を例に挙げてみますと、あのキンキンガンガンとした耳障りな金属音…一体どういうつもりなんでしょうか?(-_-;
感性を磨く大切な幼少期に「よくこんな程度の低いピアノ集めたね…ワザとなの?」ってレベルのピアノでレッスンしてるんです。
そしてそのピアノのレベルが、調律師のレベルに直結することは言うまでもありませんよね。

結果、それらのピアノがスタンダードな音となって子供たちの脳に刷り込まれてしまい、こともあろうかこのメーカーのピアノは「明るくてキラキラした音」「輝くようなブリリアントなサウンド」と思い込んでしまうという、呆れた常識が出来上がっています。これはもはや罪ですよ!
おいっ、YAMAHA!! ヾ(*`Д´*)ノ"彡☆ ←あっ…つい書いてしまった。(爆)

最初からどうしようもない無名中国産ピアノなら仕方ないにしても、然るべき調律を施せば、世界が唸るほどの素晴らしい音色が出るピアノなのにですよ?
日本が世界に誇る大企業のこの惨状に、ボクは憤りさえ感じています。

日本のサラリーマン調律師は、トップクラスを除くとほとんどはこの程度のレベルなのです。
ならば、自分で勉強して道具揃えて調律した方がまだマシだと思いませんか?(-_-;

ですから、結論としては…
この類の調律師はすごくないし、むしろこの世に要らない存在です。

ちなみに、調律師として仕事をするのに資格は要りませんが、≪ピアノ調律技能士と名乗るためには国家試験にパスしなければなりません。
現在の日本の調律師は約6,000人、そのうち国家資格を有する人間は3,000人と言われています。

 

どんな調律師さんがオススメなの?

調律に関しては当たり前のことですが、整調整音修理という作業にきちんと正面から向き合っている、勉強熱心で『ピアノ愛』が大きい調律師さんを選ぶこと。←もう、これにつきます。

前にも述べたように、ピアノは生き物です。
ライン工場で量産されているピアノたちは、出荷されるときの品質や状態には、殆どといっていいくらい、見事にバラツキがありません。

しかし、その後どんな環境下でどんな弾かれ方をされるかによって、数年後にはそれぞれが全く違った性格に育ってしまいます。
量産タイプのピアノですらそうなのですから、ヨーロッパの伝統的な工程で手作りされた高級ピアノであれば尚更ですよね。

そこで必要となってくるのが、信頼できる調律師です。
ピアノが望み通りの状態ならば、担当してくれている調律師にその状態を記録してもらい、それをベースにもっと良くしていくことも可能ですよね。
逆に、気に入らないのであれば、オーバーホールやその後のプレップアップまで手間とお金がかかる作業からやり直す選択もできます。

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こういった要望や相談を真摯に聞き入れ、そのオーナーや弾き手の理想に近づける努力を惜しまない人に、大切なピアノの調律を任せるべきだとボクは思います。
もし、そうでなかったら即刻契約を打ち切って、他の調律師さんを探してください。
最悪、ピアノが悲鳴を上げている可能性もありますからね。
いわゆるセカンドオピニオンってやつです。

今、あなたの大切なピアノを調律している人は、あなたの希望する状態に少しでも近づけようと努力してくれていますか?
望んだ鍵盤のタッチ感を実現させようと、汗を拭いながら何時間もかけて整調してくれていますか?
そして何より…
ピアノに対する溢れんばかりの情熱や向上心が感じられますか?

どうか、素晴らしい調律師さんと巡り合い、あなたの愛するピアノがいつまでも極上の音色を奏でますように♪

それではまた!(^-^)/~~~

ピアノのムシ 1 (芳文社コミックス)

ピアノのムシ 1 (芳文社コミックス)

 

こんな人間的に欠陥だらけの調律師は、決してオススメできません。∩(´∀`)∩
でも漫画としてはすごく面白いですよ♪ 現在10巻まで出ています。

ヴァレンティーナ・リシッツァ:YouTubeの魔女

こんにちは、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/

2006年にGoogleに買収され、動画共有サービスのトップの座に堂々と君臨し続けるYouTube
この便利すぎる無料コンテンツを、あなたはどんな風に活用していますか?

