クラシックの森:ショパン大好き

都内在住のグラフィック&WEBデザイナーです。クラシック関連CDや漫画のレビュー等を交えながら、クラシック音楽の魅力を楽しく伝えていけたらいいなと思ってます。

横山幸雄さん:日本が世界に誇るピアニスト!

こんにちは、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/

昨日、とうとう息子が脱・新生児の日を迎えてしまいました。
なんだか嬉しいような、さみしいような…新米ママとパパは複雑な心境です。
こういう時期は親御さんであれば誰もが通る道ですが、ボクが知る限りではみなさん口をそろえてこうおっしゃいます。

「このまま成長が止まって欲しい…」

その気持ち、分からないでもありません。だって、本当に可愛いもん。

しかしですね、新生児には魔の3週間というものがあって、その時期を過ぎる頃には、もう昼夜問わず1時間おきにオムツ、ミルク、オムツ、ミルク…その他なんらかの不快さをアピッてギャン泣き。(-_-;;
そんな状況がこれからも続くのですから、体力の消耗も精神的なダメージも相当なものでしょうね…覚悟しておきます。(笑)

とかいいながら、新生児特有の可愛さですべてが帳消しになるのです。
そんなもんさ、親バカだもの。 v(≧∇≦v)

そして、今日は朝から息子と一緒に、ショパン舟歌≪子守唄≫を聴きました。
ゆったりとした曲なのに、まるでX Japanを聴くかのごとく、息子は手足をバタバタさせてアーアー言ってました。てか、絶対聴いてないなこれ…
嗚呼、なんて優雅な休日の朝なんでしょう。(笑)

さて、今回は、ボクが日本人ピアニストの中で一番大好きな、横山幸雄さんについて語らせて頂こうと思います。

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西欧の壁を超えた、日本が誇る天才ピアニスト!

日本人だからって、決して贔屓目ではないことを先にはっきりと申し上げておきます。
横山幸雄さんは、世界的に見ても文句なくトップレベルの才能を持った、優れたヴィルトゥオーゾといえるでしょう。

1971年2月19日生まれの現在46歳ですから、すでに10代で身に付けていた完璧すぎる技巧に加え、これからどんどん演奏に深みが増していくことと思います。

しかしまぁ、彼のことを改めて調べてみると、なんと素晴らしい経歴の持ち主だこと!
真の音楽エリートとは、まさにこういう人のことなんだなと思い知らされます。

1984 - 全日本学生音楽コンクール・ピアノ部門中学校の部で第1位。
1987年 - 東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校在学中にパリ国立高等音楽院にフランス政府給費留学生として留学。ジャック・ルヴィエ、ヴラド・ペルルミュテール、パスカル・ドヴァイヨンに師事。
1989年 - 第41回ブゾーニ国際ピアノコンクール第5位。
1989年 - ロン=ティボー国際コンクールピアノ部門第3位。
1990年 - パリ国立高等音楽院卒業
1990年 - 第12回ショパン国際ピアノコンクールにて第3位およびソナタ賞を受賞。
1993年 - 横浜文化賞奨励賞受賞
1999年 - 文化庁芸術選奨新人賞(音楽部門)受賞
2000年 - ライブCD「ベートーヴェン12会/1998~1999」が第55回文化庁芸術祭レコード部門優秀賞を受賞。モービル音楽賞(奨励賞)受賞。
2003年 - 上野学園大学教授 (~2017年3月13日)、エリザベト音楽大学客員教授に就任。
2010年5月4日 - ショパンの全166曲を16時間弱かけて弾き通し、ギネス・ワールド・レコーズの「24時間でもっとも多い曲数を1人で弾いたアーティスト」に認定される。
2011年5月3日~5月4日 - 未発表曲を含め、確認されているショパンの全ての独奏曲212曲を約18時間かけて暗譜で弾き通し、自身が持つ「24時間でもっとも多い曲数を1人で弾いたアーティスト」のギネス記録を更新。

引用元:横山幸雄 - Wikipedia

 

横山幸雄さんの集中力という才能

一般論になりますが、ボクが「すごい才能の持ち主だなぁ!」と思える人ほぼ全員に共通するのが、ここぞという場面で『並外れた集中力』を発揮できる人だということです。
例えば、野球でいえば松井秀喜さんだったり、フィギュアスケートで言えば羽生結弦さんだったり。

もちろん人間ですから、躓いたり失敗することもあります。
しかし、必ずといっていいほど最後は帳尻を合わせて最高の結果を残すのです。
だから、彼らはスーパースターで在り続けることができるのですね。

横山さんの話に戻しましょう。
お母さんがピアノの先生という環境に育ち、幼少期よりピアノを始めたというのはありがちな話ですが、彼が他の子と違ったのが『ひとつのことをやり出したら、もの凄い集中力を発揮する』というところだったらしいです。

そして、小学校低学年のときに「ボクはピアニストになるから、野球もやらない!水泳もやらない!」と親に宣言をしたのだそう。
これは、横山さんが19歳で1990年の第12回≪ショパン国際ピアノコンクール≫第3位入賞という快挙を成し遂げた時のドキュメンタリー番組内で、お母さんがインタビューに応じてらっしゃったときの言葉です。

彼のお母さんがこれまた優しそうな方で、その横で黙ってニコニコと座ってらっしゃるお父さんの大らかそうな表情を見ると「あぁ、やっぱり子供の才能を伸ばすには、ちゃんと主張を尊重し、受け入れて全力でバックアップしてあげる環境を作ることが大事なんだなぁ…」と感じた覚えがあります。
てか、ボクは横山さんとほぼ同世代で、結婚だの子育てだの当時は未知のものだったんですけどね。

 

19歳とは思えない、毅然としたメディア対応

早いうちから名門であるパリ国立高等音楽院に留学し、世界でも名だたる指導者たちの教えを受けてピアニストとしての研鑽を積んでいたとはいえ、なにしろまだ学生でしたからね。
当時のその強気なメディア対応に、各方面からは「生意気だ」だの「自信過剰だ」だの、結構なこと陰で言われてたのですが、これはなんとも陰湿で醜い仕打ちですよ。

先に挙げたドキュメンタリー番組内でも、彼が19歳だからといってタメ口で、しかも軽口をたたく、とても感じの悪いディレクターがいました。
正直「横山くんは、アンタの何万倍もの努力をして、日本を代表するピアニストとして上位入賞の使命を背負ってんだよ。民放のディレクターごときが舐めた態度とるな!」とムカッ腹立ちましたね。
大体、アホなメディアや評論家たちは、出る杭を打つことでメシを食ってるハイエナのような連中。奴らにはさっさと引退してもらい、猛烈に反省して人間らしい真っ当な生き方をして欲しいものです。

