クラシックの森:ショパン大好き

都内在住のグラフィック&WEBデザイナーです。クラシック関連CDや漫画のレビュー等を交えながら、クラシック音楽の魅力を楽しく伝えていけたらいいなと思ってます。

竹宮惠子さん:元祖 クラシック漫画の巨匠

こんばんは、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/

今年の4月30日に開設し、途中何度か途切れはしたものの、ほぼ毎日のように記事をエントリーし続けてきた当ブログですが…

この回で、50記事を達成致しました!☆v(o^0^o)v☆

ブログ開設後は、1ヶ月以上閑古鳥が鳴き続け、誰が読んでくれているのかも全く分からない日々。
それでも、「ただでさえライティング能力がないのに、中身まで手を抜いてたまるか!」 と、自分なりに一定レベルをクリアした内容を、半ば意地とプライドで書き綴ってきたつもりです。
その甲斐あってか、最近少しずつではありますが、コメントスターはてブを頂いたり、Twitterでもリツイートや感想をリプしてくれる優しい方まで現れてきました。

もちろん、まだまだこれからも長く続けていこうと思っているこのブログですが、『とりあえず100エントリー!』という当初の目標の半分に到達したので、これがひとつの区切りとなる記事になります。
そしてこの場を借りて、この稚拙極まりない文章を辛抱強く読んでくださっている皆さんに、心からありがとうございますと申し上げたいです♪ (人∪`*)

さて、果たしてその50エントリー目の記事として、今回のこのテーマは相応しいのだろうか? という感は拭えませんが…(笑)
単なる通過点だと思って、気にせずサクサク進めていこうかと思います。

 

一世を風靡した天才少女漫画家 

少女漫画界には、重鎮である一条ゆかり大先生とは一線を画すスタイルで業界に一石を投じた、不世出の大巨匠がいらっしゃいます。
現在は、なんと京都精華大学の学長さんでもあります。←なんでも、この大学にはマンガ学科というのがあり、そこの教授から学長へと出世されたようです。

その方の名前は、竹宮惠子さん。

主に中世~19世紀頃の西欧(特にドイツやオーストリア)を中心とした国々を舞台に、クラシック音楽や、ギムナジウム中等教育機関)の世界を、同性愛を交えて緻密に描いた問題作を数多く輩出してきた少女漫画家です。
同時に、SFものもや、スケールの大きいファンタジーものも描いてらっしゃいましたね。

竹宮さんの特徴としては、ショタ系が多く、ひとことでいえばド変態です。
いやっ、美しいド変態です。(笑)
いやいやっ、美しくも哀しく儚いド変態です!(爆)

なんのこっちゃ、よくわかんないでしょう?
この独特な世界観を理解するためには(理解したくはないかもですが…)、竹宮作品をちゃんとその手に取って読んでみないことには始まりません。
では、その竹宮惠子大先生の濃い作品(あくまでも作品名だけ)を少しだけピックアップしてみます。

1.風と木の詩
2.変奏曲シリーズ
3.ノルディスカ奏鳴曲
4.集まる日、
5.イズァローン伝説
6.ファラオの墓
7.姫くずし
8.地球(テラ)へ…
9.カレイドスコープ(竹宮作品のアートワーク集)


これらの作品は一部、今となっては普通の少女漫画として掲載することは難しいものも含まれます。
レディコミみたいに、あからさまでお下劣な直接的描写は皆無ですが、精神面では結構な勢いで片足突っ込んでるものもありますので。(^^;;
いずれにせよ、少女漫画史に重要な足跡を残した歴史的な作品たちです。

 

風と木の詩 (第1巻) (白泉社文庫)

風と木の詩 (第1巻) (白泉社文庫)

 

美少年ジルベールの破廉恥極まりない言動炸裂で幕を開ける第1巻ですが…もう、痛々しくて読み進めるのが辛すぎます。(T^T)
もう一度いいますが、作者である竹宮さんは日本の大学の学長さんです。(笑)

 

少年の名はジルベール

少年の名はジルベール

 

竹宮さんの自伝です。少女漫画界のもう一人の天才萩尾望都さんとの関係の複雑な葛藤や、決別などにややウエイトを置きながら半生が綴られています。

 

クラシック音楽とショタと同性愛の夢のコラボ(笑)

竹宮さんの簡単なご紹介が終わったところで、彼女の作品の中でもクラシックを題材とした≪変奏曲≫シリーズについて触れたいと思います。

実はこの作品、当時は竹宮さんのものとして世に出ていたのですが、原作者が別人だったことが20年にも渡って隠されていたのでした。←ボクも今調べて知りましたよ…

そして、はじめに断っておきますが、ボクは腐女子ではありません。…てか、女子じゃないし。(笑)
あくまでも、ショタや同性愛的な部分を除いた竹宮惠子さんの世界観が好きで読んでいたに過ぎないので、変な目で見ないよう切にお願いします。(^^;;

