クラシックの森:ショパン大好き

都内在住のグラフィック&WEBデザイナーです。クラシック関連CDや漫画のレビュー等を交えながら、クラシック音楽の魅力を楽しく伝えていけたらいいなと思ってます。

ピアノが黒いのには何か理由があるのかな?

こんばんは、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/

今日も東京は非常に暑かったです。
とうとう我慢できず、仕事部屋のクーラーのスイッチを入れちゃいましたよ。(-_-;;
仕事柄一日中PCをつけっぱなので、部屋の温度がすぐに上がっちゃうんです。そんな環境ではPCだっていい影響はないでしょうしね。

とはいえ、例年だとこの時期に仮にクーラーを付けたとしても軽く除湿程度で済んでたのですが、それはいままで気密性の高いマンションだったから。
戸建に住むようになってからは(最近の木造住宅は昔より気密性が高いとはいえ)外の気温にすぐ左右されるので、クーラーのスイッチを切ると間もなく元の温度に戻っちゃいます。

クーラーって、立ち上がりが一番電気を消耗するので、あまり付けたり消したりを繰り替えすと、料金が跳ね上がってしまうらしいですね。
だったら一日中つけっぱにしておいたほうが、全然料金が安くなるみたいです。

どっちにしても、今からこんなんじゃ真夏が思いやられます。
明日からまた節制しよ~っと…

さてみなさん、いきなり本題いっちゃいますが(笑)

『ピアノ』を想像してみてください。

アップライトでもグランドでも、電子ピアノでも、なんでも構いません。
…どうですか、思い浮かべましたか?
では、ここで質問です。

ズバリそのピアノは何色ですか?

 

『ピアノ=黒』は、日本で刷り込まれた常識

殆どの人の想像したピアノは『黒』だと思います。それもテッカテカで艶々の。
ここで木目や白などのピアノを想像した人は、ご家庭にあるピアノがそうなのではないでしょうか?
また、下の写真のように、ごてごてのゴシック様式建築物を連想させるような彫刻だらけのピアノを想像した人がいたら、間違いなくあなたは変態です。どうぞお引き取りください。←冗談です。(笑)

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これはクララ・シューマンが愛用した、グロトリアンシュタインウェイピアノ。
あなたが音楽の時間に習った『トロイメライ』の作曲者はクララの夫、ロベルト・シューマンです。

黒いピアノを連想するのは仕方のないことです。
だいたい、ボクたちが街や施設や学校で目にするピアノってほぼ100%が黒いピアノなんですから。
小さい頃、体育館や講堂で何かしらイベントがあるときにピアノが使われていたと思いますが、木目だのホワイトだのYOSHIKI CRYSTALだの(笑)そんなオシャレなピアノが置いてある小学校があなたの周りにありましたか?

そもそも、多くのピアノが黒いのには理由があるようです。

第一の理由
日本は湿気が多いので木目のピアノは適さないということで、日本の塗装技術である湿気に強い漆を使ってピアノを作り始めたこと。また、高級感もあるから一石二鳥ってワケです。その後、カシューという漆に近い天然塗料も使われました。
今でこそ、技術の進歩でポリエステルやポリウレタンの丈夫な塗料が世界中で使われてますが、その昔、西洋では黒いピアノを作るときは黒檀を貼り付けていたそうです。

第二の理由
単純に舞台映えするからというものです。
フォーマルな場所では、世界標準として黒い服を着ることが多いですよね。
ピアノに限らず、多くの演奏家は黒いタキシードやスーツに身を包んで演奏に臨むことが殆どです。
ですから、ピアノも…と考えられるようになったのは自然なことかもしれません。



その他、諸説が出回っていますが、何が正解なのかはここでは敢えて追求するのはやめておきます。

 

ピアノはなぜ黒いのか (幻冬舎新書)

ピアノはなぜ黒いのか (幻冬舎新書)

 

以前、この本を読んだのですが、どうも内容的に腑に落ちない箇所も多々ありました。
あくまでも参考程度にとどめた方がいいという注釈つきで、興味のある人は読んでみて下さい。

 

欧米諸国では木目ピアノが主流!

日本は湿気が多く、まだ塗装技術が未熟だった時代には木目が適さないということで、黒い漆塗りがスタンダードになったと紹介しました。
それだけではなく、日本ではそれ以前に鍵盤楽器の歴史がほとんどなく、ピアノとしては最終形へと進化し終えた頃に西洋から伝わってきて、黒塗りで製造をスタートさせたというのも『ピアノ=黒』となった要因のひとつでしょう。

対して、西洋の鍵盤楽器は、ヒュドラウリスと呼ばれるオルガンに始まり、古典派~ロマン派と時代が移り変わるのに合わせて、チェンバロクラヴィコードフォルテピアノへ進化しました。
それこそ日本には鍵盤楽器などがまだ存在しなかった時代に、すでに数百年もの歴史があったのです。
その間ずっと木目が当たり前だったのですから、日本が『ピアノ=黒』と思う以上に『ピアノ=木目』という常識が根付いているのは当たり前ですね。

 

それでも黒いピアノに落ち着いてしまう日本人

日本人は高度経済成長期から現代に至るまで、あまり過剰な自己主張をしない、実にシャイな人種でした。そして、奇抜な恰好を避け、できるだけ他人と同じことをし、平均的であることが美学だと教えられてきました。

こういった背景で人生を送ってきたのですから、ピアノは黒いのが一般的で木目は少数派(しかも高いし…)となれば、購入するとなると必ず黒いピアノに落ち着きます。
そして、その子供たちも然りです。
木目のピアノなんてもの自体、この世に存在するとは思ってもいませんでした。
ボクもそうです。ピアノって学校でしか見たことがありませんでしたからね。(笑)

でも、ボクは例え刷り込みだろうが、ピアノは黒がかっこいいと思ってます。
そもそも、木目のピアノって部屋を選ぶんですよ。それに合うような西洋風の民家なんて日本にはほとんど存在しないですしね。

西洋で木目がスタンダードな理由って、昔はまだまだ超高級品で一部のお金持ちにしか買えなかったワケですし、調度品としての趣きも重視してたからじゃないの?って思うんです。

単体で見たら確かに木目のピアノって美しいし素敵ですけど、何事もコーディネイトって大事です。
なので、結論として…

日本では『ピアノ=黒』上等!(笑)

ということで、今日の話を〆たいと思います。
それではまた!(^-^)/~~~