ショパン エチュード 作品10
こんばんは、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/
以前、ショパンのエチュードの目的やその演奏の難易度についてお話しさせて頂いてから、少し間が空いてしまいました。ごめんなさい。(。-人-。)
ということで、今回は具体的にエチュードを1曲づつご紹介していきたいと思います。
先にお断りしておきますが、ボクは音大生でもなければ、ピアノを生業としているワケでもないので、その道の人が見たらおかしいところも多々あると思いますので、どうぞ軽く参考程度に読んでいただけたら幸いです。
上記の過去記事でもお話しましたが、ショパンのエチュードは作品10で12曲、作品25で12曲、その他3曲で合計27曲です。しかし、最後の3曲に関しては曲集としての立ち位置がちょっと違いますので、ここでは全24曲ということにさせて下さい。
ちなみに、作品10は以下op.10(読みは、オーパス10)と表記します。
なんかこう書いただけで、ちょっとショパン通な感じがしませんか?(笑)
さて、では先ずop.10の12曲から張り切って行ってみましょう!(^-^)/
エチュード ハ長調 op.10-1
いきなり、エチュード全24曲の中でも最高難易度の部類に入るop.10-1です。(たぶん、24曲中2番目に難しいです。)
とにかく始終開きっぱなしの手、10度を超える分散和音を猛スピードで上ったり下ったりの胸突き八丁。
そして、手首・腕の相当な柔軟さと、最後まで弾ききる強靭さ、指の持久力を全て併せ持った人でないと演奏はまず不可能です。
曲としては、優雅かつ豪華絢爛。壮大なスケールを感じます。
ファイナルファンタジーのクリスタルのテーマっぽいといえば、そう聴こえなくもないです。(笑)
≪滝≫という副題がつく場合もありますが、そんなクソみたいな副題は犬に食わせましょう。
エチュード イ短調 op.10-2
これもかい!って感じで最高難易度の部類に入るop.10-2。(たぶん、3番目に難しいです。)
曲としては、非常に地味で、華やかさがほとんど感じられないのですが、実際に目の前で曲を弾いている手と楽譜をみれば、恐ろしいほど難易度が高いということが理解できます。
腱鞘炎になってしまうのではないかというくらいの速いテンポで、しかも全て中指・薬指・小指だけで(←これ!!!?)、終始半音階アルペジオを淡々と弾き続けなければならないのです。そして、曲が終わるまで休む暇はひとときもないです。
「すぐ側に医者が必要だ。」と揶揄された話は有名で、あの超絶技巧派のピアニスト横山幸雄さんでさえ「できればこの曲は世の中に存在しないで欲しかった。」とまで言ってるのですからね…(^^;;
エチュード ホ長調 op.10-3 ≪別れの曲≫
以前、アシュケナージのCD紹介時にこの曲を解説しましたので、そのまま記しておきますね。
ショパン自身「かつてこれほどまでに美しい旋律を書いたことがない。」と自画自賛したほど美しい曲。
全部で24曲(+3曲)あるエチュードの中で、≪別れの曲≫は、美しい旋律を最大限に引き出す表現力を要する提示部、複雑で高度な技術を要する中間部、どちらもピアニストにとって生半可なレベルでは弾きこなせない難曲です。
参考程度に書かせて頂くと、CDのタイトルにもなっているこの≪別れの曲≫は日本だけの呼び名です。
エチュード 嬰ハ短調 op.10-4
のだめカンタービレでもフューチャーされた、カッコイイ曲。
とにかく演奏効果が高いので、コンクールやコンサート向けかもしれませんね。
素人さんの前で弾いたら「おおおおお!」となる曲です。
確かに少し難しい部類ではありますが、ただ譜をなぞって弾くだけであれば、手がある程度回る人なら結構弾けると思います。
