クラシックの森:ショパン大好き

都内在住のグラフィック&WEBデザイナーです。クラシック関連CDや漫画のレビュー等を交えながら、クラシック音楽の魅力を楽しく伝えていけたらいいなと思ってます。

ショパン ノクターン(夜想曲)のススメ

こんにちは、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/

今日一日、連休の余韻が抜けずにいるのはボクだけではないはず!
午前中、近所を5kmほど散歩して頭はさえているのに、なかなかお仕事モードに入っていけずヤレヤレって感じでした。(^-^)/
無理に仕事してもロクな結果になりせんので、結局、まったりとネットサーフィンをしながらショパンでも聴きましょう~みたいな一日を過ごしてしまいました。

こんな風にゆったりとした気持ち(甘えきった怠惰な気持ちともいいますが…)を優しく包み込んでくれるのは、やはりショパンノクターン夜想曲しかありませんね。
で、これ夜想曲っていうくらいですから、夜の音楽なのかな? と思って調べてみたところ、シチュエーションとしてはちょっと違うようです。

ということで、現代風にわかりやすく説明してみましょう。

夜通しどんちゃんバカ騒ぎしてテキーラを煽るように飲みまくったCLUB帰り、白々とした空を見上げながら「あぁ、楽しかったなぁ…」と、祭りのあとの虚しい気持ちを引きずりながら聴く曲です。(笑)

あっ、今「テキトーなこと言ってんじゃねぇよ!」と思いませんでしたか?
いえいえ、ショパンが生きていた時代は貴族たちの社交の場として『サロン』というものが流行していて、そこでは当然アルコールが振る舞われたり、夜通し踊りまくっていたわけですから、状況的には当たらずといえども遠からずです。

だったら、真っ昼間に聴くような曲でもないでしょ? とも言われそうですが、以前書かせて頂いたようにクラシックのいいところは歌詞による情景縛りがないところ。
美しいメロディーに自由に想いを馳せることができるのですから、春夏秋冬、昼夜問わず聴きましょう!

前置きが長くなりましたが、今日はショパンノクターンについて触れていきたいと思います。(^-^)/

 

ショパンノクターンは全部で21曲♪

ショパンの生前にまとめられたノクターン19曲ですが、彼の死後(譜が)発見されたものが2曲ありますので、合計21曲です。

すべての曲を紹介することができませんので、ボクの好きなものをいくつか抜粋しながらノクターンの魅力をお伝えします。

 

ノクターン第1番 変ロ短調 op.9-1

憂いを含んだ美しいメロディーとは、まさにこの曲のことではないでしょうか。
ショパンノクターンの中では、決して突出した技法で書かれたものではないと思いますが、個人的な理由があって棺桶まで持っていきたい特別な曲です。
特に、中間部の右手オクターブで綴られた旋律は官能美すら讃えていて、感極まって涙が出そうになります。(/_;)

これは、先日、最初に聴くべきオススメの一枚として紹介したCDにも収録されていますが、丁度、ボクが昨年末までデザイン事務所として借りていた防音室で撮った動画がありますので貼り付けちゃいます。

撮影時、ピアノ歴3年5ヶ月の超ド素人だということを踏まえて聴いてください。でないと、熱心なショパン信者の方なら確実に怒りが爆発すると思いますので。(^^;;

 

ノクターン第5番 嬰ヘ長調 op.15-2

ショパン独自のキラキラとした装飾音が散りばめられ、まさに夢心地気分にさせてくれる美しい曲です。
また、ゆったりとした提示部に対して中間部は急激なテンポアップとともに、ザワザワとした心に抱える一抹の不安を表現しているようです。
全てではありませんが、この対比はショパンノクターンの構成に共通しているような気がします。フワフワとした優しさ一辺倒では終わらせてくれないのがショパンなのです。

 

ノクターン第7番 嬰ヘ長調 op.27-1

ショパンの数あるノクターンの中で最もメランコリックな曲だと言えます。
非常に鬱々とした出だしが印象的ですが、全編に渡ってもほぼ悲壮感に溢れています。
中間部では、凄惨ともとれる情景が描かれているような旋律に始終支配され、一向に希望の光が見えてきません。
ちなみに、このドン底の中間部はめちゃくちゃカッコ良くて、なんだかもう…ROCKを感じます!(笑)
但し、落ち込んだ気分を、さらに奈落の底まで突き落としてくれる曲なので、あまり不安定な精神状態で聴くことはオススメしません。←わりと真面目な話です。
救いがあるとすれば、最後の最後で落ちた気持ちが数ミリ上がることですかね。(笑)

