ショパンの楽譜、どの版を使ってますか??
おはようございます、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/
最近はイクメンとして、妻の子育てバックアップに力を注いでいるのですが、その割には何とかブログの方もネタを欠かさず、連日投稿できております。
少しずつではありますが、文章をまとめるのも早くなってきたような気がします。…って、キチンとまとまっているかは分かりませんけどね…(笑)
もっともっと数をこなして、いつかはライターさん並みの上手な文章がビシバシ書けるよう頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!
さて、今回は、ショパンの楽譜の版について書いていきたいと思います。
楽譜の版の違いについて
まず最初に「楽譜の版? なんじゃそりゃ…」と思ってらっしゃる方もいると思うので、簡単に説明させて頂きますね。
実は、現在のショパンの楽譜は世界中に何種類も存在していて、それらの楽譜を見比べてみると細かな表記が随分と異なっており、全てが同じなんてことはまずあり得ません。
これは出版元が複数あり、その数だけ監修や校訂した人間が違うために生じたものです。
ぶっちゃけ同じ曲でも、A社とB社が出した楽譜を比べると『全く違う音が書かれている箇所がいくつもある』なんてこともしょっちゅうですので、本当に困りものです。(^^;;
▲ある2つの版による、ノクターンop.27-2 33小節目の比較。ご覧の通り完全に音が違ってます。右手(上段)の細かな運指も違いますよね。
何故こんなことになるかというと、そもそもショパンの残した自筆譜が何パターンも存在するからというのが理由の一つ。
一度作った曲を見直して、ちょこちょこと修正したり、構成を変えたり、指遣いや強弱やペダリングの指示を変えたり…なので、決定稿がどれなのか誰にも分からないのです。
小説家が完成した自分の作品を推敲してどんどん手を加えていっているようなものですね。
そういうボクも、このブログに記事を公開した後も、随時加筆したり、言い回しを変えたり、削ったりを繰り返してるくらいですから…って次元が違いすぎますね。失礼しました。(笑)
それから、ショパン自身が間違った記譜をしてしまったパターンもあります。
厳密にいえば、間違っているとは言い切れず、何かしらの意図をもって敢えて記譜されたものかも知れませんので、ここを変更するのかそのままでいくのかは研究者や校訂者次第ですね。
所詮、人間のやってることなんで、間違いなんてあって然るべきでしょう。
他にも理由はいろいろあるのでしょうが、とにかく沢山ある版の中からいずれかの楽譜を選んで練習しないといけないので、ある程度ピアノを嗜む人は版選びに慎重にならざるを得ません。
それに楽譜って結構お高いので「とりあえずどれか買ってみて、しっくりこなかったら他の版も買おう。」…なんてことやってると、散財しちゃいます。(笑)
スコアコレクターや、プロの音楽家なら別ですけどね。
最近のショパン楽譜のトレンド事情
というものがあるかどうかわかりませんが…(笑)
ポーランドで5年に一度開催されるショパン国際ピアノコンクールでは、ヤン・エキエル編のナショナル・エディション(通称:エキエル版)を使用奨励楽譜としているようですね。
このエキエル版の編纂(へんさん)は、ポーランドの国をあげての事業で、ショパン研究家であるヤン・エキエル氏が編集し、ショパン・ナショナル・エディション財団が出版したもの。
長年国家予算をつぎ込んで研究されてきましたので、確実にこれからの主流となる楽譜でしょうね。
ちなみに、このヤン・エキエル氏ですが、2014年に100歳という年齢でお亡くなりになられました。
後世に理想的なショパンの譜を残すため、人生を賭けて尽力した氏の姿勢に最大の敬意を払いたいです。
しかし、エキエル版は非常に高額です。←これ、結構切実ですよ!
安くても税込で3,500円以上、しかしほぼ4,000円とか5,000円を軽く超えてます。
なので、特別安いってわけではないけれど≪パデレフスキ版≫に落ち着くという人、少なからずいると思うんですよね。(笑)
ショパン: ノクターン集/エキエル編(英語版)/ポーランド音楽出版社/ピアノ・ソロ
- 出版社/メーカー: ポーランド音楽出版社
- 発売日: 2010/03/01
- メディア: 楽譜
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▲ノクターン全集ひとつとっても、この価格差(約3倍)…パデレフスキ版買っちゃいますよね。(^^;
定番とか名盤と呼ばれているCDは随分大昔に録音されているものが多いため、全てではないですが、ほとんどがパデレフスキ版で演奏されています。
事実、音大生はみな一様にパデレフスキ版で勉強していた時代がありました。
でも、エキエル版が推奨されている今となっては、ずいぶんと端っこに追いやられそうな楽譜になってしまった…のかな?(゚ー゚?)
最近の音大生はどうなのでしょう? やはりエキエル版を使ってレッスンしているのかなぁ?