好きな音楽や映画を検索したり、興味のあるチャンネルを登録して新着動画をチェックしたり、自分で撮った動画をアップして同じ趣味を持つ仲間や友人らとのコミュニケーションを図ったり…おそらくそんな感じではないでしょうか?
これは、あくまでも個人的趣味の範疇で利用している感じですよね。まぁ、ボクもそうですが、至って普通の楽しみ方です。

逆に「このサービスを使って不特定多数のユーザーに何かを仕掛けたい!」なんて気持ち、よっぽどズバ抜けた才能や特技がない限りそうそう沸くものではありませんしね。
しかし、まさにこれを実践して大成功を収めた人も少なからずいるのですよね。

そこで今回は、このYouTubeでピアノの動画を世界中へ発信し続け、唯一無二の存在となった女流ピアニスト、ヴァレンティーナ・リシッツァを紹介したいと思います。

そのセルフプロデュース能力とブランディング戦略は見事なもので、もともと自分の才能を確信していた彼女にしてみれば「してやったり!」といったところでしょうね。

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特別美人さんではないものの、なんとなく魔女っぽいルックスが魅力的な女性です。

 

忘れられないリシッツァのファーストインパクト 

ボクが彼女の存在に気付いたのは比較的最近(2014年くらい?)で、すでに名門DECCAレーベルから何枚ものCDがリリースされていました。

全然聞いたこともない名前だったので「ん…誰だこれ?」くらいに思って特に気にも留めていなかったのですが、ある日ショパンエチュードの動画をYouTubeで検索してたところ、24曲全てをまとめてアップしているピアニストがいたので何気なく再生してみたのですが、そのピアニストこそがヴァレンティーナ・リシッツァだったのです。

動画をみた瞬間、そりゃもう…ブッたまげました!ヽ(; ゚д゚)ノ

初っ端のop.10-1から「これくらい何てことないわ♪」みたいな涼しい笑顔で、そりゃもう見事に弾きこなすのですから、時を忘れて24曲一気に鑑賞してしまいましたよ。

そして、まぁその指が実によく回ること回ること! (゜∀゜)こりゃたまらんな~…
ここまで軽やかに確実に力強く優雅に自由に…もうすべての形容詞を使いたいくらいの演奏をされたら、もう無視してられませんよ~!

その後、彼女の経歴やどんなレパートリーを持っているのか、日本でツアーの予定はないのか、とにかくいろいろ調べまくりました。
それまでボクの中では、世界中にゴロゴロ存在する無名なピアニストの一人だったものですから、WEB上で彼女の記事がたくさん落ちている事実にビックリしましたよ。
但し、批判的なものもたくさんありましたけど、まぁ人気者には賛否両論が付きものですからね。


Chopin Etude Op10 No.1 Valentina Lisitsa

とりあえず何も考えず、こちらをご覧ください。きっと興奮して鼻息が荒くなります。(笑)

 

一気にスターダムへとのし上がったリシッツァ

キエフ出身のリシッツァは、地元ではそこそこ平均的なキャリアを積んできたピアニストです。
しかし、コンクール等で特に目立った受賞歴もなければ、世界が注目するような活動も皆無でした。

結婚を期にアメリカへ渡った後は、世界的なホール(カーネギーホールやウィーン楽友協会)でリサイタルも開いているのですが、これが世に出る決定打に至ってないというのは、単に巡りあわせの問題か運が悪かっただけなのかも知れません。

彼女のキャリアに転機が訪れたのは、YouTubeにピアノの演奏動画を投稿するようになってから。
YouTube内の彼女のチャンネルで古い順に動画を並べ替えてみると、10年前(2007年)のショパン エチュード Op.10-4が最初の投稿みたいですから、ちょうどボクが最初に観て度胆を抜かれた動画リストに含まれてますね!

