ショパン エチュード 作品25
こんにちは、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/
ここ数日間、東京はもう夏のような暑さです!
まだ5月だというのにこの気温…どうなっちゃってるんでしょう?
朝から洗濯、掃除、買い物、息子の沐浴、食事の用意…
家事をこなしていくと、昼過ぎにはシャワーを浴びてビールを流し込みたくなるくらいです。(^^;;;
乳児って体温調整がヘタなので、大人の感覚に合わせていたら、手足がすぐ冷たくなって可哀想なので、窓を開けて扇風機で部屋の空気を回す程度にとどめています。
まぁ、本格的に夏が来る前には梅雨寒の時期もありますので、クーラーはまだ使わないでおきます。
さて、前回はショパン・エチュード作品10の12曲をご紹介しましたので、今回はその続きとして、作品25(以下op.25、読みはオーパス25)の12曲について書いていこうと思います。
エチュード 変イ長調 op.25-1 ≪エオリアン・ハープ≫
両手ともに、手首の回転を基本として分散和音を弾き続けます。
右手の小指が主旋律で、あとはすべて内声となり、それは楽譜を見ればよくわかります。(小指に割り当てられた音のみオタマジャクシが大きいです。)
たいへん美しい曲で技術的にもお手頃なので、エチュードをこれで弾き始めるとモチベーションも上がるでしょう。
ちなみに、この≪エオリアン・ハープ≫という副題はシューマンが名付けました。
誰が付けたかわかりませんが、≪牧童≫という呼び名もあります。
エチュード イ短調 op.25-2
コロコロとした数珠つなぎのような旋律が耳に心地よい曲です。
全エチュードの中でも最も易しい部類に入る曲ですが、インテンポ(Presto)で弾くには、それなりに指が回るようでないと表現もままなりません。
エチュード ヘ長調 op.25-3
右手2指と3指による内声部の速いトリルの練習曲。
特別難しい曲ではありません。あくまでもショパンのエチュードの中ではという注釈つきですが。
エチュード イ短調 op.25-4
スタッカートと、左手の跳躍の練習曲ですが、めまぐるしい転調時でも確実に鍵盤をとらえる練習をみっちり積んでおかないといけません。
ユニークな曲調なので、聴いても弾いても楽しい曲です。
エチュード ホ短調 op.25-5
冒頭は聴き馴れないとなんだか気持ち悪い印象を受けますが、非常に美しい中間部も相まって、ショパンの高い音楽性を感じされてくれる名曲です。
そういえば、最近では『四月は君の嘘』というアニメの中で、主人公がコンクールでこの曲を弾いてましたね。
ちなみに、ピアノの吹き替え担当は阪田知樹さんという、将来を嘱望される天才ピアニストです。
エチュード 嬰ト短調 op.25-6
お待たせしました。難易度でいえばエチュード全24曲中、
文句なく頂点を極める3度のエチュードです。
演奏家が集まると指使いの話が止まらないと言われるほど、複雑な運指を要する難曲中の難曲なのです。
とめどなく溢れ出るかの如く、速い3度音程重音による美しい旋律、細かなニュアンスの表現等々、持てるテクニックをすべて駆使しないと弾けません。
これぞまさしく、エベレストの頂ですね。
エチュード 嬰ハ短調 Op.25-7
ノクターンと思って聴いても違和感のない、素晴らしいポリフォニーを持ったエチュードで、技術的にも非常に弾きやすい曲です。
哀愁を帯びた≪恋の二重唱≫、エレジーとでも言いましょうか。レガートに美しく歌い上げるように弾くことが重要です。
エチュード 変ニ長調 op.25-8
6度重音の練習曲で、めちゃくちゃ難しい曲です。しかも難しいのは右手だけではありません。
左手もバスと3度重音、6度重音と難所の連続で、しかもモルト・レガート。
次のop.25-9もそうですが、聴いてるだけにはすごく明るくてチャーミングな曲調ですけどね。
ピアニストは大変です。(笑)
エチュード 変ト長調 op.25-9 ≪蝶々≫
女子受けしそうな可愛らしい曲です。そして、副題の≪蝶々≫も「まさしく!」って感じがします。
でも、技術的には意外と(…ここは人によりますが)難しいと感じる人もいるかもしれません。
聴いた感じと弾く感じが結構乖離しているので、舐めてかかると痛い目に遭います。(^^;
エチュード ロ短調 op.25-10
まず、冒頭オクターブの連続の凄まじさに圧倒されます。
最近この曲を聴くと、リストを弾くランランの鬼気迫るパフォーマンス姿を想像しちゃいます…(笑)
ですがこの曲は、腕を振り上げて激しく大音量で弾くようでは全然ダメで、レガートさを以て力強さを生み出さないといけません。
そういった、ffの中ですらデリケートな表現が必要なところに、ショパニズムを強く感じます。
エチュード イ短調 op.25-11 ≪木枯らし≫
こちらは、以前の記事にてCDレビューを書いたので、その解説を載せます。
非常に壮大なスケールで書かれた超絶技巧を要する曲で、平均的なピアノ上級者でもおかしな演奏をしたりします。
副題の≪木枯らし≫が示す通り、右手の細かく動く分散和音がまるで枯葉が舞い上がる様子を表現しているようです。
エチュード ハ短調 op.2512 ≪大洋≫
心を揺さぶられるほどドラマティックなエチュードです。
そして、弾けるものなら弾きたい! と思って練習すれば、結構弾けちゃったりする曲です。
≪大洋≫という副題をイメージして聴くと、荒波がうねりを伴い、いまにも船をのみ込みそうな情景が目に浮かぶような曲に聴こえるのが不思議です。
でも≪太陽≫と言えば、燃え盛る表面から放出される非常に高温なコロナを連想しちゃいそうです。
どちらにせよ、副題のほとんどは実際ショパンが付けたものではないので、事前情報や固定概念にとらわれて聴くともったいない気がします。
以上、ショパンのエチュード作品25の全12曲でした。
とにかく、最高の技術と芸術性を兼ね備えた、音楽史上に燦然と輝くショパンのエチュード。
これからもキラ星の如く現れたピアニストたちが名演を残し続けてくれるでしょう。
生きている限り、いろんなタイプのピアニストのエチュードを聴き続けていきたいですね。(^-^)
- アーティスト: ポリーニ(マウリツィオ),ショパン
- 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
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▲マレイ・ペライアのエチュードは50歳を過ぎて録音されたもの。衰えのない技術に加え、ベテランならではの詩があります。現代のエチュードの決定版といってもいいと思います。
また別の機会に、ショパンの曲集についてまとめた記事を投稿したいと思います。
プレリュード、ワルツ、マズルカ、ソナタ、ポロネーズ…次はどれにしようかな?
それではまた!(^-^)/~~~