まぁしかし、心配するには及ばず、やっぱり本物(横山さん)は強かったですね。
その自信過剰とも言われた強気な姿勢・態度は根拠十分だったし、最後にはキッチリ結果を出しているのだから誰もなにも言えないでしょう?(笑)
これこそが、先ほども書いたスーパースターの証しですね。

 

世界トップレベルの揺るぎない演奏技術

初めて横山さんの≪ショパン エチュード集≫のCDを聴いたときは、そりゃもうブッたまげました。
ボクにとって、あのマウリツィオ・ポリーニのそれを聴いたときと同等の衝撃だったんです。
正確無比で揺るぎのないテクニック、若いピアニストだからこそ自然に溢れだす瑞々しい感情表現。

一遍の曇りもない圧倒的名演です!

そして「これを超える演奏を聴かせてくれるピアニストが、今後いつ出てくるのだろう?」という、不安と期待を同時に感じさせてくれました。(^^;;
でも、ボクが生きてる間は超えなくていいですよ。心臓に悪いから。(笑)

別れの曲 ?ショパン : エチュード全集
 

クズ評論家たちが、どこかに穴がないものかと必死で聴きかえす滑稽な姿が目に浮かびます。まぁ、ハゲない程度に頑張って粗探ししてください。(笑)

 

ショパン ピアノ曲全166曲を16時間かけて連続演奏

2010年5月4日、ギネスに正式認定された驚くべき出来事です。
これにより、満を持して、彼の超人的ともいえる集中力が全世界へ証明されたことになります。
もちろんすべて暗譜(楽譜を見ずに演奏)です。一体どんな脳ミソしてるのでしょうか…
※ちなみに2年目は212曲を18時間かけて弾きギネス更新。もう、この人は…o(@.@)o

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116曲演奏の模様は『クラシカ・ジャパン』でも放映されたので、しっかり録画しました♪
もちろん、Jacketも自作です。もうこれ生涯の宝物です。ヽ(^◇^*)/

また彼は、ショパンの生誕200年の年から、毎年のように≪入魂のショパンというコンサートを開催していますが、毎回テーマを絞って選曲されていて、まるでショパンと一緒に音楽の旅に出掛けているような感覚になります。

その他、ベートーベンラベル全曲演奏など、天才・横山幸雄でしか成しえないイベントを精力的にこなしています。
さてさて、お次は一体、何を仕掛けてきてくれるのでしょうか?
もう、彼と同時代に生きて、その演奏に触れられる喜びを感じずにはいられませんね。

 

おまけ:上野学園問題について

音楽関係者や業界に詳しい方であれば、このニュースは記憶に新しいかと思います。
横山さんが教授として所属していた上野学園の経営陣による体たらくな経営状態は全くもって解決しておらず、未だにクラシック界に黒い影を落とし続けています。

しかし、彼らによる横山氏への処遇はいくらなんでも酷いんじゃないですか?
私利私欲に走った、厚顔無恥な経営者一族(石橋家)による茶番劇は、カスラック悪名高いJASRACとともに、日本音楽業界の二大汚点として世間に醜態を晒すことになってしまいました。

この件に関しては、これ以上ここでとやかく熱くなっても仕方がないので、なんのことやら分からないという方は以下の記事をご覧ください。

外部リンク:上野学園を告発して解雇…ピアニスト横山幸雄氏が全激白|社会|ニュース|日刊ゲンダイDIGITAL

日本は音楽大学がかなり多く、その中にあって上野学園は特別飛び抜けた教育機関ではないものの、将来に夢と希望を抱いた若き音楽家たちが多数在籍していますので、彼ら学生のことはなんとしても守らなければなりません。
一刻も早く石橋一族が経営から身を引き、上野学園の経営が正常化することを祈ってます。

それではまた!(^-^)/~~~

フランツ・リスト:ロマン派時代のロックな男

丹精なマスク美しい碧い瞳、そして颯爽とステージに現れる凛々しいお姿は、まさに栄華を極めたロックスターさながら。
加えて180cmを超える高身長で、超人的なピアノのテクニックの持ち主とあっては、どんなにお願いしても世の女性たちが放っておいてはくれませんね。
そんな、ルックスも才能も全てを兼ね備えた夢のような男が、かの高名なピアニストであり歴史的な作曲家でもあるフランツ・リストです。

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そりゃあんたモテるさ… 例えピアノ弾けなくても、金がなくてもモテるさ…

こんにちは、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/
朝っぱらから、リストのハードエッジでイケイケな人生のことを考えていたら、なんだかノリノリになって記事を書きたくなりました。(笑)

ショパンと同じ時代に生き、交流が深かったリストですが、性格も女性関係も演奏スタイルもすべてがショパンとは真逆。
派手でスキャンダラスで、何人もの女性に人生を翻弄されながらも、子孫と有能な弟子たちを残し、ショパンの2倍生きた非常に精力的で男性的なリスト。
甘いルックスとは裏腹に、緻密ではあるものの繊細とは程遠いダイナミックな演奏とパフォーマンスを身上とした≪ピアノの魔術師≫

今回は、仕事ぶりもプライベートも肉食男子以外の何物でもない、フランツ・リストのパワフルな生き様に迫ってみたいと思います。
もう、彼を見習って、草食系とか言いながらナヨナヨと生きる自分にサヨナラしましょう!…って、ここそういうブログ?<(゚ロ゚;)>(笑)

 

全てが規格外! 歴代屈指のヴィルトゥオーゾ

リストを一言で表すとしたら、これ以外に適切な言葉が浮かんできません。
まず、手の大きさはかなりのもので、13度の音が掴めたといいます。
(13度も届くのはリストとラフマニノフくらいです。)
しかもその大きな手が、常人では考えられないスピードで鍵盤の上を這い廻るとか…想像しただけでもかなり異様な光景ですよね。(^^;;

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ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ…いやいや、おかしいから!(笑)

リストのその変態的なテクニックは、それを目の当たりにした有名な作曲家たち(例えば、我らがショパンをはじめ、メンデルスゾーングリーグワーグナーといった錚々たる面々)が知人宛の手紙などに書き記し、かなりの数の証言として残っています。