だとしたら、身体に染みつくほどパデレフスキ版で勉強してきた教授様たちは、結構教えるのもしんどいだろうなぁ。日々勉強されてるだろうから問題ないか…
なんて、要らぬ心配をしてしまいましたが(笑)ちょっとそこのとこの事情はボクには分かりません。
▲これはボクが持っている楽譜ですが、すべてパデレフスキ版です。なぜならエキエル版はもれなくお高いから。それだけの理由です。(笑)
まだまだこんなに沢山の楽譜の版が…(-_-;
ボクの知ってる限り、ショパンには以下の代表的な版が存在します。
通常、音大生やプロであれば、先生や師から勧められた版を使用しますが、素人はどういう判断基準で版をを選んだらよいのか分からないので、ついつい安い方に手が伸びるのが本音…なので、全音シリーズが売れる。←昔は悪評高かったみたいですが、今は改定も重ねられ、そんなに悪い楽譜ではなくなったようです。
「比較的安価で、メジャーで、いつも聴くCDの音と同じものでいいじゃん!」と思うのであれば、パデレフスキ版が安パイなのかも知れませんね。
なので、もうボクは生涯パデレフスキ版一本でいこうと思いますので、ピアノを弾く同志であるあなたに安心材料としてひとつ進言させて頂きます。
のだめちゃんが使っていた楽譜なので、間違いない!(爆)
▲彼女も、パリのコンセルヴァトワールに留学時はパデレフスキ版でしょ?(笑)
といっても、これ10年近く前のお話ですけどね。
もし、「この他にもこんな版があるよ~。」ってご存知の方がいらっしゃったら是非教えてください!
それではまた!(^-^)/~~~
フォルテピアノの魅力 PART2
おはようございます、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/
前回のPART1では、鍵盤楽器の誕生~現代のピアノの基礎となる構造を持つ≪フォルテピアノ≫に進化るすまでの過程を解説しました。
今回のPART2はその続きとなりますが、≪フォルテピアノ≫の時代で進化を止めて、その魅力を語っていきたいと思います。
▲浜松市楽器博物館所蔵の、1830年製 PLAYEL PIANO。
これは、まさにショパンが生きていた時代に製造されたフォルテピアノです!
普段は展示されているみたいですが、レコーディングやリサイタルで実際に弾かれている今もなお現役バリバリのピアノです。(^-^)
ショパンが愛したPLEYEL(プレイエル)
PLEYEL社は、ハイドンにも師事したことがある、音楽家であり実業家でもあるイニャース・ジョセフ・プレイエルが1807年に設立したピアノ製作会社です。
そして、彼の長男であるカミーユ・プレイエルもまた優れたピアニストで、ポーランドからオーストリアを経てフランス・パリへと移ってきたショパンと非常に親交が深かったと言われています。
その後、ショパンはサル・プレイエルというPLAYEL社所有のホールにてパリデビューすることになるのですが、これがショパンとプレイエルピアノとの運命的な出逢いです。(今もこのホールはパリ8区にあり、様々なイベントが催されています。)
当時はすでに、リストが使用していたエラールという非常に優れたダブル・エスケープメントという機構を持つフォルテピアノがあったのですが、ショパンはあくまでもシングル・エスケープメントに拘りがあったようです。
また、ショパンはエラールの持つ音の派手さがあまり好きではなかったようで、それを示すような以下のような言葉を残しています。
「プレイエルは完全無欠だ。」
くぅ~~っ、かっこいい~~~!v(≧∇≦)v
ん? 待てよ…ってことは、現代のピアノがこの時代から大きく進化したのは、リストとエラール社の貢献が大きかったわけですから、もしショパンが今の時代に蘇って最先端のピアノを弾いてもお気に召さない可能性が高いってことですよね? てか、100%気に入らないでしょうね。(笑)
自身の作品には繊細なタッチを要求するショパンですから、こんな馬鹿でかい音がするピアノなんか弾けるもんか!って感じでしょうか。(^^;;
事実、ショパンは生前はもっぱらサロンでのコンサートばかりで、現代のようなオーケストラを従えて大ホールで演奏したことなどありませんでした。
自身のピアノ協奏曲にしても、ソロまたはオケパートをピアノで演奏することの方が多かったくらいなのです。
さてさて、今回も豆知識のお時間です。(笑)
このサル・プレイエルでのコンサートのお膳立てをしたのは、カミーユ・プレイエルの他に、高名なピアニスト兼指導者であったカルク・ブレンナーが挙げられます。
ショパンがポーランドにいた時代から師事していたエルスナーはカルク・ブレンナーに批判的だったのですが、当のショパン本人は、こうやって何かとサポートしてくれるカルク・ブレンナーは信頼に値する人物だったようです。
そして聴衆の中には、リストやメンデルスゾーンといった超ビッグネームが顔を揃えてました。
彼らは、ショパンのこの華々しいパリ・デビューコンサートに立ち会っていたのです。
当時、飛ぶ鳥を落とす勢いでパリのサロン界を席巻していた青年音楽家たちが、その後同志として意気投合したのはお分かりでしょう。
なんか、もう想像しただけで背筋がゾクゾクしてきますよね!v(≧∇≦)v
ショパン+PLEYELの音色を同時に感じられるDVD
とにもかくにも、ショパンの曲はすべてが繊細で鍵盤に触れるようなタッチが要求される曲ばかりで、例えフォルテシモの指示があったとしても、リストの曲のようにガンガン弾くのは好ましくありません。
ショパン特有の美しい旋律は、時に4、5指でグリッサンドするような指遣いでレガートに囁くように弾かなければならず、そこがプレイエルのフォルテピアノと相性が良かったのでしょう。
現代のフォルテピアノ奏者として数々のピアノコンクールで優勝の経験がある小倉貴久子さんは、ショパンの曲を在りし日のまま再現してくれる希少なピアニストです。
下のDVDには、彼女の素晴らしい演奏が収録されています。
楽器の世界コレクション2 PLEYEL PIANO_プレイエルのピアノ_室内楽で聴くショパンが愛した音の世界 浜松市楽器博物館所蔵楽器“プレイエル”による[DVD]
- 出版社/メーカー: デジタルセンセーション株式会社
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▲PLEYELのフォルテピアノは、現代のピアノのように大ホールでフルオーケストラと共演できる迫力のある音量は出せませんが、このDVDに収められたショパン+PLAYELは、実に甘く切なく味わい深い音色を奏で、音楽の本来の愉しみ方を教えてくれているように感じます。
収録内容の目玉は、なんといっても
≪ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 op.11≫
なのですが、これに収められているのは珍しい室内楽版!