そんな彼女のYouTubeチャンネルは、動画再生数も登録数も半端ないです。
当然、その演奏能力があっての数字ですが、その上で何年もの間積み重ねてきた地道な努力が、今の彼女のピアニストとしての地位に結び付いたのでしょう。

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その後のDECCAとの契約や世界ツアー等にこぎつけるまで、当然苦労したこともたくさんあるかとは思いますが、YouTubeでここまで成功できること自体ほとんど奇跡だと思います。
プロアマ問わず、ショパンやバッハやベートーベン等の曲をYouTubeで公開している人が世界中にどれくらいいるのでしょうか?(^^;;
それこそ、自宅での演奏風景から、発表会、コンクールやコンサート映像の無断掲載(爆)まで。
ここからピックアップされるのは、砂漠の一角に紛れたたった一粒の宝石を拾うようなものです。

とにもかくにも、ヴァレンティーナ・リシッツァは、今後も注目に値するピアニストであることに間違いはありません♪

 

素晴らしきヴィルトゥオーゾ! そのダイナミズム!

リシッツァのレパートリーはショパンだけにとどまりません。
ベートーベンリストラフマニノフモーツァルトバッハシューベルトチャイコフスキースクリャービンショスタコービッチグリーグ(順不同)…その他もう何でもござれです。(゚Д゚≡゚Д゚)

そして、その演奏スタイルは、誰も真似ることができないであろう完全なるリシッツァ流。
一切媚びることのない彼女の演奏は、確かな演奏技術に支えられ、どこまでも自由で奔放で煌びやかで…聴き手に微塵もストレスを感じさせません。


Beethoven Rocks! on Paris Streets: Appassionata on upright:) Lisitsa

ベートーベンも彼女にかかればこの通り。
伝統的な解釈をもっての模範演奏も素晴らしいですが、ここまで演れるリシッツァもまた素晴らしい。
正統派のドイツ人大先生なら、顔を真っ赤にして怒り出しそうですけどね。(笑)

興味が湧いたら、あなたもYouTube≪ValentinaLisitsa≫と検索していろいろな動画を観てみましょう。
とても短時間で見終わるような動画数ではありませんので、チャンネル登録も忘れずに!(≧∇≦)b

それではまた!(^-^)/~~~

クラシックギターのお話

こんにちは、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/

クラシック音楽って本当に幅が広く、そして奥が深いです。
オーケストラで演奏される交響曲や、ソリストを迎えての協奏曲、声という最強の楽器(?)を使った声楽やオペラもありますしね!
そして、器楽曲(独奏曲)まで入れると、世の中には数えきれないほどの膨大な曲が存在します。

器楽曲の多くはピアノやヴァイオリンが占めると思いますが、その他チェロヴィオラコントラバスオーボエクラリネットフルートトランペットトロンボーンチューバホルンファゴット…あとは?
あぁ~、もうこれくらいしか楽器の名前が出てこない…

ついつい、近所のドブ川程度の浅い知識を露呈してしまいましたが(笑)、これらの楽器にはすべてに独奏曲が存在するのでしょうか?
もちろん他の楽器のためのものを編曲したものであれば、いくらでも存在するのでしょうけど。

あれれ、ここでちょっと待ってくださいよ!?
クラシックには上記のように、オーケストラを編成するために多くの種類の楽器が存在しますが、現代においてピアノより身近で気軽に演奏できる楽器があるということを忘れてはいませんか?