しかも、彼らが長い年月をかけて、その持てる力を全て注ぎ込み作曲した難曲たちを、ほとんど初見で見事に弾きこなすとくればその破格の才能が伺い知れます。
ちなみに、ピアノ曲ならまだしも、オーケストラの曲までピアノで初見演奏しちゃったというのですから驚きです!!w|;゚ロ゚|w

ここで恒例の豆知識コーナー!
そんなリストでも、初見でうまく弾けない曲集がありました。
それこそ、我らがショパンが作曲したエチュード op.10≫なのです!
さすが、ショパン様です♪ ますます惚れちゃいます!("▽"*)
過去記事にそのエチュードについてまとめてありますので、ご参考までにどうぞ♪

 

cosmic-classics.hatenablog.com

でも、数週間後には完璧に弾きこなしたらしいですけどね… さすがスーパースター(-_-;

 

全ての曲をヴィルトゥオジティに仕上げる演奏スタイル

これが結構問題で、いろんな作曲家たちから毛嫌いされる要因でもありました。
前述の通り、リストは存在する曲という曲すべて、いとも簡単に初見演奏できるものですから、いざコンサートになると余計な装飾音を即興で挿入してしまうのです。
もう、それは芸術性や音楽性云々の問題ではなく、ただただサーカスの曲芸のようなパフォーマンス重視の演出に過ぎませんでした。

あのショパンでさえも、リストの演奏技術には感心したものの、その繊細さに欠ける即興演奏にかなり憤慨し否定的だったらしいです。
しかし反対に、リストの門下生は屈指のヴィルトゥオーゾ揃いであるにも拘わらず、たくさんの音を詰め込んで見事な即興演奏を繰り広げる師を心から尊敬していました。

 

ピアノを破壊するリストは、まるでドラムを壊すYOSHIKI

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どれだけ激しい演奏したらピアノって壊れるんでしょうかね?(^^;;
いや、例え現代のピアノよりも作りが頑丈ではなかったとしても、当時はフォルテピアノからモダンピアノへと遷移していく時代です。
音大生の皆さんが、数年かけてピアノをガンガン弾きつぶすことはあっても、ものの数時間で頻繁に弦を切ったりハンマーを破壊することってありますか?

リストは自身のコンサートには複数台のピアノをサブとして用意してたということですから、いかにパワフル(あるいは乱暴?)だったか、ひいては肉食男子だったかが分かりますよね!
当時のご婦人方が、そんなリストにご乱心、また失神される気持ちも分かる様な気がします。

 

お待たせしました、リストの女性関係

やはり、稀代のスーパースター フランツ・リストは超絶モテ男でした。
今でいうバンギャに朝から晩まで追いかけられる生活。女性には事欠きません。
人並みに失恋することもあったようですが、概ね色恋沙汰は晩年まで付きまといます。結婚~浮気~不倫~離婚~他諸々…と、ショパンでは考えられない女性遍歴。
終いにゃ暴露本まで出版されてしまいます。←なんだか、最近の芸能人みたいですね。(^^;;

それからリストは、ショパンの部屋の合鍵を持っていたのですが、よく逢引を目的にその部屋を内緒で使っていたようです。
そして、よりによって、ショパンがメインとして好んで弾いたピアノプレイエル社≫の社長夫人を連れ込んでコトに及んだのですが、当然ショパンは大激怒。
リストとはそれが原因で不仲になってしまったという、有名なお話があります。
いやぁ~、大胆ですね。これだけにスポットを当てると、実にロクでもない男です。(笑)

 

とはいえ、やはり天才ピアニストで有能な作曲家です。

ただの色男でプレイボーイというだけなら、ここまで名を馳せるはずがありませんよね。
作曲家として、自身の曲はそこまで数多いワケではありませんが、名アレンジャーとして、他の作曲家たちの名曲の数々をピアノ版に編曲したものも残されています。

本当に有名なものだけを抜粋すると…

愛の夢(3つの曲から構成されますが、第3番が有名です。)
ため息
ハンガリー狂詩曲
巡礼の年
パガニーニによる大練習曲(この第3曲が≪ラ・カンパネラ≫です。)


私見にすぎませんが、リストの生き様に触れると、『伝説のロックミュージシャン!』というニュアンスがピッタリに思えてきますが、クラシック音楽だって当時の流行歌のようなものです。
時代とともに生きた偉大な音楽家であることは、クラシックだろうがロックだろうが変わらないと思うのですが、いかがでしょうか?
クラシックというジャンルにおいては、スーパースターという呼び名がしっくりくるのは、このフランツ・リスト以外に思い浮かびません

最後にオススメのリストの入門編CDと本をご紹介させて頂きます。

リスト:ピアノ名曲集

リスト:ピアノ名曲集

 

ドイツ生まれのアメリカ人ピアニスト、アンドレ・ワッツは世界でも名高いリスト弾きです。
そういえば、今を時めく中国人ピアニストLANG LANGは、彼が弾く予定だったラヴィニア音楽祭の代役で一躍脚光を浴びたのでした。←1999年の話です。

 

フランツ・リストはなぜ女たちを失神させたのか (新潮新書)

フランツ・リストはなぜ女たちを失神させたのか (新潮新書)

 

この本にはリストのすべてが書かれてます。非常に面白くて一気に読んじゃいます。


それではまた!(^-^)/~~~

ショパン バラード 全4曲

おはようございます、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/

早いもので、息子が産まれて今日で丸4週間が経過しました。
初めての子育てですので、夫婦二人して悪戦苦闘しながら怒涛の毎日を送っています。
やはり大変なことが多いですが、それでも息子の天使のような寝顔や、反射と分かっていても笑顔を見せられるとそりゃ~頑張れます。
自分たちでも「これが親バカパワーなのか!」って驚くくらい底力が湧いてくるのです。

そして、この時期から『刷り込み』を意識して、息子のお布団の近くにCDプレーヤーを置いて、昼間はクラシック音楽をずっと流しっぱなしにしています。
妻が大好きな、ラフマニノフ ピアノ協奏曲 第2番(by辻井伸行、ボクが大好きなョパン ノクターン全集&バラード全集(byアルトゥール・ルービンシュタインがメインです。

赤ちゃんの頃の辻井伸行さんが、スタニスラフ・ブーニンの弾く英雄ポロネーズを聴いて手足をバタバタさせたように、息子も…と観察してはいるのですが、普通に暴れ出すことはあっても要求はおむつ替えやミルクだけで、いまのところ音楽には全く反応していない模様です。(笑)

妻は「もうちょっと大きくなったらKAWAIのおもちゃピアノを買う!」と張り切ってますけどね。(爆)

 

『刷り込み』の意味を調べてみました。

刷り込み(すりこみ、imprinting)とは、動物の生活史のある時期に、特定の物事がごく短時間で覚え込まれ、それが長時間持続する学習現象の一種。
刻印づけ、あるいは英語読みそのままインプリンティングとも呼ばれる。

引用元:刷り込み - Wikipedia


この『生活史のある時期』というは、幼少期くらいまでのことでしょうか?
それとも、ある程度大きくなっても同じことを繰り返すことで記憶される現象も、刷り込みと言うのでしょうか?