フォルテピアノ、第一ヴァイオリン、第二ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスという非常にシンプルな構成です。
フルオーケストラ+フルコンサートグランドでの演奏は壮大で勿論素晴らしいのですが、室内楽版も、素朴なショパン青年の甘く切ない恋を等身大で物語っているようで、また違った味わいがあります。
なにより、当時のフォルテピアノでの演奏ですので、飾らない素顔のショパンが感じられる気がするんです。
ちなみに、このDVDに出演されている演奏家は全員が『東京藝術大学』出身です。
もう、天才で、カオスで、超絶ド変態な皆様です!(笑)
※その件については、以下の記事をご参照ください。
cosmic-classics.hatenablog.com
ショパンが生きた時代に製作され、ショパンが一生涯弾き続けたPLAYELのフォルテピアノ。
是非、あなたにもこの音色を楽しんでもらい、ショパンを聴く幸せを共有できたら嬉しく思います。
それではまた!(^-^)/~~~
根性論のみでピアノを練習すると困ったことに…
こんばんは、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/
今日は、ひとつ嬉しいことがありました。息子のヘソの緒が取れたのです!(笑)
朝、オムツを替えたときにヘソからポロッとこぼれたのですが、糸のようなもの(血管?)でまだ繋がっていたので、そこで無理に取ることはせず、一旦元に戻しました。
その後、いつものように沐浴したのですが、どうやらその間にお湯でふやけて糸のようなものが切れたらしく、最後はプカプカとお湯に浮いてました。
いやぁ~、もう日に日に成長を見せてくれますのでパパは感動です!o(゚▽゚○)
さて、早速今回も本題に入りましょう!
昨日は、初心者が人前でピアノを弾くとミスタッチが多くなり、終いには演奏が破綻することについて書かせて頂きました。
これ、人によるとは思うのですが、ボクは小心者なので間違いなく破綻します。(^^;;
しかも、それがショパンの曲だと尚更です。
そして、ピアノサークルとかの発表会で『人前で堂々と演奏できる人がすごく羨ましい!』ということと、そういったサークルで場数を踏めば、緊張することもなくなり集中力も鍛えられるのではないか? と書いたところ、ピアノを弾いているTwitterのフォロワーさんからありがたいアドバイスを頂きました。
ピアノサークル行ってると、人前で弾いてミスしてもへこたれない精神力ばかり鍛えられて上手くなりません笑
な、なるほど!(ノ*゚▽゚)ノ
そんな感じに仕上がってしまうのは不本意なので、避けたいところです。(笑)
結論としては、演奏中に余計なことを考えて支障をきたさないように、自力でどうにか集中力を身に付けないとダメだってことですね。
胡散臭いインチキメソッド商材にだけは手を出したくないので、アマゾンでDaiGoのメンタリズム本でも探してみようかな?(笑)
でもやっぱり、人前で弾くことにはどんどんチャレンジした方がよいのですかね?
基礎はないけど鉄筋コンクリートの立派なビルを建てたい!
困ったものですが、ボクはまさにこのタイプです。(笑)
4年前のGWに電子ピアノを買って、初めての選曲が≪幻想即興曲≫なので「自分どんだけピアノ舐めてんだよ?」って、今となっては思いますね。
24時間で30階建の高層マンションを作り、案の定すぐ倒壊するも、またすぐに同じことを繰り返してしまう、学習能力と民度が低い某国のようなもんです。(爆)
前記事ではエチュードop.25-2を恥も外侮もなく公開しましたが、今回はエチュードop.25-1≪エオリアンハープ≫を恥も外侮もなく晒します。
この曲は、度々の小指の跳躍に気を付けないといけないのですが、手首や腕の使い方が一曲通して基本的に同じなので、まぁまぁ弾きやすかったです。
しかし、やっぱ基本練習とか全くやったことないので、指先への重みのかけ方や抜き方、手首やひじを柔らかく回転させる感覚云々、全然わかりませんのでいつまでたっても美しくは弾けません。
そして、やはり最大の問題はミスタッチの連続!
ミスするときって、手が動いた瞬間に「あっ、外れる!」ってわかるんですよね。そしたらほぼ100パーセント外れるという。(笑)
▲ピアノ歴3年と5ヶ月の超初心者が、根性だけで楽譜を追って弾くエオリアンハープ。このときは怪しすぎますが、最近コーダ部をキレイに揃えて弾けるようになりました。もちろん根性で練習して。
指が鍵盤にしっかりと吸い付く感覚というのでしょうか? きっとこんな感じだろうなっていうのは想像できますが、それが正解か不正解かもわかりませんので体感もできません。
1. ピアノ教室に行けばすべて解決できるのでしょうかね?
