ショパン国際ピアノコンクール PART2
こんにちは、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/
PART.1では、世界の国際コンクールとショパン国際ピアノコンクールのほんの触りの部分について書かせて頂きました。
これでも、かなり端折っているのですけど…どこに焦点を絞って伝えていけばよいのか、書いていてなかなか感覚(コツ?)がつかめずにいます。
ライティングという作業は、馴れも必要ですごく大変ですが、今のところ楽しんで書いてるので、それが唯一の救いですけどね。(^^;;
当ブログを読んでくれている人はまだまだすごく少ないとは思いますが、何も知らない人でも理解できるような文章を書けるように頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いします。
さて、今回は『ショパン国際ピアノコンクール』のあらすじを、第1回大会から順を追って見ていこうと思います。
最近終了した大会が2015年の第17回ですから、今回もかなり端折ることになるかもしれませんが、重要な大会については追々詳細記事にて突っ込んだところまで紹介できたらいいなと思います。
もちろん、この記事も気付きがあるたびにコッソリと追記や一部リライトしていくつもりです。
ショパン国際ピアノコンクール 各大会の上位入賞者
第1回大会 1927年(昭和2年)
栄えある第一回大会の優勝者はレフ・オボーリン。
ピアニストとしてだけではなく優秀な指導者でもあり、ウラディーミル・アシュケナージという現代を代表する偉大なピアニスト兼指揮者のお師匠さまでもあります。
第2回大会 1932年(昭和7年)
第3回大会 1937年(昭和12年)
第4回大会 1949年(昭和24年)
この大会は、前大会より12年後に開催されてますが理由はお分かりになるかと思います。
そう、第二次世界大戦(1939~1945)の影響ですね。
それにしても、大戦後わずか4年で開催にこぎつけるというのは、ポーランドの運営陣の並々ならぬ意気込みが感じられます。
そして、優勝者のひとりであるハリーナ・チェルニー=ステファンスカさんは若き頃に、アルフレッド・コルトーというこれまた歴史的にも偉大なピアニストから指導を受けています。
2001年に他界されてますが、1990年の第12回大会の模様がテレビで放映された際、インタビューに答えてらっしゃいました。すごい元気なおばあちゃんって感じでしたよ。
第5回大会 1955年(昭和30年)
この大会では、最終審査で一悶着ありました。
審査員のひとりであったイタリア人ピアニスト、アルトゥール・ベネッティ=ミケランジェリが、アシュケナージの第二位という結果に異議(アシュケナージの優勝)を唱えて審査員を辞退したのです。
やはり、ハラシェビッチはポーランドのピアニストですから、僅差であればポーランド人の優勝者を出したい運営陣の気持ちもわかりますけどね。(^^;
正直今となっては、ハラシェヴィッチはショパコン優勝後の印象はかなり薄いです。
対して、アシュケナージの方は押しも押されぬ名ピアニスト兼指揮者として、世界的な名声を得ています。
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第6回大会 1960年(昭和35年)
この大会の優勝者であるマウリツィオ・ポリーニは完璧なピアニストとして、世界中にその名を轟かせました。
審査委員長であったアルトゥール・ルービンシュタインを以てして
「彼はわたしたち審査員の誰よりも上手い!」と言わしめたほどです。
その、完璧な技巧に支えられた確かな演奏力は、数々のCDで確認できます。
先日、オススメした≪ショパン エチュード≫は、現存するエチュードの音源の中でも最高峰といっても過言ではありません。
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第7回大会 1965年(昭和40年)
ショパンコンクールをはじめとして様々なピアノコンクールの審査員として重責を担い続けている、マルタ・アルゲリッチが堂々の優勝を飾った第7回大会。
彼女のピアノの魅力は、とにかく情熱的であること。←聴けばわかるさ(笑)
本人いわく、緊張してドンドン演奏が速くなってしまうということですが「この曲をこんなに速く弾くものなのか!?」というレベルの速さで、しかも破綻せずに演奏を終えるところが、彼女が超一流たる所以でしょう。
ちなみに、日本を代表する女流ピアニスト故・中村紘子さんが、第四位入賞という輝かしい成績を収めた記念すべき回でもありました。
第8回大会 1970年(昭和45年)
ギャリック・オールソンは…正直残念です。調べてみるとそこそこ音源は残しているようですが…鳴かず飛ばずですね。
それに引き替え、日本人として嬉しいのが第二位の内田光子さんの活躍です。
彼女は、イギリスを拠点に『世界のUCHIDA』としてその名を轟かせ、2009年大英帝国勲章DBEを受勲したほどのピアニストです。
最近、ベートーベンのピアノ協奏曲第4番≪皇帝≫をバイエルン放送交響楽団と共演した映像をクラシカジャパンで観たのですが、もう圧巻のひとこと!
