クラシックの森:ショパン大好き

都内在住のグラフィック&WEBデザイナーです。クラシック関連CDや漫画のレビュー等を交えながら、クラシック音楽の魅力を楽しく伝えていけたらいいなと思ってます。

横山幸雄さん:日本が世界に誇るピアニスト!

こんにちは、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/

昨日、とうとう息子が脱・新生児の日を迎えてしまいました。
なんだか嬉しいような、さみしいような…新米ママとパパは複雑な心境です。
こういう時期は親御さんであれば誰もが通る道ですが、ボクが知る限りではみなさん口をそろえてこうおっしゃいます。

「このまま成長が止まって欲しい…」

その気持ち、分からないでもありません。だって、本当に可愛いもん。

しかしですね、新生児には魔の3週間というものがあって、その時期を過ぎる頃には、もう昼夜問わず1時間おきにオムツ、ミルク、オムツ、ミルク…その他なんらかの不快さをアピッてギャン泣き。(-_-;;
そんな状況がこれからも続くのですから、体力の消耗も精神的なダメージも相当なものでしょうね…覚悟しておきます。(笑)

とかいいながら、新生児特有の可愛さですべてが帳消しになるのです。
そんなもんさ、親バカだもの。 v(≧∇≦v)

そして、今日は朝から息子と一緒に、ショパン舟歌≪子守唄≫を聴きました。
ゆったりとした曲なのに、まるでX Japanを聴くかのごとく、息子は手足をバタバタさせてアーアー言ってました。てか、絶対聴いてないなこれ…
嗚呼、なんて優雅な休日の朝なんでしょう。(笑)

さて、今回は、ボクが日本人ピアニストの中で一番大好きな、横山幸雄さんについて語らせて頂こうと思います。

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西欧の壁を超えた、日本が誇る天才ピアニスト!

日本人だからって、決して贔屓目ではないことを先にはっきりと申し上げておきます。
横山幸雄さんは、世界的に見ても文句なくトップレベルの才能を持った、優れたヴィルトゥオーゾといえるでしょう。

1971年2月19日生まれの現在46歳ですから、すでに10代で身に付けていた完璧すぎる技巧に加え、これからどんどん演奏に深みが増していくことと思います。

しかしまぁ、彼のことを改めて調べてみると、なんと素晴らしい経歴の持ち主だこと!
真の音楽エリートとは、まさにこういう人のことなんだなと思い知らされます。

1984 - 全日本学生音楽コンクール・ピアノ部門中学校の部で第1位。
1987年 - 東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校在学中にパリ国立高等音楽院にフランス政府給費留学生として留学。ジャック・ルヴィエ、ヴラド・ペルルミュテール、パスカル・ドヴァイヨンに師事。
1989年 - 第41回ブゾーニ国際ピアノコンクール第5位。
1989年 - ロン=ティボー国際コンクールピアノ部門第3位。
1990年 - パリ国立高等音楽院卒業
1990年 - 第12回ショパン国際ピアノコンクールにて第3位およびソナタ賞を受賞。
1993年 - 横浜文化賞奨励賞受賞
1999年 - 文化庁芸術選奨新人賞(音楽部門)受賞
2000年 - ライブCD「ベートーヴェン12会/1998~1999」が第55回文化庁芸術祭レコード部門優秀賞を受賞。モービル音楽賞(奨励賞)受賞。
2003年 - 上野学園大学教授 (~2017年3月13日)、エリザベト音楽大学客員教授に就任。
2010年5月4日 - ショパンの全166曲を16時間弱かけて弾き通し、ギネス・ワールド・レコーズの「24時間でもっとも多い曲数を1人で弾いたアーティスト」に認定される。
2011年5月3日~5月4日 - 未発表曲を含め、確認されているショパンの全ての独奏曲212曲を約18時間かけて暗譜で弾き通し、自身が持つ「24時間でもっとも多い曲数を1人で弾いたアーティスト」のギネス記録を更新。

引用元:横山幸雄 - Wikipedia

 

横山幸雄さんの集中力という才能

一般論になりますが、ボクが「すごい才能の持ち主だなぁ!」と思える人ほぼ全員に共通するのが、ここぞという場面で『並外れた集中力』を発揮できる人だということです。
例えば、野球でいえば松井秀喜さんだったり、フィギュアスケートで言えば羽生結弦さんだったり。

もちろん人間ですから、躓いたり失敗することもあります。
しかし、必ずといっていいほど最後は帳尻を合わせて最高の結果を残すのです。
だから、彼らはスーパースターで在り続けることができるのですね。

横山さんの話に戻しましょう。
お母さんがピアノの先生という環境に育ち、幼少期よりピアノを始めたというのはありがちな話ですが、彼が他の子と違ったのが『ひとつのことをやり出したら、もの凄い集中力を発揮する』というところだったらしいです。

そして、小学校低学年のときに「ボクはピアニストになるから、野球もやらない!水泳もやらない!」と親に宣言をしたのだそう。
これは、横山さんが19歳で1990年の第12回≪ショパン国際ピアノコンクール≫第3位入賞という快挙を成し遂げた時のドキュメンタリー番組内で、お母さんがインタビューに応じてらっしゃったときの言葉です。