2. そしたらミスタッチも減っていくのですかね?
3. でも、バイエルとかハノンとかやらされませんかね?
4. あと、ピアノの先生って全員がショパンを楽勝で弾けるレベルなんですかね?
等々、頭でっかちになって3年以上行動に移せないでいます。
あ~~、めちゃモヤモヤする…(笑)
単純に『楽しみながらピアノを弾ければいいや。』と最初は思ってたのですが、楽しむためにはやっぱ上手く弾けないとだし、ショパンで弾きたい曲は超難曲ばっかだし。
それを解決するには基礎練習が大切だってことは分かってはいるのですが、バイエルとかハノンとか、つまんないしめんどくさいのですよ。(^^;; ←めんどくさいのはボクか…
こんな感じで、一生悶々としたピアノライフを送るんだろうなぁ。
幸い、譜は読めるし、暗譜も得意だし、初心者のわりにはたぶん指も動く方だと思うので、根性論でいけるとこまでいってみようかな? と思う今日この頃でした。
それではまた!(^-^)/~~~
人前でピアノ演奏すると…必ずミスタッチと言い訳するよね。
こんばんは、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/
ピアノを弾いている人であれば、このタイトルのこと分かってくれるでしょうか?
ボクのようなピアノ初心者にありがちな話ですが、きっと同じようなことに思い当たる初心者の人が大勢いると思います。
普段の練習では気持ちよく弾けているのに、ピアノのことが全く分かってない友達を前にしてもすご~く緊張して(もしくはいいところを見せようとして)集中力が散漫になり、音を大きくはずして照れ隠しではい終了~♪
でも、その友達が帰ってから同じ曲を弾いたら、最後まで気持ちよく弾けて「お~~い、友達カムバ~~ック!」と呼び戻したくなったり(笑)
人前でなくても、例えば動画を撮る場合もそうですね。
暗譜も完璧で、普段から弾きなれている曲なのに、なぜかビデオ録画してると意識した瞬間…あっ、ミスタッチ!(-_-;
そし間違うたびに最初から録画し直し、それを何回か繰り返していくと、ドツボにハマッてしまい、もう最初の一音から外したり…щ(´□`)щ
もうダメだぁ…今日は録画中止~~(笑)
要するに、気が散ったり演奏に関係がないところに意識が向くっていうのは、これ自分の集中力の問題なんですよね。
やっぱり上手な人って、そこが優れているんだと思います。
ピアノを弾くだけでなく、メンタルも鍛えないと、たかが気の知れた友人数人の前でガタガタになるようでは、サロンやホールでのピアノ発表会なんて恐ろしくて参加できません。
初心者で下手くそとはいえ、ちゃんと最後まで弾けるところを見せたい(分かってもらいたい)のですが、ここはジレンマです。
勘違いで始まり、気付いても変えられない練習法
ボクの場合、2013年のGWに「ピアノ弾けるようになりたいな!」と、半ば思いつきで電子ピアノを買い、恐ろしいことに≪幻想即興曲≫から練習し始めた大馬鹿モノ。
しかし、もともとバンドをやっていてスケールは把握していたし、楽譜もちゃんと読めたので、運指をいろいろ調べて根気よく2週間弾いていたら、冒頭の部分がなんとなく弾けちゃったのです。
でも、ほんとになんとなくです。もちろんむちゃくちゃですよ??(笑)
しかし、調べてみると、この曲は初心者が弾く曲ではないということが判明しました。(笑)
でも、YouTubeで小学校低学年の女の子が見事に弾いてるのを見たことがあったので、小さな子でも弾ける曲なんだと勘違いしてたのです。
これって、ピアノあるある…ですかね?
確かに、右と左の音符の数が割り切れないし、スコアなんてもやしがたくさん生えてるようにしか見えないし、音楽の時間に習った曲と全然次元が違うなぁ…と感じてはいたのですが。(^^;
でも、思い込みってすごいんですね。
仕事もそこそこに(笑)毎日10時間練習して、通しで弾けるようになるまで根性だけで2ヶ月かかりましたが、なんとかやり遂げることができました。
あくまでも素人レベルですけど、中途半端にできたもんだから、根性論で曲をマスターする悪い癖がついて抜け出せなくなっちゃいました。
初心者なので、完成度なんて度外視してしまう件
要は、早くいろいろ弾けるようになりたいので、次はワルツの第7番。
そのあと派手さに惹かれてワルツ第14番 遺作。
そして、ある解説本にエチュードの中では弾きやすいと書いてあったので、op.25-1≪エオリアンハープ≫とop.25-2を。
どれもこれも下手くそですが、下手くそなりにプライドはあって、大きなミスタッチをせずに一曲弾ききることを目標に掲げて練習しました。
▲これが、何回も撮り直して一番弾けたと思うVer.です。初心者とはいえ、ほんとにヒドイ!