例えば、あなたが学生時代(中学や高校など人格形成時期を過ぎた時代)に、ある演奏家のCDを聴きこんで、今でも記憶している曲があるとします。
その後大人になって、同じ曲を耳にしたけれど、別の演奏家のCDだったのでなんかしっくりこず違和感を覚えた。そんな経験はありませんか?

ボクこの経験、結構あるんです。
例えば、ショパンバラード第1番がそうですね。
近年、フィギュアスケート羽生結弦くんが圧巻の演技で世界一になったときに使用された、押しも押されぬショパンの名曲です。
それから、四月は君の嘘という漫画でも、感動的な最終話を飾る挿入曲として使われています。

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ボクがこの曲を初めて聴いたのは中学生の頃で、ウラディーミル・アシュケナージというロシア人ピアニストのバラード&スケルツォ集のレコードでした。
ちなみに彼は、現在もピアニスト兼コンダクター(指揮者)として世界の第一線で活躍しています。

 

ショパン:バラード&スケルツォ

ショパン:バラード&スケルツォ

 

いまやレコードは売られておりませんので(笑)CDをご紹介しておきます。
彼のバラードはどこまでも透明感があり、癖のない清潔な演奏が特徴です。都会で汚れきった心を綺麗に浄化してくれます。

とにかく、このレコードは初めて針を落とした瞬間からボクの愛聴盤となり、聴かない日がないくらい毎日レコードプレーヤー内でクルクルと回り続け、最後には溝が擦り減ってまともに聴くことが出来なくなったくらいです。(笑)

大学生になって、クラシック熱が上がっていろいろ聴きまくるようになったのですが、ほとんどの曲はどんなピアニストでも、気分によって聴き分けることができたのに、どうしてもバラードとスケルツォに関しては、なかなかアシュケナージ以外の演奏に馴染むことができませんでした
ツィメルマンポリーニルービンシュタインですら何か違和感を覚えたくらいです。

その後、しばらくはアシュケナージに甘えつつ徐々に他のピアニストを耳に馴染ませていき、今ではその刷り込み効果も薄れて無事に(?)脱アシュケナージができました。
今では、ルービンシュタインバラードが一番好きになってます。
結局、抜け出すまで5年くらいかかってますから、恐るべし刷り込み効果!です。

さて折角なので、ここで…

 

ショパンバラード(全4曲)について簡単にご紹介

ただし、演奏するにあたっての技術的なことには一切触れません。
なぜなら、ボクはバラードを一曲たりとも弾ききれる技術を持ち合わせていないからです。
ここでは、あくまでも曲を聴いた感想にとどめたいと思います。

まず、バラードというのを簡単に説明すると、譚詩(たんし)とも呼ばれ、物語的な音楽を指します。
ショパンは友人である詩人ミツキェヴィッチの詩をヒントに、壮大かつドラマティックな構想で書かれたバラードを4曲も残してくれました。

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バラード第1番 ト短調 op.23

バラード全4曲の中で、一番有名な曲ではないでしょうか。
羽生結弦くんの演技で使用されたあの壮大で華麗な曲を、あなたも一度は耳にしたことがあるかと思います。
まさしく、氷上の王子≪世界の羽生結弦に相応しい曲といえるでしょう。

序盤、ゆったりとしたアルペジオが鳴り響いた後、憂いと静けさの中にも氷の結晶がキラキラと舞い続けているような美しい旋律が印象的です。
その後、奥ゆかしく控えめな進行が続くかと思いきや、いきなり感情が高ぶったり、またも物憂いに沈んだり、感情の赴くまま物語が展開していきます。
そして、最後の劇的に昂揚した激しいコーダ部に突入すると、一気に涙が溢れ出しそうになります。

この曲を聴き終えたとき、あなたはきっと魂と骨を抜かれた種馬(笑)のようになっていることでしょう。

 

バラード第2番 ヘ長調 op.38

ロベルト・シューマンは、先の第1番について「君の曲のなかで最も美しい!」ショパン宛ての手紙の中でラブコールしたくらいお気に入りだったようで、この第2番を献呈されて大変不服だったそうです。
シューマン…大人のくせに、ワガママ極まりないですね。(笑)

確かにこの曲は、構成的にもバラード4曲中一番シンプルで演奏時間も短いです。
しかし、鬱々とした夢想的な旋律と、激しく荒れ狂う感情的な心が交互に入り乱れ、『待ってました!』的に配置された最後の大爆発~収束という王道の構成は、ボクのようなベタなショパンマニアにはたまらない曲調ではありますけどね。

 

バラード第3番 変イ長調 op.47

冒頭の恋人同士の囁きは有名な下りです。
甘く幸せな二人の会話が対位法で書かれていて、あたかも間近で聞いている感じがして少々恥ずかしくなりますね。(/ω\)
激しく燃え盛るような感情の高ぶりはその後も姿を見せませんが、円熟期に入ったショパンの創作意欲が作曲技法のあちこちに見え隠れする素晴らしい曲です。
意外とこの気品あふれる曲を上手に弾きこなすピアニストは、なかなか存在しないんですよ。

 

バラード第4番 ヘ短調 op.52

これぞ、バラードの真骨頂です!
ピアニストにとっては、技術的にも構造的にも、非常に高度なテクニックと表現力が要求される難曲中の難曲です。
バラード中と限定せずとも、ショパンのすべてのピアノ曲中、最も傑出した曲といってもいいほど。

全編に渡って悲劇的な感情が支配しているのですが、師であるジヴヌィとワルシャワ時代の親友マトゥシンスキの死が、多少なりとも影響を及ぼしているかもしれません。
最後のコーダでは、全てを一気に終わらせるかのように急速下降したアルペジオとその後に続く力強い4つ和音が、半ば狂気的に曲を締めくくります。

 

ショパン:バラード&スケルツォ全集

ショパン:バラード&スケルツォ全集

 
ショパン:4つのバラード、幻想曲、舟歌

ショパン:4つのバラード、幻想曲、舟歌

 
ショパン:バラード

ショパン:バラード

 

この3人のピアニストが紡ぎだすバラード(物語)は特に傑出しています。お子様へのクラシック音楽の刷り込みにはこれらのCDを是非♪

あなたの大切な人へ、大切な家族へ、美しいショパンバラードをドンドン刷り込んでくださいね。

人類73億人ショパニスト計画!(^ー゚)ノ

それではまた!(^-^)/~~~

ショパンの楽譜、どの版を使ってますか??