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これですね、ボクは大昔に友人のお姉ちゃんから頂いたコミックスを持っていますが、日焼けが非常に汚いので、数年前に再度新装本を買っちゃいました。

 

変奏曲(へんそうきょく)とは、主題となる旋律が変奏され、主題と変奏の全体が一つのまとまった楽曲となったものである。変奏(ヴァリエーション、variation)とは、ある旋律のリズム、拍子、旋律、調子、和声などを変えたり、さまざまな装飾を付けるなどして変化を付けることである。

引用:変奏曲 - Wikipedia


この作品は≪変奏曲≫シリーズということで、その名の通り、主なストーリーを複数の作品で展開させていくという演出がなされています。
そして、登場人物や背景となる時代設定は2世代に渡りますが、概ね重要なのは初代に登場する2人の天才演奏家と、1人の音楽評論家です。

ハンネス・ヴォルフガング・リヒター(ウォルフ)
2歳で両親を亡くし、ドイツのリヒター伯爵家に引き取られ育てられた天才ピアニスト兼指揮者。

エドアルド・ソルティ(エドナン)
スペインのモントセラト伯爵家の血を引く天才ヴァイオリニスト。

ホルバート・メチェック
音楽評論家で、お金持ちの同性愛者。手癖が悪くなんだかんだで上の天才を2人とも抱く。
そして将来的に、エドナンとアネット(ウォルフの妹)の息子まで抱く。ヾ(´∇`)ノキモイ♪



沈着冷静で、誰からも一目置かれる優等生であるウォルフ。
対して、燃えるような情熱を持ってはいるものの、その冷めた瞳で誰も寄せ付けようとしないエドナン。

もともと、天才ウォルフのことは心から尊敬していたエドナンですが、そのウォルフの共演の呼びかけにも、エドナンはことあるごと反抗的な態度で相見えようとはしませんでした。
しかし、ウォルフは生まれつき体が弱く余命いくばくもないと分かったところで、ついにエドナンの方から歩み寄り、ラロ作曲のヴァイオリン協奏曲第2番≪スペイン交響曲で共演デビューを果たします。
スペインの血を引く彼の華やかで鮮やかなヴァイオリンは、一瞬で観客を魅了し、たった一夜にしてスターダムにのしあがります。

その後の2人は、これまでの時間を取り戻すように演奏活動を重ね、ヨーロッパ中を熱狂の渦に巻き込みながら、その名を不動のものとしました。
ウォルフの最期が近づいていることを察したエドナンは、それまでのメチャクチャな行動を慎むようになり、覚悟を決めてウォルフとともに音楽に真摯に向き合います。
そして、初演から2年の時が経ち、ウォルフは21才でその短い生涯を終えることになるのです。

物語としては至ってシンプルではありますが、先ほど書いたようにここに≪変奏曲≫としてのエッセンスが加えられ、スピンオフ的な要素も交えながら様々なドラマが展開していきます。
さすがに竹宮さんは超一流の漫画家さんですから、その構成能力は抜群です。
なにより絵が素晴らしく美しいので、ヨーロッパクラシック音楽の高貴な息吹が見事に伝わってきます。

但し、くどいようですが、ライトな表現ではあるとはいえ同性愛の描写があちこちに散りばめられてますので、万人には勧め難いところはありますけどね…(笑)

 

変奏曲 vol.1 (1)

変奏曲 vol.1 (1)

 
変奏曲 vol.2 (2)

変奏曲 vol.2 (2)

 

表紙カバーのイラストが当時のものとは違ってて、新たに描き起こされていますが、格段に美しくなってますのでファンとしては嬉しいです。

それにしても、昔の少女漫画って結構大胆なテーマで描かれたものが多かったような気がします。
例えば、一条ゆかりさんの砂の城なんて、年の差恋愛、嫉妬心、精神疾患を生々しく描いたもので、それがなんと女子小学生御用達の『りぼん』連載だったのですからね!(笑)

発行部数では現在『ちゃお』に軍配が上がりますので、それで例えるなら姫ギャルパラダイス≫の後、続けて≪砂の城≫を読むなんてあり得ないでしょう。
ちなみに、姫ギャルパラダイスは5~6年前、福岡に住んでいる姪っ子が狂ったように読んでました。
そんな彼女も、もう高校3年生ですよ。ボクにとって5年前とか昨日のようなものなのに…(^^;;

それではまた!(^-^)/~~~