恐らく、これらの曲をなんの基礎もできてないド素人が、独自の練習方法でやったことがそもそもの間違いだったんですね。
ドレミファソですら正確に確実に均一に弾けないのに、速くて確実性と表現力まで求められるショパンの曲を、ド素人が常に安定した演奏なんて保てるわけがないんです。
一人で弾くときは気を取られる要素はなにもないのですが、第三者の目に触れるということを意識した瞬間に、集中力がすべて崩壊し、やればやるほど演奏が破綻…あぁぁ~~~(T▽T)
先ほども書きましたが、こんな風では、発表会をメインに活動しているピアノサークルなんていつまで経っても参加できません。みなさん、よく人前であんなに弾けるなぁ…とうらやましく思います。
かといって、ハノンとかやる時間があるなら、ショパンの譜を頭に叩き込みたい派です。←きっとここがダメなんでしょうけどね。(笑)
そこで、ピアノを弾くあなたに質問!
演奏中、なにを考えて弾いてますか?
そして、ミスタッチしたあとは、瞬時にどう気持ちを切り替えてリカバリーしてるのでしょうか?
この思考のメカニズムを確立している人を心から尊敬しますし、是非その極意を教えて欲しいです。
もしくは、四の五の言わずに場数を踏んで、演奏破綻を覚悟して経験を積み重ねれば、自ずとコントロールできるようになるものなんですかね?
やっぱり、ボクも人前でピアノを弾いて、語り合える音楽仲間を増やしたいというのが本音です。
どこか下手くそでも仲間に入れてくれる、心が広いピアノサークルないかなぁ?(笑)
と思いを巡らせてそろそろ寝ることにします。お休みなさい。
それではまた!(^-^)/~~~
ショパン エチュード 作品25
こんにちは、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/
ここ数日間、東京はもう夏のような暑さです!
まだ5月だというのにこの気温…どうなっちゃってるんでしょう?
朝から洗濯、掃除、買い物、息子の沐浴、食事の用意…
家事をこなしていくと、昼過ぎにはシャワーを浴びてビールを流し込みたくなるくらいです。(^^;;;
乳児って体温調整がヘタなので、大人の感覚に合わせていたら、手足がすぐ冷たくなって可哀想なので、窓を開けて扇風機で部屋の空気を回す程度にとどめています。
まぁ、本格的に夏が来る前には梅雨寒の時期もありますので、クーラーはまだ使わないでおきます。
さて、前回はショパン・エチュード作品10の12曲をご紹介しましたので、今回はその続きとして、作品25(以下op.25、読みはオーパス25)の12曲について書いていこうと思います。
エチュード 変イ長調 op.25-1 ≪エオリアン・ハープ≫
両手ともに、手首の回転を基本として分散和音を弾き続けます。
右手の小指が主旋律で、あとはすべて内声となり、それは楽譜を見ればよくわかります。(小指に割り当てられた音のみオタマジャクシが大きいです。)
たいへん美しい曲で技術的にもお手頃なので、エチュードをこれで弾き始めるとモチベーションも上がるでしょう。
ちなみに、この≪エオリアン・ハープ≫という副題はシューマンが名付けました。
誰が付けたかわかりませんが、≪牧童≫という呼び名もあります。
エチュード イ短調 op.25-2
コロコロとした数珠つなぎのような旋律が耳に心地よい曲です。
全エチュードの中でも最も易しい部類に入る曲ですが、インテンポ(Presto)で弾くには、それなりに指が回るようでないと表現もままなりません。
エチュード ヘ長調 op.25-3
右手2指と3指による内声部の速いトリルの練習曲。
特別難しい曲ではありません。あくまでもショパンのエチュードの中ではという注釈つきですが。
エチュード イ短調 op.25-4
スタッカートと、左手の跳躍の練習曲ですが、めまぐるしい転調時でも確実に鍵盤をとらえる練習をみっちり積んでおかないといけません。
ユニークな曲調なので、聴いても弾いても楽しい曲です。
エチュード ホ短調 op.25-5
冒頭は聴き馴れないとなんだか気持ち悪い印象を受けますが、非常に美しい中間部も相まって、ショパンの高い音楽性を感じされてくれる名曲です。
そういえば、最近では『四月は君の嘘』というアニメの中で、主人公がコンクールでこの曲を弾いてましたね。
ちなみに、ピアノの吹き替え担当は阪田知樹さんという、将来を嘱望される天才ピアニストです。
エチュード 嬰ト短調 op.25-6
お待たせしました。難易度でいえばエチュード全24曲中、
文句なく頂点を極める3度のエチュードです。
演奏家が集まると指使いの話が止まらないと言われるほど、複雑な運指を要する難曲中の難曲なのです。
とめどなく溢れ出るかの如く、速い3度音程重音による美しい旋律、細かなニュアンスの表現等々、持てるテクニックをすべて駆使しないと弾けません。
これぞまさしく、エベレストの頂ですね。
エチュード 嬰ハ短調 Op.25-7