おはようございます、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/

最近はイクメンとして、妻の子育てバックアップに力を注いでいるのですが、その割には何とかブログの方もネタを欠かさず、連日投稿できております。
少しずつではありますが、文章をまとめるのも早くなってきたような気がします。…って、キチンとまとまっているかは分かりませんけどね…(笑)
もっともっと数をこなして、いつかはライターさん並みの上手な文章がビシバシ書けるよう頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!

さて、今回は、ショパンの楽譜の版について書いていきたいと思います。

 

楽譜の版の違いについて

まず最初に「楽譜の版? なんじゃそりゃ…」と思ってらっしゃる方もいると思うので、簡単に説明させて頂きますね。

実は、現在のショパンの楽譜は世界中に何種類も存在していて、それらの楽譜を見比べてみると細かな表記が随分と異なっており、全てが同じなんてことはまずあり得ません。
これは出版元が複数あり、その数だけ監修や校訂した人間が違うために生じたものです。
ぶっちゃけ同じ曲でも、A社とB社が出した楽譜を比べると『全く違う音が書かれている箇所がいくつもある』なんてこともしょっちゅうですので、本当に困りものです。(^^;;

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ある2つの版による、ノクターンop.27-2 33小節目の比較。ご覧の通り完全に音が違ってます。右手(上段)の細かな運指も違いますよね。

何故こんなことになるかというと、そもそもショパンの残した自筆譜が何パターンも存在するからというのが理由の一つ。
一度作った曲を見直して、ちょこちょこと修正したり、構成を変えたり、指遣いや強弱やペダリングの指示を変えたり…なので、決定稿がどれなのか誰にも分からないのです。
小説家が完成した自分の作品を推敲してどんどん手を加えていっているようなものですね。
そういうボクも、このブログに記事を公開した後も、随時加筆したり、言い回しを変えたり、削ったりを繰り返してるくらいですから…って次元が違いすぎますね。失礼しました。(笑)

それから、ショパン自身が間違った記譜をしてしまったパターンもあります。
厳密にいえば、間違っているとは言い切れず、何かしらの意図をもって敢えて記譜されたものかも知れませんので、ここを変更するのかそのままでいくのかは研究者や校訂者次第ですね。
所詮、人間のやってることなんで、間違いなんてあって然るべきでしょう。

他にも理由はいろいろあるのでしょうが、とにかく沢山ある版の中からいずれかの楽譜を選んで練習しないといけないので、ある程度ピアノを嗜む人は版選びに慎重にならざるを得ません。
それに楽譜って結構お高いので「とりあえずどれか買ってみて、しっくりこなかったら他の版も買おう。」…なんてことやってると、散財しちゃいます。(笑)
スコアコレクターや、プロの音楽家なら別ですけどね。

 

最近のショパン楽譜のトレンド事情

というものがあるかどうかわかりませんが…(笑)
ポーランドで5年に一度開催されるショパン国際ピアノコンクールでは、ヤン・エキエル編のナショナル・エディション(通称:エキエル版)を使用奨励楽譜としているようですね。
このエキエル版の編纂(へんさん)は、ポーランドの国をあげての事業で、ショパン研究家であるヤン・エキエル氏が編集し、ショパン・ナショナル・エディション財団が出版したもの。
長年国家予算をつぎ込んで研究されてきましたので、確実にこれからの主流となる楽譜でしょうね。

ちなみに、このヤン・エキエル氏ですが、2014年に100歳という年齢でお亡くなりになられました。
後世に理想的なショパンの譜を残すため、人生を賭けて尽力した氏の姿勢に最大の敬意を払いたいです。

しかし、エキエル版は非常に高額です。←これ、結構切実ですよ!
安くても税込で3,500円以上、しかしほぼ4,000円とか5,000円を軽く超えてます。
なので、特別安いってわけではないけれど≪パデレフスキ版≫に落ち着くという人、少なからずいると思うんですよね。(笑)

パデレフスキ編 ショパン全集 VII ノクターン

パデレフスキ編 ショパン全集 VII ノクターン

 

 ノクターン全集ひとつとっても、この価格差(約3倍)…パデレフスキ版買っちゃいますよね。(^^;

定番とか名盤と呼ばれているCDは随分大昔に録音されているものが多いため、全てではないですが、ほとんどがパデレフスキ版で演奏されています。
事実、音大生はみな一様にパデレフスキ版で勉強していた時代がありました
でも、エキエル版が推奨されている今となっては、ずいぶんと端っこに追いやられそうな楽譜になってしまった…のかな?(゚ー゚?)

最近の音大生はどうなのでしょう? やはりエキエル版を使ってレッスンしているのかなぁ?
だとしたら、身体に染みつくほどパデレフスキ版で勉強してきた教授様たちは、結構教えるのもしんどいだろうなぁ。日々勉強されてるだろうから問題ないか…
なんて、要らぬ心配をしてしまいましたが(笑)ちょっとそこのとこの事情はボクには分かりません。

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これはボクが持っている楽譜ですが、すべてパデレフスキ版です。なぜならエキエル版はもれなくお高いから。それだけの理由です。(笑)

 

まだまだこんなに沢山の楽譜の版が…(-_-;

ボクの知ってる限り、ショパンには以下の代表的な版が存在します。

エキエル版
ウィーン原典版
ヘンレ社版
パデレフスキ版
コルトー
春秋社 井口基成 校訂版
音楽之友社標準版


通常、音大生やプロであれば、先生や師から勧められた版を使用しますが、素人はどういう判断基準で版をを選んだらよいのか分からないので、ついつい安い方に手が伸びるのが本音…なので、全音シリーズが売れる。←昔は悪評高かったみたいですが、今は改定も重ねられ、そんなに悪い楽譜ではなくなったようです。

「比較的安価で、メジャーで、いつも聴くCDの音と同じものでいいじゃん!」と思うのであれば、パデレフスキ版が安パイなのかも知れませんね。
なので、もうボクは生涯パデレフスキ版一本でいこうと思いますので、ピアノを弾く同志であるあなたに安心材料としてひとつ進言させて頂きます。

のだめちゃんが使っていた楽譜なので、間違いない!(爆)

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彼女も、パリのコンセルヴァトワールに留学時はパデレフスキ版でしょ?(笑)
といっても、これ10年近く前のお話ですけどね。

もし、「この他にもこんな版があるよ~。」ってご存知の方がいらっしゃったら是非教えてください!

