クラシックの森:ショパン大好き

都内在住のグラフィック&WEBデザイナーです。クラシック関連CDや漫画のレビュー等を交えながら、クラシック音楽の魅力を楽しく伝えていけたらいいなと思ってます。

フォルテピアノの魅力 PART1

おはようございます!
毎日毎日懲りもせず、クラシック関連ネタ探しに余念がないグラフィッカー☆JUNです。(^-^)/

いつの日かネタが尽きたらどうしよう…なんて不安が脳裏をよぎることもありますが、ブログを始めてまだ1ヶ月しか経っていないのに時期尚早ですね。
まだまだ題材はたくさん転がってますので、まずは最初の目標『100記事エントリー』まで、できる限り毎日、出し惜しみせずに頑張ってガンガン書き続けていきますよ。

さて、今回から2回に分けて、鍵盤楽器の歴史を軽く交えながら、現在のピアノのカタチになるちょっと前の時代のフォルテピアノについて書いてみたいと思います。

実は、先日ピアノ練習に関してアドバイスを頂いたTwitterのフォロワーさんから、今回のテーマのヒントをもらいました。いつもありがとうございます~♪

 

ピアノの前身のお話

まず、初めてこの世に現れた鍵盤楽器は、水圧を利用して音を出すヒュドラウリス≫という水オルガンでした。←空気ではなく、水ですか!w(゚o゚*)w
時は紀元前3世紀。日本はまだ弥生時代でしたので、西洋文明って凄かったんですね!

そして、その後は加圧した空気によって音を鳴らす≪パイプオルガン≫に進化しました。
パイプオルガンというと、教会や音大の講堂などに設置してある巨大なものを連想しがちですが、それだけではなく小型のオルガンも含みます。
日本では小学校の音楽の時間に習うオルガンは馴染みの深いものですが、あれはリードオルガンと言われるもので上記のパイプオルガンとは別のものです。

これをまとめると…

日本では『オルガン=リードオルガン
西洋では『オルガン=パイプオルガン』

となります。

そこからさらに時代が進み、15世紀にはチェンバロクラヴィコードが誕生します。
チェンバロ(ドイツ語)は、英語ではハープシコードとも呼ばれ、全く強弱をつけることができない構造でしたが、対してクラヴィコードはちゃんと強弱を付けることができたようです。
ただ、クラヴィコードは音が非常に弱い(もう本当に微々たる音量)という理由で、いつの間にかその存在そのものが無くなってしまったみたいですが…

 

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こちらがチェンバロです。現代のピアノの鍵盤とは白黒が反転しててなんか新鮮ですね。電子ピアノにはサンプリングされたものが多いですが、生のチェンバロってどんな感じなんでしょうか?

ちなみに、モーツァルトやバッハが好んで弾いたのは、クラヴィコードの方だったといいます。
バッハの時代といえば、真っ先に想像するのはチェンバロなので、これはかなり意外でした。
楽器としてはかなり未熟だったクラヴィコードですが、強弱を付けられるということがアドバンテージだったのかもしれません。

ここでちょっと豆知識をひとつ…
チェンバロクラヴィコードを同一の楽器だと勘違いして説明しているサイトをよく目にします。完全な間違いですので、鵜呑みにしないよう気を付けてくださいね。

それから、クラヴィーアという言葉もよく聞く単語ですが、これは鍵盤楽器の総称として使われるもので、特定の名称ではないようです。
※ベートーベンのピアノソナタに≪ハンマー・クラヴィーア≫という副題が付いた曲があります。

 

フォルテピアノへの進化

17世紀くらいになると、現代のピアノの基礎となる構造を持つ、大音量の演奏が可能な大型のものに進化を遂げていきます。
それがフォルテピアノと呼ばれるもので、イタリアのチェンバロ製作職人であるバルトロメオ・クリストフォリという人が発明した楽器です。
クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテというのが正式名称で、これが省略されて≪ピアノ≫と呼ばれるようになったのです。
省略してくれてありがと~!ですね。こんなの長すぎて舌が回りません。(笑)

また、よくコンサートなんかの演奏者紹介で、パンフレット掲載の名前の前後に pf と付いているのを目にしますが、あれは『ピアノもフォルテも出るチェンバロ』→『ピアノフォルテ』→ pf という省略記号だそうです。もし違ってたらごめんなさい。(^^;;

しかし、フォルテピアノチェンバロに比べて製作工程も複雑で高価、さらにそこまで出来がいいものではなかったため、残念ながらクリストフォリが生存してる間の普及はなかなか難しかったようです。

17世紀半ばを過ぎてくると、その後の改良もずいぶん進み、かのベートーベンがブロードウッド製のフォルテピアノを愛用し、数々の大作を生み出していきました。
その後のショパンやリストといったロマン派音楽を支えたのも、このフォルテピアノということになりますね。
ショパンプレイエルを、リストはエラールを、それぞれ好んで弾いたのは有名な話です。

そして、18世紀も終わるころにはフォルテピアノはモダンピアノへと変貌を遂げていき、いよいよ現代のピアノへの最終進化に入っていきます。
…と、今回はここで時の流れをストップです。(笑)
フォルテピアノにスポットを当ててその魅力をお伝えする記事ですからね。

では、今回はそろそろこの辺で終わりにします。
次回PART2は、下のDVDにも収録されているショパンが愛した
プレイエル≫のフォルテピアノについてのお話です。

貴重な楽器を数多く所有する浜松市楽器博物館のDVDシリーズ。1830年プレイエル社のフォルテピアノが素晴らしい音色を奏でます。


それではまた!(^-^)/~~~