ノクターンと思って聴いても違和感のない、素晴らしいポリフォニーを持ったエチュードで、技術的にも非常に弾きやすい曲です。
哀愁を帯びた≪恋の二重唱≫、エレジーとでも言いましょうか。レガートに美しく歌い上げるように弾くことが重要です。
エチュード 変ニ長調 op.25-8
6度重音の練習曲で、めちゃくちゃ難しい曲です。しかも難しいのは右手だけではありません。
左手もバスと3度重音、6度重音と難所の連続で、しかもモルト・レガート。
次のop.25-9もそうですが、聴いてるだけにはすごく明るくてチャーミングな曲調ですけどね。
ピアニストは大変です。(笑)
エチュード 変ト長調 op.25-9 ≪蝶々≫
女子受けしそうな可愛らしい曲です。そして、副題の≪蝶々≫も「まさしく!」って感じがします。
でも、技術的には意外と(…ここは人によりますが)難しいと感じる人もいるかもしれません。
聴いた感じと弾く感じが結構乖離しているので、舐めてかかると痛い目に遭います。(^^;
エチュード ロ短調 op.25-10
まず、冒頭オクターブの連続の凄まじさに圧倒されます。
最近この曲を聴くと、リストを弾くランランの鬼気迫るパフォーマンス姿を想像しちゃいます…(笑)
ですがこの曲は、腕を振り上げて激しく大音量で弾くようでは全然ダメで、レガートさを以て力強さを生み出さないといけません。
そういった、ffの中ですらデリケートな表現が必要なところに、ショパニズムを強く感じます。
エチュード イ短調 op.25-11 ≪木枯らし≫
こちらは、以前の記事にてCDレビューを書いたので、その解説を載せます。
非常に壮大なスケールで書かれた超絶技巧を要する曲で、平均的なピアノ上級者でもおかしな演奏をしたりします。
副題の≪木枯らし≫が示す通り、右手の細かく動く分散和音がまるで枯葉が舞い上がる様子を表現しているようです。
エチュード ハ短調 op.2512 ≪大洋≫
心を揺さぶられるほどドラマティックなエチュードです。
そして、弾けるものなら弾きたい! と思って練習すれば、結構弾けちゃったりする曲です。
≪大洋≫という副題をイメージして聴くと、荒波がうねりを伴い、いまにも船をのみ込みそうな情景が目に浮かぶような曲に聴こえるのが不思議です。
でも≪太陽≫と言えば、燃え盛る表面から放出される非常に高温なコロナを連想しちゃいそうです。
どちらにせよ、副題のほとんどは実際ショパンが付けたものではないので、事前情報や固定概念にとらわれて聴くともったいない気がします。
以上、ショパンのエチュード作品25の全12曲でした。
とにかく、最高の技術と芸術性を兼ね備えた、音楽史上に燦然と輝くショパンのエチュード。
これからもキラ星の如く現れたピアニストたちが名演を残し続けてくれるでしょう。
生きている限り、いろんなタイプのピアニストのエチュードを聴き続けていきたいですね。(^-^)
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▲絶対的にオススメのマウリツィオ・ポリーニのエチュード集。このCDの紹介は外せません。
▲マレイ・ペライアのエチュードは50歳を過ぎて録音されたもの。衰えのない技術に加え、ベテランならではの詩があります。現代のエチュードの決定版といってもいいと思います。
また別の機会に、ショパンの曲集についてまとめた記事を投稿したいと思います。
プレリュード、ワルツ、マズルカ、ソナタ、ポロネーズ…次はどれにしようかな?
それではまた!(^-^)/~~~
ショパン エチュード 作品10
こんばんは、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/
以前、ショパンのエチュードの目的やその演奏の難易度についてお話しさせて頂いてから、少し間が空いてしまいました。ごめんなさい。(。-人-。)
ということで、今回は具体的にエチュードを1曲づつご紹介していきたいと思います。
先にお断りしておきますが、ボクは音大生でもなければ、ピアノを生業としているワケでもないので、その道の人が見たらおかしいところも多々あると思いますので、どうぞ軽く参考程度に読んでいただけたら幸いです。
上記の過去記事でもお話しましたが、ショパンのエチュードは作品10で12曲、作品25で12曲、その他3曲で合計27曲です。しかし、最後の3曲に関しては曲集としての立ち位置がちょっと違いますので、ここでは全24曲ということにさせて下さい。
ちなみに、作品10は以下op.10(読みは、オーパス10)と表記します。
なんかこう書いただけで、ちょっとショパン通な感じがしませんか?(笑)
さて、では先ずop.10の12曲から張り切って行ってみましょう!(^-^)/
エチュード ハ長調 op.10-1
いきなり、エチュード全24曲の中でも最高難易度の部類に入るop.10-1です。(たぶん、24曲中2番目に難しいです。)
とにかく始終開きっぱなしの手、10度を超える分散和音を猛スピードで上ったり下ったりの胸突き八丁。