それではまた!(^-^)/~~~

スタニスラフ・ブーニンというピアニスト

おはこんばんは、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/

本日は、昼間~夜にかけて横浜のほうのクライアントさん事務所にて制作会議がありますので、日付が変わったばかりのこんな夜中に更新です。(笑)

さてさて、あなたには特定のお気に入りのピアニストはいますか?
ボクは、小学校高学年の頃にポーランド出身の大ピアニスト、アルトゥール・ルービンシュタインが弾くショパンに衝撃を受けて以来、何十年もずっと彼と彼のピアノを敬愛し続けています。
最初に聴いたのは、確かショパン≪ワルツ集≫か、ポロネーズ集≫だったと記憶しています。

ショパン:ワルツ集(全14曲)

ショパン:ワルツ集(全14曲)

 
ショパン:ポロネーズ全曲

ショパン:ポロネーズ全曲

 


真の天才とは彼のことかもしれません。
たった2歳でピアノを弾き4歳で自身の特別な才能に気付き、自覚したといいます。
凄すぎでしょ…(笑)
このまま、ルービンシュタインについて書き綴りたいくらいですが、今回はやめておきますね。

さて、それでは今回のお題、スタニスラフ・ブーニンです。
最近の若いクラシック好きな方のうち、一体どれほどの人が彼の演奏を聴いたことがあるでしょう?
それ以前に、彼の存在や名前を知っているのでしょうか?

あっ、ひとつ思い出しました!
辻井伸行さんが赤ちゃんの頃、ブーニン英雄ポロネーズのCDだけに反応したというエピソードがありましたね。う~ん…有名な話はそれくらい??

ブーニンは、1985年のショパン国際ピアノコンクール優勝でセンセーショナルなデビューを飾り、一躍時の人となりました。そして、才能は十分だったはずなのに、日本以外の国では全く名声を得られなかった残念すぎるピアニストでもあります。

現在、彼はどこでどういった活動をしているのでしょうか。
まだまだ50歳そこそこで、順調に行っていれば脂の乗ったベテランピアニストとして名前も知れ渡っているはずなのに…
そもそも、今もちゃんとピアノを続けているのか? ←そこ?(苦笑)
てか、ロシア亡命後にドイツに渡ったとか、日本女性と結婚したとか、当時はいろいろと話題も絶えなかったけど、今じゃ全く音沙汰なしですよ。

 

衝撃の第11回ショパン国際ピアノコンクール覇者

第11回のショパコンは、ドキュメンタリー番組としてNHKが特集を組み、話題騒然となりました。
この回の覇者、スタニスラフ・ブーニン(当時19歳)によって巻き起こった、いわゆる『ブーニン・フィーバー』という現象です。
ただし、あくまでも日本だけの話ですけどね。

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こちらは第2位のマルク・ラフォレと、第5位のジャン=マルク・ルイサダ
ピアノの森≫に出てくるダニエル・ハントって、ルイサダがモデルですよねぇ…(笑)

特に日本人はミーハーな民族ですから、一部の人が目新しいものを見つけると、その本質を見極めようとすることもなく、みなさん右向け右で追従しちゃいます。
そして飽きたら何の躊躇もなくポイして、その後一切見向きもしなくなります。
まぁ大なり小なり、どんな事にも共通して言えることですけどね。
決して、ブーニンに関してだけのことではありません。

でも、同じ第11回で4位入賞した日本人ピアニスト小山実稚恵さんは、その後も研鑽を怠ることなく、今でも息の長い音楽活動を続けていらっしゃいます。
レパートリーも膨大で、その演奏や曲に対するアプローチには、彼女の聡明さを十分に伺い知ることができます。
それらは歴史的に群を抜くものではないかも知れませんが、プロの世界でも高いレベルにあることは間違いありません。

話を元に戻しましょう。
ボクもこのドキュメンタリー番組をテレビでリアルタイムに観ていたのですが、ブーニンのピアノに素直に感動したものです。

当時のロシア(旧ソ連)は、ショパコンには毎回2~3人という国内でもトップクラスの精鋭たち(上位入賞を狙えるピアニストたち)しか送り込まない体制を敷いてました。
そして、ブーニンも例外なく、旧ソ連という巨大国家の威信を背負った、将来を期待された特別なピアニストだったのです。

かくして、彼はまんまと本選(決勝)まで進み、優勝はもちろんのこと、ポロネーズコンチェルト賞まで受賞しました。

ボクも音源(CD)を持っていますが、彼が本選で弾いた
≪ピアノ協奏曲 第一番 ホ短調
のなんと美しいことか!

残念ながら、この音源は今となってはほぼ出回ってないので、商品自体を紹介をすることはできません…
ミスタッチが若干多めではあるものの、歯切れのよい明瞭で瑞々しい彼の演奏は、今聴いても本当に素晴らしいのです。
そんな稀有な才能を持つ若干19歳の青年が事実存在したわけですから、今の彼の状況が全くもって残念すぎるし、オーバーでもなんでもなくクラシック界の重大な損失だと思うのです。

 

ブーニンは猛スピードで頂点を極め、そして失墜した。

祖父はゲンリッヒ・ネイガウスという名門モスクワ音楽院の教授で、エミール・ギレリススヴャトスラフ・リヒテルという世界的ピアニストの師匠です。
父は、名ピアニストのスタニスラフ・ネイガウス。母はモスクワ音楽院の先生でした。

しかし調べたところ、両親はブーニンが幼い頃に離婚し、母が引き取ったということなので、直接父の教えは受けてないようですね。

また、ブーニンが生まれた頃にはすでに祖父は亡くなっていたので、その後彼がピアニストとして成長したのは、純粋に血筋の良さなのでしょう。

4歳でピアノを始め、17歳でロン=ティボー国際コンクール優勝
モスクワ音楽院では、セルゲイ・ドレンスキーに師事し、19歳でショパコン優勝
華々しいデビューを飾って、これからって時(1988年)に、旧・西ドイツに亡命。
グラモフォンレーベルからちょいちょいCDをリリースするも、ヨーロッパではもうすでに相手にされずに尻つぼみ状態。