そうです! ギターです! ←目からウロコ

といってもエレキギターアコースティックギターではなく、ここではピックを使わないクラシックギター縛りということでお願いします。(笑)

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スペインの偉大なクラシックギタリストであるナルシソ・イエペスは10弦ギターを開発。音域を拡大することで、様々な器楽曲からの編曲と演奏を可能にしました。

 

クラシックギター:耳に馴染みある名曲たち

世界中には、たくさんのクラシックギター愛好家がいらっしゃいます。
普通のアコースティックギターを嗜む方でも、禁じられた遊び≪愛のロマンス≫等に代表される、誰もが知るクラシックの名曲を演奏する機会もあるでしょう。
クラシックギターのための器楽曲として素晴らしい名曲は世に数多く残されていますし、先述のように他の楽器のための器楽曲をギター用にアレンジしたものもたくさん存在します。

有名な曲といえば、タレガアルハンブラの想い出≫や、ロドリーゴ≪アランフェス協奏曲≫あたりでしょうか。

ヴィラ=ロボス≪5つの前奏曲も、ギターの特性を上手く活かした名曲で、第1番は『抒情のメロディ』と言われ、コンサートではよく弾かれる名曲です。

アルベニススペイン組曲アストゥリアスや、グラナダはピアノの曲ですが、この哀愁漂う旋律がギターの音色ととても相性が良いのです。


ジョン・ウイリアムス:Concierto de Aranjuez Parte 1


でも、スペインものばかりではありません。
荘厳なJ.S バッハの曲も、クラシックギター用に数多く編曲されています。
たとえばリュート組曲シャコンヌ等、かなりのテクニックを要しますが、曲としては非常に有名なのでプロのクラシックギタリストたちが好んでコンサートで演奏するようです。


ナルシソ・イエペスBach | "Chaconne" | Narciso Yepes | 10 string guitar |


しかし、非常に残念ながらクラシックギターって、クラシックを聴く人間から見てもマイナーで、微妙な立ち位置であることは否めないんですよね。
あなたの周りにも、エレキや普通のアコースティックギター(ROCKやPOPS等)をやっている友人はいても、クラシックギターをやってる友人はほぼいないでしょう?
ですから、よっぽどアンテナを張って「クラシックギターのリサイタルに行くぞ!」と意気込まない限り、なかなかその作品たちに生音で触れることができないのが実情です。

ピアノやヴァイオリンの方が派手でカッコイイので、そちらに魅かれるのは分かりますが、素晴らしい曲がたくさんあるのに食わず嫌いなのはちょっともったいない気がします。
まずはYouTubeでいろいろ調べて、一度聴いてみてはいかがでしょうか?

 

どんなクラシックギタリストがいるの?

…と質問されたら、ボクは間違いなくクラシックギター界では不動の大巨匠であるナルシソ・イエペス(やはりスペイン人)の名前を真っ先に挙げます。
彼が編曲と演奏を担当した、フランス映画禁じられた遊びの有名なテーマ曲を知らない人はまずいないでしょうね。

また非常に興味深いのが、彼はヴァイオリニストのジョルジュ・エネスコ、ピアノのワルターギーゼキングから演奏法を学んでいるということです。
とにかく彼に関しては、ネット上にかなりの情報が落ちてますので、興味のある方は是非一度検索してみて下さいね。
1997年に69才で他界されていますが、その偉大な名はいつまでもクラシックギター界に燦然と輝き続けることでしょう。

イエペス、珠玉のギター名曲集 EJS-1061

イエペス、珠玉のギター名曲集 EJS-1061

 


次に名前を挙げたいのは、アンドレス・セゴビアに学んだ、ジョン・ウィリアムス
天才的なクラシックギタリストであると同時に、フュージョンバンドを組んで音源まで残してます。
まるでジャズに傾倒したオーストリアの技巧派ピアニスト、フリードリヒ・グルダのようですね。
そして、ジョン・ウィリアムスといえばバリオス作品集≫です。
このCDは、クラシックギターに馴染みがない人にも超絶オススメします。

バリオス作品集

バリオス作品集

 

 

最後に忘れてはならないのが、日本が世界に誇る天才ギタリスト、山下和仁さんです!
世界三大ギターコンクールと言われる『ラミレスギターコンクール』『アレッサンドリア国際ギターコンクール』『パリ国際ギターコンクール』全てにおいて、史上最年少優勝(16才)という輝かしい結果を残したのは後にも先にも彼だけです。
この人の超人的なギターテクニックは鬼気迫るものがあり、とても一人で弾いてるとは信じられないレベルです。