そして、手首・腕の相当な柔軟さと、最後まで弾ききる強靭さ、指の持久力を全て併せ持った人でないと演奏はまず不可能です。
曲としては、優雅かつ豪華絢爛。壮大なスケールを感じます。
ファイナルファンタジーのクリスタルのテーマっぽいといえば、そう聴こえなくもないです。(笑)
≪滝≫という副題がつく場合もありますが、そんなクソみたいな副題は犬に食わせましょう。
エチュード イ短調 op.10-2
これもかい!って感じで最高難易度の部類に入るop.10-2。(たぶん、3番目に難しいです。)
曲としては、非常に地味で、華やかさがほとんど感じられないのですが、実際に目の前で曲を弾いている手と楽譜をみれば、恐ろしいほど難易度が高いということが理解できます。
腱鞘炎になってしまうのではないかというくらいの速いテンポで、しかも全て中指・薬指・小指だけで(←これ!!!?)、終始半音階アルペジオを淡々と弾き続けなければならないのです。そして、曲が終わるまで休む暇はひとときもないです。
「すぐ側に医者が必要だ。」と揶揄された話は有名で、あの超絶技巧派のピアニスト横山幸雄さんでさえ「できればこの曲は世の中に存在しないで欲しかった。」とまで言ってるのですからね…(^^;;
エチュード ホ長調 op.10-3 ≪別れの曲≫
以前、アシュケナージのCD紹介時にこの曲を解説しましたので、そのまま記しておきますね。
ショパン自身「かつてこれほどまでに美しい旋律を書いたことがない。」と自画自賛したほど美しい曲。
全部で24曲(+3曲)あるエチュードの中で、≪別れの曲≫は、美しい旋律を最大限に引き出す表現力を要する提示部、複雑で高度な技術を要する中間部、どちらもピアニストにとって生半可なレベルでは弾きこなせない難曲です。
参考程度に書かせて頂くと、CDのタイトルにもなっているこの≪別れの曲≫は日本だけの呼び名です。
エチュード 嬰ハ短調 op.10-4
のだめカンタービレでもフューチャーされた、カッコイイ曲。
とにかく演奏効果が高いので、コンクールやコンサート向けかもしれませんね。
素人さんの前で弾いたら「おおおおお!」となる曲です。
確かに少し難しい部類ではありますが、ただ譜をなぞって弾くだけであれば、手がある程度回る人なら結構弾けると思います。
なんでそう言えるのかというと、ピアノ歴3年半のボクが、速度をほんの少し落としたら通しで弾けちゃったからです。あと、人間の指のカタチに合った嬰ハ短調ですし、指への負担はそんなにありません。
op.10-1、10-2は中級者上でも無理です。半端なく指や腕が痛いです。なので初心者なボクは無理して練習しないようにしています。
エチュード ト長調 op.10-5 ≪黒鍵≫
こちらも、以前の解説をそのまま…
全編に渡って右手は黒鍵のみで弾かれています。(一音だけ白鍵を弾きますが。)
ショパンは、「それを知らない人が聴いても退屈で面白くない曲だ。」と言ったそうですが、そんなことはありません。
たくさんのビー玉を床にブチまけた感じの楽しい曲です。(笑)←聴いてみたらきっと納得できますよ。
エチュード 変ホ短調 op.10-6
憂いを含んだ、ノクターンのような曲です。
技巧的には非常に簡単ですが、これは旋律をレガート(なめらか)に弾くための練習曲です。
最後がGの音で終わる(変ホ長調で終わる)ところなんて超絶オシャレですよねぇ。
エチュード ハ長調 op.10-7
2-3指と1-5指が和音を交互に連続演奏しないといけないので、特に3と5指が6度にまたがると結構な負担がかかります。
それを軽やかにレガートに弾ききるためのテクニックを要します。
その分、左手はラクなので、極論右手の練習曲ですね。
エチュード ヘ長調 op.10-8
コンクールでも人気のあるエチュードです。
非常に速いアクロバティックな運指を要しますが、難しさを感じさせない軽快さがあります。
最後の和音のまとめかたにも弾き手のセンスが要求されます。
エチュード ヘ短調 op.10-9
比較的簡単なエチュードで、中級者でも手を付けやすい曲だと思います。
左手の手の開閉の素早さと柔らかい手首の持ち主であれば、右手の主旋律の表情もグッと引き立ちます。
この曲で自信をつけて、他のエチュードへとレベルアップしていくのもよいかと思います。
エチュード 変イ長調 op.10-10
聴いた感じより難しい曲で、最初から終わりまで分散6度の練習曲です。。
そして、op.10-7と同様に軽やかさとレガートさが必要です。
途中、バラード第1番のコーダみたいな部分も出てきますし、この曲ボクは結構好きです。
エチュード 変ホ長調 op.10-11
両手ともにアルペッジョの練習曲。幅広い分散和音は、ハープのような演奏効果があります。
それにしても、目的のみを追って機械的な練習曲を作る作曲家は数多く存在しますが、芸術作品としての鑑賞にも十分耐えうるのは、果たしてショパンのエチュード以外に存在するのでしょうか?