なんでそう言えるのかというと、ピアノ歴3年半のボクが、速度をほんの少し落としたら通しで弾けちゃったからです。あと、人間の指のカタチに合った嬰ハ短調ですし、指への負担はそんなにありません。
op.10-1、10-2は中級者上でも無理です。半端なく指や腕が痛いです。なので初心者なボクは無理して練習しないようにしています。
エチュード ト長調 op.10-5 ≪黒鍵≫
こちらも、以前の解説をそのまま…
全編に渡って右手は黒鍵のみで弾かれています。(一音だけ白鍵を弾きますが。)
ショパンは、「それを知らない人が聴いても退屈で面白くない曲だ。」と言ったそうですが、そんなことはありません。
たくさんのビー玉を床にブチまけた感じの楽しい曲です。(笑)←聴いてみたらきっと納得できますよ。
エチュード 変ホ短調 op.10-6
憂いを含んだ、ノクターンのような曲です。
技巧的には非常に簡単ですが、これは旋律をレガート(なめらか)に弾くための練習曲です。
最後がGの音で終わる(変ホ長調で終わる)ところなんて超絶オシャレですよねぇ。
エチュード ハ長調 op.10-7
2-3指と1-5指が和音を交互に連続演奏しないといけないので、特に3と5指が6度にまたがると結構な負担がかかります。
それを軽やかにレガートに弾ききるためのテクニックを要します。
その分、左手はラクなので、極論右手の練習曲ですね。
エチュード ヘ長調 op.10-8
コンクールでも人気のあるエチュードです。
非常に速いアクロバティックな運指を要しますが、難しさを感じさせない軽快さがあります。
最後の和音のまとめかたにも弾き手のセンスが要求されます。
エチュード ヘ短調 op.10-9
比較的簡単なエチュードで、中級者でも手を付けやすい曲だと思います。
左手の手の開閉の素早さと柔らかい手首の持ち主であれば、右手の主旋律の表情もグッと引き立ちます。
この曲で自信をつけて、他のエチュードへとレベルアップしていくのもよいかと思います。
エチュード 変イ長調 op.10-10
聴いた感じより難しい曲で、最初から終わりまで分散6度の練習曲です。。
そして、op.10-7と同様に軽やかさとレガートさが必要です。
途中、バラード第1番のコーダみたいな部分も出てきますし、この曲ボクは結構好きです。
エチュード 変ホ長調 op.10-11
両手ともにアルペッジョの練習曲。幅広い分散和音は、ハープのような演奏効果があります。
それにしても、目的のみを追って機械的な練習曲を作る作曲家は数多く存在しますが、芸術作品としての鑑賞にも十分耐えうるのは、果たしてショパンのエチュード以外に存在するのでしょうか?
エチュード ハ短調 op.10-12 ≪革命≫
派手に聞こえますが、そこまで技術的に難易度の高い曲ではありませんので、『中級者でも頑張ればそこそこ弾ける難曲』とでも言っておきましょう。
この曲のエピソードは以下の通り。
ショパンが祖国ポーランドを離れたあと、ロシア制圧下にあったポーランドの同志たちが革命を起こしますが失敗に終わります。その知らせを受けたショパンが、ありったけの絶望感と、革命に参加できなかった悔しさをピアノにぶつけた曲とされています。
冒頭の不協和音から、断末魔とも感じ取れるショッキングなコーダ部分まで、終始圧倒されてしまいます。
ちなみに、この≪革命≫という副題はショパンと同世代に生きた有名な作曲家、フランツ・リストが付けた名前らしいです。
以上、ショパンのエチュード作品10の全12曲でした。
次回は、作品25の全12曲について書かせてもらいますので、また是非お付き合いください。
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もちろん、他にも名盤と言われる音源は新旧問わずたくさん存在しますので、いろいろと調べて、是非聴き比べをしてみてください。
ピアニストごとの音色や表現力の違いを比べるのは凄く楽しいですよ♪
それではまた!(^-^)/~~~