終始穏やかな表情を讃え、ピアノの音色を自在に操る姿に目が釘付けになります。とてもとても胸に沁みる深い演奏でした。
第9回大会 1975年(昭和50年)
現在、ポーランドの現役ピアニストでは頂点を極めているクリスティアン・ツィメルマン。
第9回優勝という栄冠以外にも、ポロネーズ賞、マズルカ賞、ソナタ賞、コンチェルト賞を総ナメにしてしまいました。
完璧主義者とは彼のことかもしれません。演奏旅行には、あのデカいコンサートグランドを持ち運び、常に最高の状態に調整しているそうです。
(ポリーニもそうです。彼も自分のコンサートグランドを持ち運んでいます。)
演奏に関しても超完璧主義で、計算され尽くした非常に緻密で美しい演奏を身上としています。
第10回大会 1980年(昭和55年)
初のアジア人優勝者となったダン・タイ・ソン。
ごめんなさい、ボクは彼の演奏は聴いたことがありません。(^^;
でも、2015年の第17回において、実に3人ものお弟子さんが入賞したという事実から、とても優れた指導者であることは確かですね。
第11回大会 1985年(昭和60年)
ブーニンは日本ではすごく有名な(有名だった?)ピアニスト。
若干19歳で優勝し、NHKでその様子が放送されたため、日本で大ブレイクしました。
しかし、西側へ亡命後はそのまま失速し、ショパコン覇者というには非常に頼りないピアニストに成り下がってしまいました。
ショパコンでは、生命力溢れる素晴らしい演奏をしていたにも拘わらずです。
ロシアにとどまっていれば良かったのでは? と思う位の落ちぶれようです。
残念ながら、彼のピークはショパコン優勝時となってしまいました。
第12回大会 1990年(平成2年)
この回、ショパコンが始まって以来初の優勝者該当なしです。
しかし、ボクはこの結果には納得いきませんね。
ケヴィン・ケナーはとても素晴らしい演奏をしていたし、多くの聴衆たちも彼の優勝を最後まで信じていたと思います。
また、第三位の横山幸雄さんも繰り上げで第二位でしょう! って感じです。
第一次予選での第一曲目に、エチュードop.25-6をブッ込んできたときは「まじか!」とビビりました。(笑)
その度胸、ブレのない完璧な演奏技術。とても19歳とは思えませんでした。
横山さんのエチュード集は、ひいき目なしにポリーニ版に負けないくらいの名盤だと思います。
第13回大会 1995年(平成7年)
第14回大会 2000年(平成12年)
実に15年ぶりの優勝者は中国のユンディ・リ。
非常に美しい演奏を聴かせてくれる、現在の若手では数少ない正統派ピアニストです。
優勝して数年後は、どうしちゃったの? 的な危なっかしい演奏(いや、むしろ脱線しちゃってる?)をしていたのですが、最近は年齢とともに非常に円熟味が増し、安定した演奏を聴かせてくれるようになりました。
彼の本領はやはりショパン演奏にありますが、ここ数年はベートーベン等のレパートリー拡大にも力を入れ、着実に演奏家としてのレベルアップを果たしていってます。
余談ですが、現在世界的に有名な若手中国人演奏家には、ユンディ・リ、ランラン、ユジャ・ワンと、三人もの怪物がいるため、素晴らしい才能を持ちながらも、なかなかプロモーションに力を入れてもらえないハオチェン・チャン(2009年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール優勝者)が少し可哀想です。
第15回大会 2005年(平成17年)
久々のポーランド人ピアニスト優勝で、自国が沸いた第15回。
しかし、第二位不在ってのもなんだ? って問いたいのですが、お偉さんたちが審査した結果なんで覆ることもなし。
第三位に韓国のイム兄弟が並んだのですが、彼らは幼くしてロシアに渡り、ピアノの研鑽を積んだ恐ろしく才能ある兄弟。
ボク的には、第17回大会優勝者のチョ・ソンジンよりも格段にレベルは上だと思ってます。(特に弟のイム・ドンヒョク)
第16回大会 2010年(平成22年)
女性の優勝者は実に45年ぶり。かのマルタ・アルゲリッチ女史に続いての快挙です。
個人的には、この回は非常に小粒な感じが否めませんでしたね。
唯一印象に残ったのは、第三位のダニール・トリフォノフの『個性溢れる表情と団子のようなアゴ』だけという非常に残念な結果に終わりました。
第17回大会 2015年(平成27年)
ボクが一番お気に入りだったエリック・ルーは第四位に終わってしまいました。
とにかく、今回のコンテスタントの中ではダントツに美音を奏でるピアニストだったのです。
特に美音が際立っていると感じたのは、第二次予選のアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ。ボクが大好きな曲というのもありますが、非常に品格に溢れる名演でした。
惜しくも入賞を逃した小林愛美さんですが、彼女はもう堂々たるプロですから、結果にはこだわる必要はないのかもしれません。
でも、とてもチャーミングな演奏で聴衆を魅了してました。
以上、これまたザックリと、第1回~第17回のショパコンについて書かせて頂きました。
次回は、ショパコン一番の核心となるコンテスタントや舞台裏について語っていきたいと思います。
それではまた!(^-^)/~~~