また、数々のオーケストラの曲やピアノの難曲をギター独奏曲として編曲・演奏するなど、かなり神がかった天才ぶりを発揮しています。
あのドヴォルザーク交響曲第9番 新世界≫や、リストのハンガリー狂詩曲第2番≫まで!(」゚ロ゚)」

J.S.バッハ / 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ (全曲)

J.S.バッハ / 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ (全曲)

 

 

特に知って頂きたいのが、最後に紹介した山下和仁さん。
彼のこれまでに残した数々の偉業を、以下のリンク先のWikipediaで読んで欲しいのです!

山下和仁 - Wikipedia

クラシックギターというマイナーな楽器…というと非常に乱暴な言い方になってしまいますが、もしこれがピアノ界での実績だったら…と思わずにはいられません。「(´へ`;

世の中には実にたくさんの楽器があり、たくさんの演奏家がいて、その中のほんの一握りの天才たちが歴史を紡いでいってるんですね。久しぶりにいろんな器楽曲を聴きたくなりましたよ。

とりあえず…チェロかな?(爆)
いえいえ、ここまで書いたのですから、今日はクラシックギターを聴くことにします!ヽ(^◇^*)

それではまた!(^-^)/~~~

ノクターンの生みの親はショパンではない。

こんにちは、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/

この2日間、息子のお宮参りと来客が続いたため久しぶりにブログをお休みしました。
空いた時間に少しづつ進めて、ひとつくらい記事をアップできるかな? とも思いましたが、ボクの場合はクラシック音楽という特定した分野について自分の言葉で伝えるブログにしていますので、まとまった時間で集中して書いていかないと逆に効率が悪いのです。
たかがブログとはいえ、内容を薄くしたりいい加減なことを書き綴ることは絶対にしたくないので、いつも結構な時間をかけて記事を練って公開しています。

具体的には…
調べもの下書き推敲加筆公開
という5ステップでエントリーし、その後読み返すたびに随時修正を行ってます。

最初の『調べもの』は自分の知識や記憶に間違いがないか、Wikipediaなどのサイトで引用できる文章はないかの確認時間で、まずはこれに1時間程度かけてますので、公開まで平均3~4時間くらいの時間が必要ですね。(^^;;

それだけ時間をかけて書いても、クラシックにある程度詳しい人なら問題なく読める内容が、疎い人だと「この部分、きっとわからないだろうなぁ…」といった箇所もたくさんあると思うのです。
でも、そこをもっと掘り下げていくと回り道が多くなって文章にリズムも出ないし、文字数がイタズラに増えてなかなか着地できなくなります。
今のボクの文章力では限界がありますので、そこがジレンマですねぇ…

なんとかもう少し、上手に伝えるテクニックを磨いていきたいと思いますので、それまでなんとかお付き合いいただけたら…と思います。m(._.)m

というわけで、早速本題にいってみましょ~う!(^-^)/

現代となってはショパンの代名詞でもあるノクターン夜想曲)≫ですが、あなたはこのノクターンという形式をショパンより先に、しかもショパンとほぼ同等数(20曲)の曲集を遺した作曲家がいたことをご存じですか?

今回は、そのノクターンという形式の創始者であるジョン・フィールド(1782-1837)についてお話しようと思います。

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ジョン・フィールドの生涯について

ジョン・フィールドは1782年アイルランドの首都ダブリンに生を受けたクラシック作曲家です。
幼い頃から音楽一家に育ったフィールドは、すぐにその頭角を現し、10才を前にしてピアニストデビューしました。

11才の時に、当時ロンドンで大いに名を馳せていたムツィオ・クレメンティに弟子入りし、ヨーロッパの演奏旅行に同行したのですが、途中でクレメンティは自分の名と自社のピアノ(作曲家であると同時に、商売人としても成功していた。)を売りたいがために、この有能な弟子(広告塔)をロシアのサンクト=ペテルブルクのパトロンの屋敷に置いていくことにしました。
程なくしてクレメンティの思惑通り、フィールドは瞬く間にサンクト=ペテルブルクにその名を轟かせたということです。

