クラシックの森:ショパン大好き

都内在住のグラフィック&WEBデザイナーです。クラシック関連CDや漫画のレビュー等を交えながら、クラシック音楽の魅力を楽しく伝えていけたらいいなと思ってます。

ピアニストにとってのエベレスト:ショパン エチュード

こんにちは、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/

関東では5月に入ってから天気も大崩れすることなく、本日も快晴なりです♪
天気の良い日ってなんて気持ちがいいんでしょう。ショパ日和です。←いつもじゃん(笑)

さて、以前、クラシック音楽の話からちょっと離れて、ネオクラシカルメタル」について語らせていただきました。
これはヘヴィメタルの一種で、1980年代に北欧出身のギタリストであるイングヴェイ・マルムスティーンが確立させたジャンルです。

cosmic-classics.hatenablog.com

通常、パワーコードと呼ばれるシンプルで骨太いコードを主体としたリフを組むヘヴィメタルが多い中、イングヴェイは、ハーモニックマイナーロディックマイナーディミニッシュフリジアン等々…実に様々なモードを織り込み、息をのむほどの超絶テクニックを駆使した曲を次々と世に送り込み、世界を席巻してきました。
彼のギターワークに魅了されたフォロワーたちは、プロ・アマ問わず熱狂し、模倣ギタリストがアホみたいに溢れ出したほどです。
まぁ、ただの二番煎じの薄っぺらいギタリストはもう生き残ってませんけどね。(^^;;

では、何故これほどまでにネオクラシカルメタルに人々が熱狂したのか?
それを突き止めるには時代背景も考慮しながら十分な考察や分析が必要なんでしょうけど、ボクは案にイングヴェイ前人未到超人的なギターテクニックによるものだと思います。

 

クラシック音楽演奏家には、超絶技巧が最低条件

ここで話をクラシックに戻しますね。
クラシック音楽に限っていえば、表現方法の一環として超絶技巧は切っても切り離せないものです。
美しいメロディが音楽の大前提とするならば、そのメロディを表現するためのテクニックが必要不可欠。そして多くのクラシック音楽にはこの公式がズバリ当てはまります。

ボクが敬愛してやまないショパンは、多くの美しい旋律をこの世に残してくれました。
しかし、それをピアノで弾こうと試みるも、ピアノ熟練者でない限り、ほとんどの人が冒頭で断念します。
なぜなら、音楽表現云々以前に、技術的に弾けない曲が圧倒的に多いからです。

ならば!というワケではありませんが(笑)ショパンは、音楽的にも技術的にも高度な曲に対応できる力を身に付けるための≪練習曲 -エチュード-≫を書きまとめました。
しかしこれ、初心者向けの練習曲ではありません。あくまでも基礎はきっちりと出来上がっていて、さらなる高みを極めようとするピアノ上級者向けの練習曲なのです。

 

ショパンエチュードを弾けるようになるには?

このショパンエチュードを弾く準備として、メカニカルで退屈なツェルニー練習曲(楽譜としては3冊程度で計120曲)を何年もかけてたっぷりと反復練習しないといけません。
これ、練習曲を弾けるようになるための練習曲です。(-ω-)m…(笑)

そして、それらは少なくとも聴いていてとってもつまらない曲ばかりです。
さらにいえば、そのツェルニー練習曲を弾く準備として、さらに何年もかけてバイエルブルグミュラーソナチネハノンピシュナ等で学習しておかないといけないことも付け加えておきます。そしてこれらは、ツェルニー練習曲に輪をかけてつまらないものばかりです。

小さな頃からこのような道を通らないと、よほどの天才でない限りショパンエチュードは弾きこなせませんし、もっといえば、一般的な音大生でもショパンエチュードを全曲通しで完璧に弾ける人なんてまずいません。
もちろん、音大生はショパンだけではなく多くの作曲家に触れ、多種多様な楽曲に取り組まないといけないので、時間が足りないということもあるでしょうけど。

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ですから、たとえアマチュアでも、あなたの周りに何曲も通しでショパンエチュードを弾ける人がいたら、最大級の賛辞と最大級の敬意を払ってあげてくださいね。
その人は、確実に甘酸っぱい青春時代を放棄し(笑)、ピアノにすべてを捧げてきたはずですから。

このように、登山家がエベレスト登頂を人生最大の目標に掲げるように、ピアニストにとってエベレストともいえるのがショパンエチュードなのです。

 

ショパンエチュードは全部で27曲♪

先にまとめられたのは、作品10で12曲作品25で12曲計24曲ですが、その後、作品番号もつけられていない3曲が追加されて、全27曲です。
ですが調べたところ、新しい3つの練習曲に関しては、先の24曲とは位置付けも違うようなので、ここではエチュード=24曲としたいと思います。
ショパン様の熱心な信者の方々の逆鱗に触れるかもしれませんので、先に断っておきます。)

それでは、次回以降になりますが、曲の特徴やエピソードを一曲づつ解説していきたいと思いますので、またまたお付き合いよろしくお願いします。

そして、ボクのオススメのエチュードCDはこちら! 是非、聴いてみて下さいね。 

ショパン:12の練習曲 作品10/作品25

ショパン:12の練習曲 作品10/作品25

 

1960年 第6回のショパン国際ピアノコンクールで満場一致で優勝したマウリツィオ・ポリーニ
このエチュード集は、クラシックピアノ界の金字塔と言われるほどの名盤です。もう完璧です!

 

それではまた!(^-^)/~~~