エチュード ハ短調 op.10-12 ≪革命≫
派手に聞こえますが、そこまで技術的に難易度の高い曲ではありませんので、『中級者でも頑張ればそこそこ弾ける難曲』とでも言っておきましょう。
この曲のエピソードは以下の通り。
ショパンが祖国ポーランドを離れたあと、ロシア制圧下にあったポーランドの同志たちが革命を起こしますが失敗に終わります。その知らせを受けたショパンが、ありったけの絶望感と、革命に参加できなかった悔しさをピアノにぶつけた曲とされています。
冒頭の不協和音から、断末魔とも感じ取れるショッキングなコーダ部分まで、終始圧倒されてしまいます。
ちなみに、この≪革命≫という副題はショパンと同世代に生きた有名な作曲家、フランツ・リストが付けた名前らしいです。
以上、ショパンのエチュード作品10の全12曲でした。
次回は、作品25の全12曲について書かせてもらいますので、また是非お付き合いください。
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もちろん、他にも名盤と言われる音源は新旧問わずたくさん存在しますので、いろいろと調べて、是非聴き比べをしてみてください。
ピアニストごとの音色や表現力の違いを比べるのは凄く楽しいですよ♪
それではまた!(^-^)/~~~
ショパン国際ピアノコンクール PART5
こんばんは、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/
過去4回に渡って書いてきました≪ショパン国際ピアノコンクール≫ですが、ひとまず今回で区切りをつけようと思います。
なんだか、単なるあらましというか、流れだけを追ったものに個人的な感想を加えただけのつまらない記事になってしまった感が否めません。(-_-;
本当に未熟な文章力・構成力ですみません。
とりあえず、今回はそのショパコン最後となる本選(決勝)について、ひと通りお話したいと思いますので、どうぞ最後までお付き合いください。
ですが、その前に…
ショパンの命日(10月17日)
第三次予選が終わり本選が始まる前日に、必ずショパン命日のミサが執り行われます。
場所は、ショパンの心像が安置されている聖十字架教会。ここで流れる音楽は、モーツァルト作曲のレクイエムです。
このときばかりは、コンクールのことを一旦忘れて、コンテスタントや審査員、そしてワルシャワ中の人々がミサに参加し、ショパンに想いを馳せるというのが習わしとなっています。
ここまで勝ち残ってきたコンテスタントたちは、明日の決勝を前に、心の中でショパンとどんな会話を交わすのでしょうか?
そういうインタビューとか、コンクール終了後でもいいので聞いてみたいですね。
ショパン国際ピアノコンクール 本選(3日間)
・ピアノ協奏曲第1番、もしくはピアノ協奏曲第2番のいずれか1曲
本選(グランドファイナル)に残ったのはたったの10名。
とはいえ、全員が40分超えのピアノ協奏曲を弾くわけですから、コンテスタントたちは3日間に分けられ演奏をします。
そして、ここでは殆どのコンテスタントが第1番の方を好んで選びます。
理由としては、第1番は非常に優雅かつ最高の技術を必要とする超難曲で、かなりの盛り上がりを見せる曲だからでしょう。
ショパンが『ピアノの詩人』と評されるエッセンスが、あちこちに散りばめられています。
対して第2番は、年代的には第1番よりも早く書かれたショパン初の大曲(19歳で作曲)で、一般的にオーケストレーションに乏しいということと、楽曲構成面での薄弱さも指摘されています。
また、実際に第2番を弾いて優勝した人が、過去にたったの二人というのも多少影響してるのかもしれません。
ちなみに日本人では、1990年の第12回大会で、最年少の横山幸雄さんが第2番を見事に弾きこなし、第3位入賞を果たしています。
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▲こちらは横山幸雄さんのピアノ協奏曲第一番ですが、若干19歳とは思えないほど完成された技巧と、若く瑞々しい表現力に満ち溢れた名演です。
さて、三週間にもわたって開催されたコンクールもいよいよ終わりを迎えます。
審査が難航しなければ、すぐにすべての入賞者の発表となるのですが、なかなかそうはいきません。
理由のひとつとしては、何十年も開催されていく間に、審査ルールが事細かに変わっていっており、さらにその場で新ルールが追加されたりするからです。
そして、何人ものコンテスタントが僅差の場合、審査のやり直しをすることもしばしば。そりゃ簡単には終わりませんよね…(^^;;
結局、全ての審査が終わり結果発表があるのは、予定時刻を大きく過ぎてしまうことが多いみたいですね。審査員の方々は本当にご苦労様です。
こうして、5年に1度のショパン国際ピアノコンクールの覇者、入賞者(6位まで)、そして佳作(その他のファイナリスト)が決まり、ようやく幕を閉じるのです。
それ以外にも、特に優秀な演奏をしたコンテスタントには、ポロネーズ賞・マズルカ賞・ソナタ賞・コンチェルト賞の各賞が与えられます。
もちろん、レベルが低い大会であれば誰も受賞できなかったり、逆にたった一人の超優秀なコンテスタントが全部総ナメする可能性もありますが。
ガラ・コンサート
ガラコンサートとは、記念の演奏会のこと。
ここでは、入賞者6名が、聴衆のために順番に演奏をお披露目します。
やっぱり結果を残しただけあって、実にすがすがしい表情で、ノビノビと演奏している様子が手に取る様にわかりますね。
輝く未来を期待される優秀な若者たちの演奏が終わると、ワルシャワの街はお祭りムード一色。
成長が見込まれるピアニストに目をつけていたメジャーレーベルは契約書にサインを、街のミーハーおばちゃん達は色紙にサインを(笑)の争奪戦です。
しかし大会を終えたばかりの彼らは、ピアニストとしてたった今スタートを切ったばかり。
今後、どれだけ研鑽を積むかによって、超一流ピアニストへの階段を上っていくのか、今をピークに真っ逆さまに落ちていくのかが決まってきます。
スターが生まれればショパコンの権威も保てますし、そうでなければショパコンの地位もどんどん落ちていくばかりでしょう。
『ショパコン入賞者』という肩書きを持つ人間には、大きな大きな責任があるのです。
以上、ショパン国際ピアノコンクールについて、ひとつの側面について書かせていただきました。
しかし、前にも書いたように、こんなものでは語り尽くせないエピソードがまだまだ沢山ありますので、いずれまた紹介させて頂きますね!
それではまた!(^-^)/~~~