なんだか、クレメンティがフィールドの才能を利用した悪者のような感じの文章になってしまいましたが(笑)そうではなく、きちんと指導は怠ることなく音楽家として立派に大成させたうえでのお話ですので、単なるクレメンティの私利私欲のみでの行動ではなさそうです。

その後間もなく移り住んだモスクワでも、サンクト=ペテルブルク時代に負けず劣らずの絶大な人気者となり、その音楽家としての名声を確実なものとしました。

「フィールドを知らないことは、罪悪である」

とまで言わしめた人気ぶりです。

また、指導者としても沢山の弟子を育て、その中にはあのセルゲイ・ラフマニノフの祖父もいたというのですから、フィールドのロシア音楽への貢献度は甚大ですね。
ラフマニノフの名前がロシア音楽の歴史に刻まれてなかったら…と思うと本当にゾッとします。
※ちなみにフィールドは晩年『ウォッカ』大量摂取にによる体調不良(アル中?)で、レッスン中はかなり朦朧としてたようです。さすがロシア…(^^;;

1832年にフランス・パリにてコンサートを開き、自身のピアノ協奏曲を演奏しますが、そこに居合わせた、ショパンリストシューマン等の大物作曲家たちにそのピアニズムを大絶賛されました。
この頃のショパンは22才で、もうすでにフィールドの存在も知っていたし、彼のノクターンに影響を受けて自分でもノクターンを作曲しているのですから、なんだか感慨深いエピソードですね。

そして、1837年(満54才)、長年患った直腸癌によりロシアの地でその短い生涯を閉じました。

 

ジョン・フィールドノクターン

最初に言ってしまえば、フィールドのノクターンは抒情的ではあるけれど、ショパンノクターンほど熟慮された構成でもなければ完成度も高くないです。
食べ物に例えるとすれば…

ショパン『具だくさんおにぎり』『豪華クラブハウスサンド
フィールド:カリカリ梅干しおにぎり』『マーガリン食パン』



残酷な話ですが、後世に広く親しまれているノクターンショパンのそれであり、ノクターンといえばみなさん口をそろえてショパンというでしょう。
しかし、ノクターン創始者は紛れもなくジョン・フィールドなのですから、それをここでとやかく論じるのは愚の骨頂ですよね…

それにしても、なぜこれほどまでに近年のピアニストたちは音源を残してこなかったのでしょう?
ショパンに多大なる影響を与えた音楽家なのに、その曲集が現世で知れ渡っていないのは、後発であるショパンがあまりにも偉大すぎたから?
当時のロシアでは絶大な人気を誇り、人生の大半をロシアで過ごしたフィールドですが、現在のロシアではショパンノクターンの方が持てはやされているというのはちょっと皮肉な話ではありますね。

フィールド:ノクターン全集

フィールド:ノクターン全集

  • アーティスト: ロウ(エリザベス・ジョイ),フィールド
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
  • 発売日: 2016/05/18
  • メディア: CD
  • この商品を含むブログを見る
 

何かに集中したいときのBGMとしては非常に優秀です。ゆったりとした気持ちで読書するときもOK。
ちなみに、ショパンノクターン第2番の左手のパターンは、このフィールドのノクターン第6番に酷似していますが…これをとってもフィールドからの影響が伺い知れます。

ショパンノクターンについては過去記事にもエントリーしていますので、興味のある人は以下リンクよりご覧ください♪

 

cosmic-classics.hatenablog.com
今となっては逸話だけが独り歩きしていますが、ショパンノクターンがボクたちに遺されているのは、ジョン・フィールドという才能ある作曲家がこの世に存在したからです。
その先駆者には大いなる敬意を表したいですね!

それではまた!(^-^)/~~~