フランツ・リスト:ロマン派時代のロックな男
丹精なマスクに美しい碧い瞳、そして颯爽とステージに現れる凛々しいお姿は、まさに栄華を極めたロックスターさながら。
加えて180cmを超える高身長で、超人的なピアノのテクニックの持ち主とあっては、どんなにお願いしても世の女性たちが放っておいてはくれませんね。
そんな、ルックスも才能も全てを兼ね備えた夢のような男が、かの高名なピアニストであり歴史的な作曲家でもあるフランツ・リストです。
▲そりゃあんたモテるさ… 例えピアノ弾けなくても、金がなくてもモテるさ…
こんにちは、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/
朝っぱらから、リストのハードエッジでイケイケな人生のことを考えていたら、なんだかノリノリになって記事を書きたくなりました。(笑)
ショパンと同じ時代に生き、交流が深かったリストですが、性格も女性関係も演奏スタイルもすべてがショパンとは真逆。
派手でスキャンダラスで、何人もの女性に人生を翻弄されながらも、子孫と有能な弟子たちを残し、ショパンの2倍生きた非常に精力的で男性的なリスト。
甘いルックスとは裏腹に、緻密ではあるものの繊細とは程遠いダイナミックな演奏とパフォーマンスを身上とした≪ピアノの魔術師≫。
今回は、仕事ぶりもプライベートも肉食男子以外の何物でもない、フランツ・リストのパワフルな生き様に迫ってみたいと思います。
もう、彼を見習って、草食系とか言いながらナヨナヨと生きる自分にサヨナラしましょう!…って、ここそういうブログ?<(゚ロ゚;)>(笑)
全てが規格外! 歴代屈指のヴィルトゥオーゾ
リストを一言で表すとしたら、これ以外に適切な言葉が浮かんできません。
まず、手の大きさはかなりのもので、13度の音が掴めたといいます。
(13度も届くのはリストとラフマニノフくらいです。)
しかもその大きな手が、常人では考えられないスピードで鍵盤の上を這い廻るとか…想像しただけでもかなり異様な光景ですよね。(^^;;
▲ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ…いやいや、おかしいから!(笑)
リストのその変態的なテクニックは、それを目の当たりにした有名な作曲家たち(例えば、我らがショパンをはじめ、メンデルスゾーン、グリーグ、ワーグナーといった錚々たる面々)が知人宛の手紙などに書き記し、かなりの数の証言として残っています。
しかも、彼らが長い年月をかけて、その持てる力を全て注ぎ込み作曲した難曲たちを、ほとんど初見で見事に弾きこなすとくればその破格の才能が伺い知れます。
ちなみに、ピアノ曲ならまだしも、オーケストラの曲までピアノで初見演奏しちゃったというのですから驚きです!!w|;゚ロ゚|w
ここで恒例の豆知識コーナー!
そんなリストでも、初見でうまく弾けない曲集がありました。
それこそ、我らがショパンが作曲した≪エチュード op.10≫なのです!
さすが、ショパン様です♪ ますます惚れちゃいます!("▽"*)
過去記事にそのエチュードについてまとめてありますので、ご参考までにどうぞ♪
cosmic-classics.hatenablog.com
でも、数週間後には完璧に弾きこなしたらしいですけどね… さすがスーパースター(-_-;
全ての曲をヴィルトゥオジティに仕上げる演奏スタイル
これが結構問題で、いろんな作曲家たちから毛嫌いされる要因でもありました。
前述の通り、リストは存在する曲という曲すべて、いとも簡単に初見演奏できるものですから、いざコンサートになると余計な装飾音を即興で挿入してしまうのです。
もう、それは芸術性や音楽性云々の問題ではなく、ただただサーカスの曲芸のようなパフォーマンス重視の演出に過ぎませんでした。
あのショパンでさえも、リストの演奏技術には感心したものの、その繊細さに欠ける即興演奏にかなり憤慨し否定的だったらしいです。
しかし反対に、リストの門下生は屈指のヴィルトゥオーゾ揃いであるにも拘わらず、たくさんの音を詰め込んで見事な即興演奏を繰り広げる師を心から尊敬していました。
ピアノを破壊するリストは、まるでドラムを壊すYOSHIKI
どれだけ激しい演奏したらピアノって壊れるんでしょうかね?(^^;;
いや、例え現代のピアノよりも作りが頑丈ではなかったとしても、当時はフォルテピアノからモダンピアノへと遷移していく時代です。
音大生の皆さんが、数年かけてピアノをガンガン弾きつぶすことはあっても、ものの数時間で頻繁に弦を切ったりハンマーを破壊することってありますか?
リストは自身のコンサートには複数台のピアノをサブとして用意してたということですから、いかにパワフル(あるいは乱暴?)だったか、ひいては肉食男子だったかが分かりますよね!
当時のご婦人方が、そんなリストにご乱心、また失神される気持ちも分かる様な気がします。
お待たせしました、リストの女性関係
やはり、稀代のスーパースター フランツ・リストは超絶モテ男でした。
今でいうバンギャに朝から晩まで追いかけられる生活。女性には事欠きません。
人並みに失恋することもあったようですが、概ね色恋沙汰は晩年まで付きまといます。結婚~浮気~不倫~離婚~他諸々…と、ショパンでは考えられない女性遍歴。
終いにゃ暴露本まで出版されてしまいます。←なんだか、最近の芸能人みたいですね。(^^;;
それからリストは、ショパンの部屋の合鍵を持っていたのですが、よく逢引を目的にその部屋を内緒で使っていたようです。
そして、よりによって、ショパンがメインとして好んで弾いたピアノ≪プレイエル社≫の社長夫人を連れ込んでコトに及んだのですが、当然ショパンは大激怒。
リストとはそれが原因で不仲になってしまったという、有名なお話があります。
いやぁ~、大胆ですね。これだけにスポットを当てると、実にロクでもない男です。(笑)
とはいえ、やはり天才ピアニストで有能な作曲家です。
ただの色男でプレイボーイというだけなら、ここまで名を馳せるはずがありませんよね。
作曲家として、自身の曲はそこまで数多いワケではありませんが、名アレンジャーとして、他の作曲家たちの名曲の数々をピアノ版に編曲したものも残されています。
本当に有名なものだけを抜粋すると…
私見にすぎませんが、リストの生き様に触れると、『伝説のロックミュージシャン!』というニュアンスがピッタリに思えてきますが、クラシック音楽だって当時の流行歌のようなものです。
時代とともに生きた偉大な音楽家であることは、クラシックだろうがロックだろうが変わらないと思うのですが、いかがでしょうか?
クラシックというジャンルにおいては、スーパースターという呼び名がしっくりくるのは、このフランツ・リスト以外に思い浮かびません。
最後にオススメのリストの入門編CDと本をご紹介させて頂きます。
▲ドイツ生まれのアメリカ人ピアニスト、アンドレ・ワッツは世界でも名高いリスト弾きです。
そういえば、今を時めく中国人ピアニストLANG LANGは、彼が弾く予定だったラヴィニア音楽祭の代役で一躍脚光を浴びたのでした。←1999年の話です。
▲この本にはリストのすべてが書かれてます。非常に面白くて一気に読んじゃいます。
それではまた!(^-^)/~~~