彼のお母さんがこれまた優しそうな方で、その横で黙ってニコニコと座ってらっしゃるお父さんの大らかそうな表情を見ると「あぁ、やっぱり子供の才能を伸ばすには、ちゃんと主張を尊重し、受け入れて全力でバックアップしてあげる環境を作ることが大事なんだなぁ…」と感じた覚えがあります。
てか、ボクは横山さんとほぼ同世代で、結婚だの子育てだの当時は未知のものだったんですけどね。

 

19歳とは思えない、毅然としたメディア対応

早いうちから名門であるパリ国立高等音楽院に留学し、世界でも名だたる指導者たちの教えを受けてピアニストとしての研鑽を積んでいたとはいえ、なにしろまだ学生でしたからね。
当時のその強気なメディア対応に、各方面からは「生意気だ」だの「自信過剰だ」だの、結構なこと陰で言われてたのですが、これはなんとも陰湿で醜い仕打ちですよ。

先に挙げたドキュメンタリー番組内でも、彼が19歳だからといってタメ口で、しかも軽口をたたく、とても感じの悪いディレクターがいました。
正直「横山くんは、アンタの何万倍もの努力をして、日本を代表するピアニストとして上位入賞の使命を背負ってんだよ。民放のディレクターごときが舐めた態度とるな!」とムカッ腹立ちましたね。
大体、アホなメディアや評論家たちは、出る杭を打つことでメシを食ってるハイエナのような連中。奴らにはさっさと引退してもらい、猛烈に反省して人間らしい真っ当な生き方をして欲しいものです。

まぁしかし、心配するには及ばず、やっぱり本物(横山さん)は強かったですね。
その自信過剰とも言われた強気な姿勢・態度は根拠十分だったし、最後にはキッチリ結果を出しているのだから誰もなにも言えないでしょう?(笑)
これこそが、先ほども書いたスーパースターの証しですね。

 

世界トップレベルの揺るぎない演奏技術

初めて横山さんの≪ショパン エチュード集≫のCDを聴いたときは、そりゃもうブッたまげました。
ボクにとって、あのマウリツィオ・ポリーニのそれを聴いたときと同等の衝撃だったんです。
正確無比で揺るぎのないテクニック、若いピアニストだからこそ自然に溢れだす瑞々しい感情表現。

一遍の曇りもない圧倒的名演です!

そして「これを超える演奏を聴かせてくれるピアニストが、今後いつ出てくるのだろう?」という、不安と期待を同時に感じさせてくれました。(^^;;
でも、ボクが生きてる間は超えなくていいですよ。心臓に悪いから。(笑)

別れの曲 ?ショパン : エチュード全集
 

クズ評論家たちが、どこかに穴がないものかと必死で聴きかえす滑稽な姿が目に浮かびます。まぁ、ハゲない程度に頑張って粗探ししてください。(笑)

 

ショパン ピアノ曲全166曲を16時間かけて連続演奏

2010年5月4日、ギネスに正式認定された驚くべき出来事です。
これにより、満を持して、彼の超人的ともいえる集中力が全世界へ証明されたことになります。
もちろんすべて暗譜(楽譜を見ずに演奏)です。一体どんな脳ミソしてるのでしょうか…
※ちなみに2年目は212曲を18時間かけて弾きギネス更新。もう、この人は…o(@.@)o

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116曲演奏の模様は『クラシカ・ジャパン』でも放映されたので、しっかり録画しました♪
もちろん、Jacketも自作です。もうこれ生涯の宝物です。ヽ(^◇^*)/

また彼は、ショパンの生誕200年の年から、毎年のように≪入魂のショパンというコンサートを開催していますが、毎回テーマを絞って選曲されていて、まるでショパンと一緒に音楽の旅に出掛けているような感覚になります。

その他、ベートーベンラベル全曲演奏など、天才・横山幸雄でしか成しえないイベントを精力的にこなしています。
さてさて、お次は一体、何を仕掛けてきてくれるのでしょうか?
もう、彼と同時代に生きて、その演奏に触れられる喜びを感じずにはいられませんね。

 

おまけ:上野学園問題について

音楽関係者や業界に詳しい方であれば、このニュースは記憶に新しいかと思います。
横山さんが教授として所属していた上野学園の経営陣による体たらくな経営状態は全くもって解決しておらず、未だにクラシック界に黒い影を落とし続けています。

しかし、彼らによる横山氏への処遇はいくらなんでも酷いんじゃないですか?
私利私欲に走った、厚顔無恥な経営者一族(石橋家)による茶番劇は、カスラック悪名高いJASRACとともに、日本音楽業界の二大汚点として世間に醜態を晒すことになってしまいました。

この件に関しては、これ以上ここでとやかく熱くなっても仕方がないので、なんのことやら分からないという方は以下の記事をご覧ください。

外部リンク:上野学園を告発して解雇…ピアニスト横山幸雄氏が全激白|社会|ニュース|日刊ゲンダイDIGITAL

日本は音楽大学がかなり多く、その中にあって上野学園は特別飛び抜けた教育機関ではないものの、将来に夢と希望を抱いた若き音楽家たちが多数在籍していますので、彼ら学生のことはなんとしても守らなければなりません。
一刻も早く石橋一族が経営から身を引き、上野学園の経営が正常化することを祈ってます。

それではまた!(^-^)/~~~