ネットで調べると彼のバイオグラフィーは良いことばかり書いてあります。
確かに、ショパコンの覇者という肩書きの持ち主なので、コンサートツアー等もそこそこ行っていたし、様々なイベントへの出演依頼もあったようです。
しかし、決してヨーロッパでは大好評は博してないし、高い評価なんか受けてません。

この間、彼になにがあったのか分かりませんが、亡命したくらいですから、ピアノ以外に彼の身の上に負担をかける何らかの問題があったのかも知れませんね。
しかし、曲に対するアプローチもわざとらしいほど屈折していたし、もう何が何だかわからない演奏スタイルを漫然と続け、研鑽を怠ったのは事実なんですから、彼の失墜は当たり前の出来事だと思います。

いずれにせよ、結果として日本での細々とした人気に頼るしかメシの種(お金)にはならず…だからなのか分かりませんが、現在は日本人と結婚し日本に住んでるみたいですね。

ここまで落ちたことで、ショパコン覇者としては物足りなさ甚だしいし、歴史的に重要なピアニストから確実に除外されているので、今後彼がクラシック界で再び浮上することは不可能でしょう。
厳しいことを言えば、単なる『ピアノが上手なおじさん』で、
「彼のピアニストとしてのキャリアのピークは、ショパコンを制したあの夜だった。」
と評されても仕方のないことですね。

哀しいけれど、それもまた人生…
それではまた!(T-`)/~~~

クラシック番組:Blu-rayコレクション

おはようございます、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/

ボクは、個人事業主としてグラフィックとWEBデザインの仕事を自宅事務所でやっているのですが、最終的な納期さえしっかり守っていれば、あとの時間をどう管理するかはかなり自由が利きます。
ですから、仕事中はBGMとしてずっと好きなクラシック音楽を流していますし(現在はクラシックFM中心)、空いた時間にブログネタを探したり、楽譜を引っ張り出して眺めたりできる環境にあります。
つまり、毎日、朝から晩まである意味クラシック三昧の生活を送っているわけです。

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おそらく、お勤めの方から見たら「なんて羨ましい環境なんだ!」と思われるかもしれません。
が、ボクはボクなりに収入を安定させるための努力はすれど、なかなかうまいこといかないことも多々あるので(^^;; ちゃんと決まったお給料を会社から貰っている人が逆に羨ましかったりするのですけどね。
ぶっちゃけボーナスもないし…(笑)

でも、その代わりにギスギスした対人関係だとか、上司や同僚に気を遣ったりとかの必要が全くないので、そこは自分でも恵まれた環境だとは思ってます。
人生で最も長い時間を費やしている仕事でのストレスが一番辛いですものね。

さて、そんな感じで、時間が空いたとき(仕事の谷間や本当に仕事がないとき)にコンスタントにやってることがボクにはあります。
それは…

 

録り溜めたクラシック番組のCMカットとチャプター編集

です!(笑)
みなさんもご存じのことと思いますが、最近のブルーレイレコーダーって、キーワードとして任意の語句を登録すれば、番組名や内容に引っかかって勝手に録画してくれる便利な機能がついてますよね。
ボクの場合、その登録しているキーワードは…

ショパン
バッハ
ベートーベン
ラフマニノフ
リスト
ポーランド ←必ずショパンが取り上げられます。
のだめ(笑)
松井秀喜 ←人間として、非常に尊敬しています。


もっといろいろ細かく、例えばピアニスト名でルービンシュタインとか『ラン・ラン』とか入れることもできますが、彼らが弾くのは結局ショパンだったりベートーベンだったりリストだったりするので、特に登録の必要がないのですよね。

当然、上記の条件だと、辻井伸行さんがチャイコフスキーを弾く番組があったら、もれなく録り損ねちゃいますね。(笑)
逆に、バッハに引っかかって、競馬とか全く興味ないものがアホみたいに録画されちゃったりとか… ←お馬さんの名前によくあるみたい。(^^;;

そんなこんなで、ボクが求めているものでよく自動録画されているのは

ららら♪クラシックNHK
クラシック音楽NHK
クラシック倶楽部NHK-BS)
名曲アルバムNHK
題名のない音楽会テレビ朝日
エンター・ザ・ミュージックBSジャパン


こんなところでしょうかね。
結構3ヶ月とか平気で放置してるので、気付いたときはBlu-rayディスク1枚分くらい溜まっちゃいます。
で、チャプター編集して(民放ならCMカットして)Blu-rayディスクに焼いて保存するのです。

それにしても、民放にもっと頑張って欲しいですね。
ち~っとも面白くないお笑い芸人番組ばっかりやらないで、もっと教養のある番組作りをして下さいよ。ほんとにレベルが低い番組ばっかりで、ヤル気が感じられません。

 

ディスクに焼いた後のお楽しみ、ジャケット制作

あっ、今「なにそれ?」とお思いになられましたか?
う~ん、しょうがないなぁ…ではご覧に入れますよ♪ ←どーやら見せたいらしい…(笑)

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はい、ド~~ン!(^-^)/ これ全部、自作です。なかなか統一感あっていいでしょう?

予めPhotoshopでテンプレートだけ作っておいて、好みの画像をGoogleで検索し、色補正やフィルターを駆使してデザインしたあと、裏面にプログラム名を入力します。
このサイズはA4内で収まるので、自宅のプリンターでスーパーファイン用紙に印刷して、カットしてケースに入れていっちょ上がりっ♪

デフォのプラケースのままでも全然問題ないんですけど、どうせ保管するのであれば、ちゃんと既製品みたいに作っておきたいんですよね。

エレコム ブルーレイケース 標準サイズ 1枚収納 10個セット クリアブルー CCD-BLU110CBU

エレコム ブルーレイケース 標準サイズ 1枚収納 10個セット クリアブルー CCD-BLU110CBU

 
エレコム ブルーレイケース スリム 1枚収納 10枚パック クリアブルー CCD-BLUS110CBU

エレコム ブルーレイケース スリム 1枚収納 10枚パック クリアブルー CCD-BLUS110CBU

 

なので、ボクはこのBlu-rayケースを使ってます。上と下の製品の違いは厚さです。背ラベルの幅ですね。これは好みの問題です。

仮にもプロのデザイナーなのですから、こういうところで拘りを捨てたら、クリエイターとしてお終いですよね。(笑)

そういえば、そろそろ自動録画した番組が溜まってきている時期なので、また新しいコレクションを追加制作せねばなりません。
よし、仕事の合間を縫って数日中にやっつけちゃおう~!