 

ノクターン第8番 変ニ長調 op.27-2

お待たせいたしました。本日の目玉商品です。(^-^)/
ボクがショパンノクターン…いや、ピアノ曲全166曲の中で、一番愛してやまない曲がこの作品です。
甘く切ない情感がダイレクトに伝わってきます。中間部の細やかでキラキラした音の粒(48連符)は、まさに一気に大空へ駆け昇るイメージ。
それこそいろんなピアニストでこの曲を聴いてきましたが、まだまだ聴き続けていきたいですね。
余談ですが、ボクの葬式のときエンドレスでかけ続けて欲しいので、近いうちに妻にお願いしておこうと思ってます。←これもわりと真面目な話です。(笑)

 

ノクターン第13番 ハ短調 op.48-1

お待たせいたしました。本日二回目の目玉商品です。(^-^)v
ショパン円熟期といわれる1841年(31歳)の作品。実に壮大な構想で書かれています。
冒頭数小節の、厳粛なイメージを抱かせる旋律には、声楽を思わせる『歌』が確かに存在します。それが、中間部では突如として唸る様な怒涛の波に変わって、厳粛な主題のイメージを一転させます。
この激しく華麗な展開には、始めて聴く人も一瞬にして息を飲み必ず魅了されるでしょう。
これはまさに天才が放った渾身の名曲なのです!
ちなみに、ボクはとてもじゃないですが弾けません。また手を付ける気すら起きません。あまりにも畏れ多くて…(^^;;

 

ノクターン第16番 変ホ長調 op.55-2

近年、LANG LANGという中国出身のピアニストが、この曲をアンコールで好んで弾いているので聴く機会が増えて大好きになりました。
終始レガートで奏でられるうっとりとさせられる旋律が、まるで即興曲のように自由に展開していきます。人間の声に限りなく近く、非常に音楽的といえるでしょう。
しかし、この曲を聴いた感じでは想像ができないほど演奏が難しく、なかなかコンサート等で取り上げて弾くピアニストがいません。
個人的に、日本人ピアニストでは横山幸雄さんの演奏が群を抜いていると思ってます。
にしても、彼のGW公演『入魂のショパン 2017』を聴きに行きたかった…(悲)

 

ノクターン第20番 嬰ハ短調 遺作

哀しげな旋律が印象的で、様々な映画の挿入曲にもなるほど世界中で愛され続けるノクターンです。
目に浮かぶ情景は、涔涔(しんしん)と降り続く雪だったり、枯葉舞う公園だったり、誰もいない荒れ果てた大地だったり…まぁ、賑やかな情景ではないことは確かですが、人それぞれ思い描くものが違うんだろうなぁと思います。
果たしてショパンは、何を見て、何を想いながらこの曲を書いたのでしょうか。

 

以上、この数曲の紹介だけでも、ボクの今の文章力と持久力ではこれが精一杯で、全てを伝えられずに申し訳なく思います。
ショパンピアノ曲は膨大な数に上りますので、近いうちに違う曲集の紹介も書いていこうと思いますので、また是非お付き合いくださいね♪

 

アルトゥール・ルービンシュタイン:一押しのピアニスト

最後に、ショパンノクターン全曲(遺作除く19曲)が収録された、ボクの一番のオススメCDを紹介させてください。お仕事をしながらのBGMにも最適の一枚なので、クラシックの入門編として是非どうぞ。(^-^)/

ショパン:夜想曲集(全19曲)

ショパン:夜想曲集(全19曲)

 

ショパンと同じポーランド出身のアルトゥール・ルービンシュタインは、ボクが一番好きなクラシックピアニストです。

もちろん、他にも名だたるピアニストたちがノクターン全集の録音を残しています。
興味がある人は、いろいろ聴き比べてみるのも楽しいと思いますよ♪

 

それではまた!(^-^)/~~~