クラシックの森:ショパン大好き

都内在住のグラフィック&WEBデザイナーです。クラシック関連CDや漫画のレビュー等を交えながら、クラシック音楽の魅力を楽しく伝えていけたらいいなと思ってます。

ショパン国際ピアノコンクール PART5

こんばんは、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/

過去4回に渡って書いてきましたショパン国際ピアノコンクールですが、ひとまず今回で区切りをつけようと思います。
なんだか、単なるあらましというか、流れだけを追ったものに個人的な感想を加えただけのつまらない記事になってしまった感が否めません。(-_-;
本当に未熟な文章力・構成力ですみません。
 

 

とりあえず、今回はそのショパコン最後となる本選(決勝)について、ひと通りお話したいと思いますので、どうぞ最後までお付き合いください。
ですが、その前に…

 

ショパンの命日(10月17日)

第三次予選が終わり本選が始まる前日に、必ずショパン命日のミサが執り行われます。
場所は、ショパンの心像が安置されている聖十字架教会。ここで流れる音楽は、モーツァルト作曲のレクイエムです。
このときばかりは、コンクールのことを一旦忘れて、コンテスタントや審査員、そしてワルシャワ中の人々がミサに参加し、ショパンに想いを馳せるというのが習わしとなっています。

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ここまで勝ち残ってきたコンテスタントたちは、明日の決勝を前に、心の中でショパンとどんな会話を交わすのでしょうか?
そういうインタビューとか、コンクール終了後でもいいので聞いてみたいですね。

 

ショパン国際ピアノコンクール 本選(3日間)

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本選 課題曲
ピアノ協奏曲第1番、もしくはピアノ協奏曲第2番のいずれか1曲


本選(グランドファイナル)に残ったのはたったの10名。
とはいえ、全員が40分超えのピアノ協奏曲を弾くわけですから、コンテスタントたちは3日間に分けられ演奏をします。
そして、ここでは殆どのコンテスタントが第1番の方を好んで選びます。
理由としては、第1番は非常に優雅かつ最高の技術を必要とする超難曲で、かなりの盛り上がりを見せる曲だからでしょう。
ショパン『ピアノの詩人』と評されるエッセンスが、あちこちに散りばめられています。

対して第2番は、年代的には第1番よりも早く書かれたショパン初の大曲(19歳で作曲)で、一般的にオーケストレーションに乏しいということと、楽曲構成面での薄弱さも指摘されています。
また、実際に第2番を弾いて優勝した人が、過去にたったの二人というのも多少影響してるのかもしれません。
ちなみに日本人では、1990年の第12回大会で、最年少の横山幸雄さんが第2番を見事に弾きこなし、第3位入賞を果たしています。

こちらは横山幸雄さんのピアノ協奏曲第一番ですが、若干19歳とは思えないほど完成された技巧と、若く瑞々しい表現力に満ち溢れた名演です。

さて、三週間にもわたって開催されたコンクールもいよいよ終わりを迎えます。
審査が難航しなければ、すぐにすべての入賞者の発表となるのですが、なかなかそうはいきません。
理由のひとつとしては、何十年も開催されていく間に、審査ルールが事細かに変わっていっており、さらにその場で新ルールが追加されたりするからです。
そして、何人ものコンテスタントが僅差の場合、審査のやり直しをすることもしばしば。そりゃ簡単には終わりませんよね…(^^;;

結局、全ての審査が終わり結果発表があるのは、予定時刻を大きく過ぎてしまうことが多いみたいですね。審査員の方々は本当にご苦労様です。

こうして、5年に1度のショパン国際ピアノコンクールの覇者入賞者(6位まで)、そして佳作(その他のファイナリスト)が決まり、ようやく幕を閉じるのです。

それ以外にも、特に優秀な演奏をしたコンテスタントには、ポロネーズマズルカソナタコンチェルト賞の各賞が与えられます。
もちろん、レベルが低い大会であれば誰も受賞できなかったり、逆にたった一人の超優秀なコンテスタントが全部総ナメする可能性もありますが。

 

ガラ・コンサート

ガラコンサートとは、記念の演奏会のこと。
ここでは、入賞者6名が、聴衆のために順番に演奏をお披露目します。
やっぱり結果を残しただけあって、実にすがすがしい表情で、ノビノビと演奏している様子が手に取る様にわかりますね。

輝く未来を期待される優秀な若者たちの演奏が終わると、ワルシャワの街はお祭りムード一色。
成長が見込まれるピアニストに目をつけていたメジャーレーベルは契約書にサインを、街のミーハーおばちゃん達は色紙にサインを(笑)の争奪戦です。

しかし大会を終えたばかりの彼らは、ピアニストとしてたった今スタートを切ったばかり。
今後、どれだけ研鑽を積むかによって、超一流ピアニストへの階段を上っていくのか今をピークに真っ逆さまに落ちていくのかが決まってきます。
スターが生まれればショパコンの権威も保てますし、そうでなければショパコンの地位もどんどん落ちていくばかりでしょう。

『ショパコン入賞者』という肩書きを持つ人間には、大きな大きな責任があるのです。

 

以上、ショパン国際ピアノコンクールについて、ひとつの側面について書かせていただきました。
しかし、前にも書いたように、こんなものでは語り尽くせないエピソードがまだまだ沢山ありますので、いずれまた紹介させて頂きますね!

それではまた!(^-^)/~~~