それではまた!(^-^)/~~~

追記:
いつの間にか『ららら♪クラシック』の加羽沢美濃さんと石田衣良さんがいなくなってました。
後任は、特命係長さんと、全然知らない女の人…なんだか、非常に残念な交代です。(ToT)

また、『題名のない音楽会』の五嶋龍さんも、石丸幹二さんへチェンジしてるんですね。
できればもう一度、佐渡裕さんに戻ってきて欲しかったなぁ…
世界を股に駆けて第一線で活動されている方のレギュラー出演は結構きついんでしょうね。

ピアノのカタログを眺める幸せ

おはようございます、グラフィッカー☆JUNです。(^-^)/

さて、今回も張り切って書いていきますよ~!
早速タイトルの件ですが、新聞折り込みの特売チラシを毎朝くまなくチェックする主婦ではありませんが…う~ん、いや、結構近いものがあるかな?(笑)

以前少しだけ触れたことがありますが、ボクは昨年末まで、横浜でデザイン事務所兼ピアノスタジオとして防音物件を借りていて、そこでKAWAIのグランドピアノを所有していました。
ところが、諸事情により事務所を解約しなければならなくなり、東京の自宅(戸建)では住宅メーカーの保証の問題があってピアノを設置できなかったので、泣く泣く手放したという経緯があります。

ピアノを手に入れたのは、最終的に手放した日のほんの9ヶ月前の2016年3月。
購入まで半年間かけて、自分が知る限りのメーカーのパンフレットをかき集め、ネットでいろいろ調べ上げてメールや電話で質問したり、実際に展示してあるピアノを試弾をしに行ったり…
憧れのグランドピアノを手に入れて、それを弾いている自分の姿を想像しながらワクワクの日々を送ってました。

 

ちょっと遡って…電子ピアノを買ったお話 

ボクがピアノを始めたのは、2013年のゴールデンウィークです。
クラシック音楽はもともと大好きで学生時代から聴いていたので、ピアノを趣味にすることに関しては、能天気な性格も手伝ってか(笑)敷居が高い感じは特にしませんでした。
ただ、当時はマンション暮らしということもあり、グランドピアノはおろかアップライトでさえままならない環境だったので、電子ピアノから始めることにしました。

『電子ピアノはピアノではない。』
という認識だけは最初からなぜか強かったのですが、たぶんネット情報の刷り込みでしょうね。(^^;
しかし、サンプリングとはいえショボイ音がする安物ではモチベーションも上がらないので、20万~25万の中級クラス(?)のものでYAMAHAKAWAIRolandCASIO等のパンフレットを集めて慎重に検討しました。
RolandやCASIOというピアノメーカーでない会社が電化製品として製造していることからも『電子ピアノはピアノではない。』ということがわかると思います。

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最終的には、YAMAHA Clavinova CLP-440を無事に購入。バイエルもハノンもやらず基礎もできてない状態で、毎日毎日ショパンを練習したものです。

それでも、3ヶ月ほど練習して少しづつ上達してくると、アコースティックピアノ(生のピアノ)が弾きたくなってくるものです。週1回2~3時間、ピアノスタジオを借りて練習するようになりました。

そのうち色気が出て(笑)たまにSTEINWAYのピアノが置いてある部屋を借りたり… もうここまでくると、自分だけのピアノが欲しくなるのは当然の話です。
毎月スタジオ代で3万円近くもかかるであれば、ローンで買っちゃったほうがいいですからね。

ちょうど、事務所を借りようと計画していたので「じゃぁ、いっそのこと防音ルームを借りてピアノ入れちゃおっか!」というノリでグランドピアノを購入することにしたのです。

 

夢がたっぷり詰まったグランドピアノのパンフレット

さて、まずはパンフレット集めからスタート!
YAMAHA、KAWAIは当時住んでいた横浜にありましたので、CXシリーズやGXシリーズのパンフレットは簡単に入手できました。
あとは、国産であればDIAPASONがあれば資料としては十分なのですが、せっかくだから観賞用に以下の高級ピアノのパンフレットもネットで取り寄せました。
…いや、絶対に買わない(買えない)のですけどね…(笑)

STEINWAY & SONSスタインウェイ・アンド・サンズ)
Boston(ボストン)
Bosendorferベーゼンドルファー
C. Bechstein(ベヒシュタイン)
Fazioli(ファツィオリ)
PETROFペトロフ
Shigeru Kawai(シゲル・カワイ)

 

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こうやって並べると圧巻ですね。もうドキドキしてしまいます。d(⌒o⌒)b♪

カタログが届いてからというもの、毎晩毎晩、風呂上りにビールを飲みながらの鑑賞タイム。それがボクのルーティンワークとなりました。
そして、かねてから『ピアノは絶対黒派!』だったので、木目とかの割増料金も考える必要なく、艶々とした重厚感のある漆黒の躯体に見とれてウットリしたものです。
そのときにドクドクと溢れ出たアドレナリンのおかげで仕事も捗り、充実した日々が過ごせました。

ちなみに、最初から新品を買おうとか全然思ってませんでした。
ある程度年数が経っている中古の方が弦も安定しているし、よく鳴ってくれるという知識だけは持っていたからです。

その後、時が満ちて浜松市まで試弾に赴き、KAWAI RX-2(2004年製)という理想的な音色を奏でてくれるワンオーナーの中古ピアノを手に入れることができました。
先に書いた通り、諸事情によりたった9ヶ月という短い期間で手放すことになったのですが、その間はとても幸せなピアノライフを送ることができましたよ。(^-^)/

 

心にも栄養を♪

いま考えると、ピアノ購入計画がここまでボクのライフスタイルに彩を添えてくれてたなんて…
もう今後ピアノは買わずに、こういう想いを馳せる時間が持てるだけで十分じゃないかと思ったりもしますね。美味しい夢は最後の最後までとっておくっていうか。(笑)

どちらにせよ、今はグランドピアノを置ける場所もないことだし、たまには夜にピアノのカタログを眺める時間を復活させてみようかな?
今のボクにとってピアノのカタログは立派な大人のホビーであり、それを眺めることはこの上ない贅沢な時間だと思ってます♪

ささやかでも心が満たされる時間、あなたは持っていますか
心に栄養を与える方法は、特に贅沢をしなくてもたくさんありますので、なにか夢中になれるものをひとつ探してみるのも楽しいかも知れませんよ。

それではまた!(^-^)/~~~